今さらですが2026年カープのドラフトを振り返ります。
多くの素人が「青山学院・渡部海」と叫ぶ中、私一人が「山梨学院・菰田陽生」を推していました。
カープが1位指名したのは「亜細亜大・山里宝」でした。
ショート4名の指名
カープが三連覇した頃、NHKの人気番組「プロフェッショナル・仕事の流儀」で「カープの強さの秘密はスカウティングにある」と紹介されました。※NHK
それをきっかけにプロ野球ファンの間に広まったのが「年齢別ポジションシート」です。MLBでは「デプスチャート」と呼ばれています。
最近は素人系Youtuberもこのシートを使いながらドラフトを語ります。
「ここのポジションが足りないから、ここの選手を獲ろう」という理屈です。
しかしそもそもの「球団編成の方針」が間違っているため、多くの素人がこのシートの使い方を間違えています。
彼らの目には「一軍レギュラーの穴」しか見えていません。
今年ショートが抜けたからショート、坂倉の盗塁阻止率が低いからキャッチャー。これは原辰徳時代の 巨人のアホ野球 と同じであります。
カープには確かに「22歳のショート」が少ない。だから山里宝の指名はわかる。
しかし5位の光弘帆高の指名は何だ?
1位山里と5位光弘は同じ年齢の同じポジションの選手です。2人も獲ったのはどういうわけだ?
「2人で1つのポジションを競争するんだよ!」
ほーらね。やっぱりそうだろ。
素人は「競争」という言葉を盲目的に信じているが、そこが玄人の私と 観点 がズレているのだ。
同じポジションで同じ年齢の選手を競わせることは決して「競争」ではありません。
それは
過当競争
であります。
ハッキリ言って
ソフトバンクのやり方
です。
カープには合わない。
カープは育成でもショートを2名指名している。24歳の車谷仁と22歳の皆吉海翔。
カープは2026年のドラフトで22~24歳のショートを4人も指名したのです。
チーム編成の基本
二軍の試合を回す目的で育成選手を多めに指名するのは構いません。育成選手の数に制限はありませんから。
しかし支配下選手の数には限りがあります。ご存じ70名です。
ここで私の 基本構想 を披露します。
支配下選手70名の内訳について説明します。
現状のカープの選手層から 投手36名、野手34名 の支配下選手で2027年を戦うとします。
この時の私の選手の振り分けは以下の通りです。
【1】一軍投手 15名 一軍野手 16名
【2】二軍投手 15名 二軍野手 12名
【3】若手投手 6名 若手野手 6名
上記を合計すると投手36、野手34となります。
【1】は一軍登録される31名。
2027年からDH制なので先発6名+ブルペン9名=投手15名。スタメン野手9名+控え野手7名=野手16名。
【2】は一軍昇格に備える二軍選手。
具体名を挙げれば堂林翔太やアドゥワ誠。常廣羽也斗や齊藤汰直もここからスタート。
重要なのは【3】の若手層であります。
【3】はまだ一軍戦力として考えられない若手有望プロスペクト枠。カープで言えば菊地ハルンや西川篤夢。
年齢だけで区分するわけではありません。大卒ルーキーでも指定強化選手なら【3】に所属して構いません。
内田湘大は来季【2】より上のカテゴリーで一軍戦力とならなければなりません。
そして斉藤優汰は私の中では既に【1】に所属しています。斉藤優汰はキッパリ言って開幕ローテです。
素人は【1】ばかり見ながらドラフトしてます。
鈴木誠也が退団した時も素人は中村健人と末包昇大を支配下でドラフト指名しました。鈴木誠也が【1】の「右打ち外野手」だったからです。
私は「アホか」と一蹴しました。
鈴木誠也と小園海斗の穴がドラフトで埋まるか。タコ。
「過当競争」は強者の理論
【1】ばかり集めて過当競争のチーム編成をしているのがソフトバンクです。
いわゆる一つの 三軍制。選手をかき集めて過当競争。
私は10年前から三軍制とキャッチャーのフレーミングを真っ向から否定してきました。
他球団が三軍制を敷くのは否定しません。ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たるからです。
しかしカープが同じ年齢の同じポジションの選手を並べて過当競争。勝った方がレギュラー、負けた方がクビというチーム編成ではカープはいつまでも弱いと思うのです。
誠也の穴をケンティーと末包で埋めようとしたカープの編成を私は 一刀両断 しました。
「5年後のカープが焼け野原になる!」
と切り捨てました。※参考記事
2021年の5年後は2026年です。見事な焼け野原でしょうが。
渡部海を欲しがった素人連中は、おそらく全員フレーミングマニアです。最近、キャッチングに異常に固執する野球ファンが増えている。
キャッチング技術も大切ですが、私はカッコいいフォームなんかより 試合に勝つこと を優先します。カッコ悪くても勝てばいいという考えです。
山口翔
ここからが本題。長文です。
カープのチーム編成は支配下に【3】若手有望株を置かないといけない。
【3】に投手6名・野手6名ほど 常に抱えておかない といけないという話をします。
今現在のカープは【3】が投手2名、野手1名しかいません。
具体名を挙げると森煌誠と菊地ハルン、西川篤夢です。
昔、カープの【3】に 山口翔 という投手がいました。
山口翔は熊本工業時代にプロフェッショナル仕事の流儀で特集されて、そこで当時のスカウト部長・苑田俊彦さんは山口翔についてこう語っていました。
「この投手は相手に向かっていく闘争心がいい」
山口翔は春の甲子園で9四死球を出して敗戦しました。
しかし苑田さんは打たれても打たれても決して下を向かない山口翔をドラフト2位指名しました。結構サプライズでした。
その後、カープに入団した山口翔は5年後に戦力外通告を受け退団。
山口翔の獲得は失敗だったのでしょうか?
私は全くそうは思いません。
山口翔の2位指名は戦略的に 大成功だった と思っています。
野球に絶対はありません。ベストな手を打って失敗に終わることなど人生では 日常茶飯事 です。
山口本人もベストを尽くしましたよ。
ベストを尽くしても負けるのがプロ野球。まさにディス・イズ・プロ野球。
カープと選手は挑戦を続けないといけません。
山口翔のような素材型の選手を獲得して、二軍で鍛えて、一軍のスター選手に育てていく。この流れを放棄して、プロスピのガチャみたいな即戦力ドラフトに走ればカープがソフトバンクに敗れるのは必然です。
三軍制のソフトバンクはカープより多く選手を抱え、カープより多く練習します。
しかもソフトバンクはFA選手で【1】も補強します。今年も森下暢仁が狙われています。
カープはどこでソフトバンクとの差を縮めるのか?
やはり「支配下選手を鍛えて伸ばす」。これしかないと思うんですよ。
苑田さんは「打たれても下を向かない選手」「いくら練習しても壊れない選手」をドラフトで獲ると言っていました。
カープは近年即戦力になりそうな大学生ばかりで、【3】を全く指名していません。
勝田成だって新井は便利使いしました。
勝田がルーキーで一軍を完走したと言いましても、それはユーティリティーなポジコロ要員として扱われただけでした。
私は勝田を首位打者タイプの二塁手だと見ているので
「勝田をスタメンで使わないなら二軍に落とせ。打席に立たせなければ勝田は成長しない」
と何度も言いました。※参考記事
支配下で有望株を獲り、支配下の若手を二軍で育てる。
このプロセスを飛ばせばカープはソフトバンクとの差を縮められません。
育成ドラフトの育成選手を二軍で育てるプロセスはソフトバンクの方が上です。あいつらの方が金も設備も選手の数もカープより上です。同じ土俵で勝負すればカープは一生ソフトバンクに追いつけません。
カープは支配下選手を二軍で育てないといけません。
だから支配下ドラフトで若手ロマン枠を獲れと言っているのです。
内田湘大
そこで 内田湘大 です。
カープの切り札はこいつです。2022年の支配下ドラフト2位指名。
カープは内田を鍛えてメジャーリーガーに育てないといけません。来季5年目。
「内田がメジャーリーガーになど、なれるかw」
たわけ。素人はまた挑戦する前から諦めてる。
これをやらないとカープは来年もまたBクラスです。
ソフトバンクも毎年即戦力ルーキーを指名しています。即戦力ルーキーに頼っていては戦力差は埋まりません。
新井が内田を2位指名した時も結構サプライズでした。山口翔の時と似ていました。
2017年、カープが山口翔を2位指名したことは大成功でした。
育てられなかったことはチャレンジした結果です。私は責めないし、むしろ挑戦したことを高評価します。
内田の打撃はまだまだスカタンです。私は今年1年、内田の打撃をずっと見てきた。
3年目の2025年が最もチャンスでしたが、この年に新井はドラフト1位の佐々木泰を一軍で使いました。佐々木泰が故障すると小園海斗をサードで使いました。
そして2026年も新井は内田と同い年の内野手を2名支配下で指名しました。山里がショートに入れば光弘がサードに回る可能性もある。逆のパターンももちろんある。
私はこのチーム編成が巨人のアホ野球で、ソフトバンクのやってる過当競争だと思っています。
私はこのオフに内田湘大の育成落ちもあると思ってました。だってそれが巨人とソフトバンクのやり方ですから。
しかし内田は生き残りました。内田はもう1年、支配下で勝負できます。
山口翔は5年で戦力外通告を受けました。
内田湘大は来季がプロ5年目です。
私はカープは来季、内田湘大と斉藤優汰で戦うべきだと思っています。
共存共栄できるチーム編成を
カープのドラフト戦略は過当競争ではなく 共存共栄 であるべきだと思います。
内田と斉藤のポジションに同じ年齢の選手をかき集めて過当競争させるのではなく、常に投打の若手有望株を支配下に10~12名抱えて育てる。
育てながら残り58~60名の一軍選手で優勝を目指す。
主力選手がチームを去れば、次の若手が出てくる。これが共存共栄のチーム編成です。
主力が抜けたから補強だ即戦力だは巨人のアホ野球で、ソフトバンクの金満野球です。カープがそれに倣うと必敗法です。
カープは支配下で有望株を指名しなくてはなりません。支配下で指名しないと巨人とソフトバンクに育成指名で獲られるからです。
今年のドラフトはもうやり直せませんので、来年からでよい。
即戦力に偏ったドラフトはもうやめないといけない。
山口翔はクビになり、内田湘大もがけっぷち。
しかしカープはこのドラフトを続けるべきです。
鈴木誠也はドラフト2位。江藤前田は下位指名。新井栗原も下位指名。
工藤泰己や赤木晴哉の下位指名は良かったと思います。勝田成の3位指名も良い。
しかし2位西野や5位光弘はポジションがまるかぶりです。
5位で光弘を獲れるんだったら、1位2位で大分商業の平田と横浜高校の池田を獲るべきでした。菰田ならなお良し。
カープのショートには二俣と西川篤夢がいるんだから、ショートは下位で1人獲れれば十分でした。
カープの22歳キャッチャーは大勢いすぎて、2位西野は意味不明でした。
西野啓也も応援しますよ。正捕手で育てなさい。
しかしそれをやると清水叶人と高木翔斗が死にます。
内田湘大も死ぬ。せっかくの5年前のドラフトがパーなのです。
カープは5年前のドラフト選手に命を預けて試合に負けりゃいいんですよ。それがカープの野球で挑戦ですよ。
なにが補強ポイントだ。
素人の補強ポイントは「坂倉の穴」と「小園の穴」です。そんなもんがドラフトで埋まるか。
ドラフトで埋めなきゃならないのは「主力の穴」ではなく、【3】の若手有望株です。これが共存共栄のチーム編成です。
主力の穴は育成で埋めるのです。ドラフトで埋めるのはアホの野球です。