One for all, All for oneは誤解されている

今日は「見えてきた新井新監督の構想」第4弾。

今日のテーマはコンディション不良です。

去年もよく聞きました。この謎のフレーズ。

盗塁できないのもコンディション不良。防御率が悪いのもコンディション不良。野間もキクもコンディション不良。

緒方と佐々岡の時代のカープは選手の体調についてマスコミに公開しない方針を貫きました。敵チームに情報を与えたくないからです。

んでカープファンにも情報が一切伝わらないのでファンも8年間ずっとやきもきしてました。完封した戸田がなんで二軍なんだとか、アドゥワと岡田をなぜ使わないんだとか。

新井新監督は就任早々、「今年から選手の故障情報を開示していく。ファンのためだから」と言いました。

それも嬉しいんですけど、新井はこうも繰り返しています。

「キクや野間、アツも故障持ち。休養させながら使わないといけない」

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変わりゆくプロ野球

当たり前すぎてわざわざ誰も口にしませんが、ペナントレースは故障者を出さないチームが一番強いんです。

セリーグを連覇したヤクルトはこれが上手い。高津監督は故障する前に選手を休ませるのが上手い。

ただ私は主力を休ませることがあまり好きではないんですよ。

ショートやキャッチャーの選手が1年間フルイニング出場するのは過酷だと思いますけど、中6日の先発投手が100球で降りるのは「ラクすぎないか?」と思います。

私が憎んだ佐々岡アホ野球の中で唯一支持していたのが「先発120~130球」プランです。この点だけは佐々岡と同意。

森下や大瀬良は当然として、中6日も空けてるんですから床田遠藤にももちろん7~8回を目指してほしい。

  

ところが新井は「主力野手を休ませる」「先発投手の球数も制限する」と言ってるんですよ。

「主力野手を休ませる」は全面的に賛成です。キクも143試合スタメンさせたくありません。120~130試合でいいでしょう。

坂倉将吾でさえスタメンマスクは120~130試合で十分。なんたって捕手ですからね。

小園海斗は個人的には143試合フルイニングしてもいいと思ってます。あいつは体力ありますから。

ただ新井の方針で行けばフルイニングはなさそうです。大量リードした試合では小園もおそらく休むでしょう。

 

先発投手はやはり「中6日の100球降板」になりそうです。今の流行りですからね。

去年の日本シリーズではオリックスもヤクルトも先発を4回80球で降ろしてました。打者3巡目はもう投げません。

その分リリーフにしわ寄せがいくので、リリーフも枚数を揃えています。勝ちパターンは3人では足りません。ヤクルトとオリックスには日本シリーズで勝ち継投ができるリリーフ投手が5人も6人もいたイメージです。

 

新井いわく

「勝ちパターンで若い投手を抜擢する」

「腹を括って我慢することこそ育成」

などと語っています。

まさに古葉監督時代から続くカープの伝統・・・なんですけど、古葉監督の我慢は1年間戦えるレギュラー選手を作るため。新井監督のはレギュラー選手の寿命を延ばすためという違いを感じます。

   

第2先発と勝ち継投

新井監督は「球数制限」と「栗林までの7~8回」を重要視しています。

私の理想は昭和の先発完投なので、この構想にはあまりウキウキしません。ただ「時代の流れだから仕方ない」とは思っています。1週間に1回しか投げない森下と遠藤が6回で降りたら寂しくなると思いますけどね。

その分、若手へのチャンスは増える。先発タイプの森翔平、コルニエル、高橋昂也が先発ローテにいない時、新井はおそらく彼らを「第2先発」や「ロングリリーフ」として1軍で起用すると思います。

コロナが5類に移行しても、プロ野球のベンチ入りは26人。新井はブルペン9人で戦うと思います。

 

坂倉と森下が100球以内で完投すればそれもOK。

もし相手に先制されたら先発を5回で降ろし、代打木下と第2先発高橋昂也で反撃に出る。そういう野球をするんじゃないか。

 

1点リードすれば7回矢崎、8回森浦。

だけどリリーフ投手の3連投は避けたい。年間60試合登板までに抑えたい。

そうすると勝ちパターンは3枚では足りない。クローザーだって1枚では足りない。

島内、ケムナ、塹江の他に松本竜也、黒原拓未、岡田明丈、ターリー、小林樹斗、大道温貴が出てくるかもしれない。中崎一岡も死んでない。

 

捕手が坂倉に代わることも投手陣への影響が大きい。

坂倉なら100球以内で先発投手を長く引っ張ることができるからです。

オールドファンはやっぱり先発完投が好きなんですよ。森下が6回で降りたら寂しいです。

 

One for all, All for one

新井は野手もローテーションさせることを示唆しています。

キクの代わりに羽月が。

野間、秋山、西川の代わりに大盛、ケンティー、末包が。

そして坂倉の代わりにアツや石原がスタメンで出ることもありそうです。

このことについては全面的に賛成です。坂倉のスタメンが100試合なら激怒しますけど、120試合なら仕方ないと思います。140試合だと「サクを休ませろ」と言うと思います。

 

ラグビーの世界に

One for all, All for one

という言葉がありますよね。

 

一人はみんなのために

みんなは一人のために

ってやつ。

家族をうたう新井カープのイメージにぴったりの言葉です。TBSが流行させました。

 

でも実はこの言葉の本当の意味は「みんなは一人のために」ではないそうです。

 

「一人はみんなのために」は合ってます。選手一人一人がチームのために頑張ろうって意味。

「みんなは一人のために」が日本人の誤解だそうです。

 

実はこの言葉の本当の意味は

みんなは一つの目標のために

だそうです。

カッコいいですね。

「みんなは一人のために」もカッコいいんですが、「チーム全員で勝利を目指そう」はもっとカッコいい。

 

要するにoneには二つの意味があってダジャレみたいに使われているんです。英語ってこういうのが得意ですよね。

新井野球はAll for one。

70人全員で優勝を目指そう。1軍も2軍もない。スタメンもローテーションならリリーフもローテーション。

70人全員であの旗を獲りに行く。新井が選手だった時、日本シリーズで「もう一本の旗を獲りに行く」とかなんとか言ってませんでしたっけ?

 

衣笠、山崎、金本、広輔。

長らく連続試合出場が美学とされてきましたが、プロ野球も変わりつつあります。

先発投手の球数制限もいいですが、キャッチャー坂倉なら100球でもマダックスできると思います。黒田博樹は得意でした。