明日から交流戦。
そこで交流戦の前に 指名打者 の話をしましょう。
「指名打者といえば石嶺・門田」と思ってるおっさんは、頭を柔らかくして聞いてくださいね。
セとパの格差
交流戦のたびに言われるセとパの格差。
過去20年の交流戦の成績は パが勝率.530、セが勝率.470
たった6分の差に見えますが、ペナントレースで勝率が6分違えば 順位は2~3個 違いますよ。
だから パリーグは2位でセリーグは4位 みたいなものです。
私の試算によるとセリーグとパリーグが143試合戦えば、最終的なゲーム差は 9.0ゲーム差 と出ました。※参考記事
その格差の原因は指名打者制度(DH制)にあると言われてきました。
では指名打者制度のパリーグは現在、セリーグより何点多く得点していると思いますか?
5月25日現在、セリーグ1チームあたりの1試合平均得点は 3.46点 です。
セリーグ6球団の総得点数はここまで947点。6で割って3.46点。ソースはNPBです。
はい。
ではパリーグは平均何点でしょう?
…
三択にしてあげましょうか?笑
【1】3.69点
【2】3.99点
【3】4.29点
セリーグ平均は3.46点です。
では正解を発表します。
DH制の平均得点数
正解は【1】平均 3.69点です。
今季ここまでの1チーム1試合平均得点は、
■セリーグ 3.47点
■パリーグ 3.69点
です。
「まだ試合数が少ないから、これだけじゃわかんないよ」
それはその通り。では第2問。デデン。
2025年143試合戦って、セリーグの1試合平均得点は 3.21点でした。
ではパリーグは平均何点でしょう。
今度は三択なしでお答えください。
行きますよ。
正解は、
セリーグの 3.21点に対して、
パリーグは 3.38点 でした。
パリーグ6球団の年間総得点は2898点。6で割って483点。143試合で割って 3.38点です。※NPB
「セリーグには村上と岡本がいたから」
いいえ。去年も村上・岡本・牧の3人はケガで長期離脱してました。
それでもセとパの平均得点は0.2点ほどしか違わないのです。
「平均0.2点はかなりの大差だ!」
とおっしゃったあなたはセンスがあります。統計に騙されないタイプ。
投高打低の時代に平均0.2点の差は確かに大きい。
チーム防御率3.10と3.30くらいの差がありますからね。
だけど、どうです?
思ったほどDH制って得点が増えなくありませんか?
イメージでは9番投手が石嶺・門田のような強打者に代わるので、平均1点くらいの差になりそうな気がしますよね。
そこがおっさん脳の限界です。
野球が変わってきている
石嶺・門田の時代と今のDH制と何が変わったか?
それは「先発投手数の投球数」と「投手が打席に立つ回数」です。
現代の先発投手は6イニング100球で降板します。
となると先発投手が打席に立つのはだいたい2回。
負けてる展開では1打席で代打が出ます。
3打席立つ先発投手は現代では極めて稀です。
仮に投手の平均打席数を 1.8打席 としましょう。
これはめんどくさいので集計してません。イメージです。
セリーグの9番打者の平均打席数を仮に4.0と設定すると、残り2.2打席は結局野手が打つんですよ。DH制と大差ないんですよ。
セとパの差、DHの有利さは結局「平均1.8打席分」でしかないんですよ。
「いやいや、デストラーデやブライアントの1.8打席は大きいぞ」
実はそこも変わってきてるんですよね。
もしセリーグにデストラーデやブライアントがいたら、そいつらはレフトかファーストで試合に出てますよ。
セリーグで投手の代わりにDHに出る選手って結局「代打要員」なのですよ。
セリーグがDH制度を導入したからって、スタメンに佐藤輝明が追加されるわけじゃないんですよ。佐藤はDHが無くてもスタメンですよ。
追加される打者は良くても松山竜平。平均は堂林レベルじゃないか。
守備力は大幅アップするかもしれません。
外国人をDHにして、足の速い若手に外野を守らせれば、チームバランスが良くなるでしょう。
だからDH制を使えば、すぐに1点増えると思うのは間違い。
平均3.1点がせいぜい3.3点になるだけです。
パリーグには強打者が少ない
実はパリーグには昔から強打者が少ないです。
ドラフトでいい投手を獲ってるからなのか?よくわからない。
セリーグには40発打てる強打者が多い。狭い球場が多いことも影響してます。
例えば現在MLBで活躍している 日本人野手 を見てみてください。
【セ出身】鈴木誠也・村上宗隆・岡本和真
【パ出身】吉田正尚
続いて日本人投手
【セ】今永昇太・菅野智之
【パ】山本由伸・佐々木朗希・千賀滉大・菊池雄星・松井裕樹・今井達也・ダルビッシュ
セからは強打者が大勢抜けて、
パからは大投手が大勢抜けている。
二刀流の大谷翔平を計算に入れてもいいけど、パの得点が増えて、パの得点が減るんだから、結局プラマイゼロじゃんか。
こうした状況でDHを使ってるパリーグは平均3.38点。セリーグは3.26点でした。2025年シーズン。
「セとパの投手は違うんだから、得点数を単純比較することはできない」
これはその通りです。
ただ由伸と朗希が抜けた今では、セリーグの方が次のMLB投手が多くいると思うぞ。つまり私は「セリーグの方がパリーグよりも得点が入りにくい」と見る。
2026年現在、パの防御率上位3人は高橋光成(西)・大津亮介(ソ)・上沢直之(ソ)の3人。
セは高橋遥人(神)・栗林良吏(広)・大野雄大(中)の3人です。
セリーグがDH導入を決めた理由
ちなみにセリーグがDH導入を決めた理由は、交流戦対策や国際試合のためではありません。
高校野球と東京六大学がDH制導入を決めた からです。
高校野球と六大学のDH導入が決まって、50年間DHに反対してきたセリーグがその 3日後 にDH導入を決めました。※中日新聞
高校野球をDHでやって来た学生が、プロ野球に入ってすぐに打席に立つことはできないため、セリーグは伝統の9人野球をすんなりと放棄したのです。
ではなぜ高校野球はDHを導入したのか? 100年以上の禁を破って。
これはひとえに 選手の故障を防ぐため であります。
酷暑の影響もあって、投手には投球に専念して攻撃の時間は休ませてあげたい。
おそらく六大学も高校野球に倣ったものだと思いますし、プロ野球も高校野球に倣ったのでしょう。私もそれでいいと思います。
「小学生と中学生はどうなるんだ!」
小学生は今、変化球禁止ですし、中学生も昔からずっと7イニング制です。
ちばあきおの時代からずっと7イニング制だったと思います。私はキャプテンがなぜ9回制なのかずっと不思議でした。
だから頑固な私もDH制度をあっさり受け容れました。
選手のケガを防ぐためだったらDH制も仕方ありません。
野球が室内競技に変わるより少しマシだからです。
だから私はもう少しだけ9人の野球を楽しみたい。
今年の交流戦はマツダで開幕します。