2023年ドラフト会議が終了しました。
私は非常にモヤモヤしています。
カープに指名された選手たちはみな素晴らしい才能の持ち主。一所懸命応援します。
特に3位の滝田一希投手なんてとてもスケールの大きな左腕で先発完投型に大きく育つ投手です。私は2位で消えると思ってました。ロマンに溢れています。
だけど「カープの2位が高で3位で滝田」と聞いた時、私はあまり嬉しくなくてむしろモヤモヤ感の方が強かったです。
補強ポイントとは?
私が失望している理由はカープ球団のドラフトへ向かう姿勢です。赤線まで引いちゃったぜ。
この1週間、私はこの話ばかりしてきました。
自前の選手をポイ捨てて、よそから優秀な即戦力選手をかき集めるやり方は昔の巨人のアホ野球と一緒だからです。
常廣も高も素晴らしい投手です。
だけどカープの補強ポイントはそこではありませんでした。
「そこだよ。先発と左投手だよ」
とおっしゃる方と私の意見が食い違う理由は
「補強ポイント」の定義が食い違っているからです。
「一軍の補強ポイント」はおっしゃる通り「先発と左投手」です。
だけど「チームの補強ポイント」は高校生ショートでした。できれば2人欲しかった。
一軍の補強ポイントを埋める役目は遠藤、黒原、玉村、小林。左のリリーフは塹江と長谷部の役目でした。
だから私は「なんでここにスゴい大学生をかぶせてくんのよ。俺の昂也君がクビになっちゃうじゃないのよ」と思っている次第です。
「それが勝負の世界だよ」
とおっしゃる方は巨人の応援とテレビゲームをやっていればよろしい。
プロ野球選手は一人残らず感情のある人間です。
昨日、当たりクジを引いた新井貴浩のあのガッツポーズをご覧になりましたか?
あれなんですよ。
あのド派手なガッツポーズは常廣羽也斗を思い続けた新井の熱意が爆発したものです。
そりゃ選手はこの笑顔になりますって。
この監督と戦いたい。この監督を男にしたいって思いますって。
#カープ#Carp#ドラフト会議 #新井貴浩監督
— NHK広島放送局 (@nhk_hiroshima) October 26, 2023
カープ1位指名
青山学院大学 #常廣羽也斗 投手 pic.twitter.com/Tte7Tdi8It
常廣のめちゃくちゃいい笑顔。
この笑顔って女子高校生が「いいお友達」と思っていた男子から「大好きだ」と告白され、「友情が愛情に変わった瞬間」と同じ感情の動きなんですよ。
常廣のあの笑顔は「憧れのチーム」が「自分のチーム」に変わった瞬間の感情の現れ。
第一志望校に合格した受験生のような感情。
「他人」から「家族」に変わっていく時の感情なのです。
即戦力ドラフトとFA移籍にはこれがない。
「1年が1年が勝負の年」となるとビジネスライクな結果にこだわり、選手が大きく育たないと思います。つまり家族になれないと思うんですよ。
同世代、同ポジションの選手を土俵に並べて競争させる。勝った方がレギュラー。負けた方がクビ。
私はこういうの大キライなんですよ。巨人と同じやり方だから。今の巨人はちょっとマシになってきてますよ。
即戦力ドラフト
名前を出して申し訳ありませんがカープに中村健人という選手がいます。通称ケンティー。26歳。
2年前、彼は世界の大企業トヨタ自動車を退職し、現在は岩国の球場で大声を出してチームを鼓舞しています。
経歴は中京高→慶應大→トヨタ→広島。3年→4年→2年→2年。
この経歴の選手をたった2年でクビにしたら、カープは慶應やトヨタを出禁になるでしょう。
去年は外野手の正隨優弥が弾かれてしまいましたが、今年の現役ドラフトはケンティーかもしれません。中村奨成は相手チームに申し訳なくて現役ドラフトに出せません。
私はケンティーをドラフト指名した時から「外野手がかぶる」とブーたれてました。やはりこうなってしまいました。
今年のドラフトはカープ以外にも即戦力ドラフトを敢行した球団が目立ちました。
まず中日。
好打者の度会をクジで外して、亜細亜大学の草加投手を1位指名。ここまでは良い。
だが中日は2位と3位で立て続けに社会人のショートを指名します。
中日ファンはツイッターで
「ブライトと鵜飼を指名したばかりなのに度会の1位指名はおかしい」
「村松と田中を去年指名したのにまた社会人ショートかよ」
と荒れていました。
巨人も全員社会人。
ま、ここは育成と支配下を合わせて100人抱えてポイ捨てる球団なので例年通り。
今年の育成ドラフトは7名。
テレビ解説者に「今年は少なかったですねw」と笑われてました。笑
元々巨人がこういう球団だということはアマチュア球界もよく知っています。
問題は中日ドラゴンズの方です。
京田を出して土田を育てるのかと思えば、社会人ショートを2年で4人も指名しました。
度会を引き当てていれば高橋周平はトレードでポイ。
私が指導者ならこんなチームに選手を預けたくありません。
言いたくないが、カープの近年のドラフトは巨人や中日と似てきています。
私はアホの佐々岡が主導してやっていたと思ってましたが、今年も即戦力ドラフトをやりました。
ということはこれは球団方針だということ。こういうことをしていてはカープは弱体化すると思います。家族になれないと思います。
育成ドラフト
一方でオリックスは高校生を1位から4位まで4人連続で指名。
阪神も1位2位で即戦力投手を抑えた後、3位4位で高校生ショートを2人獲得。
高校生ショートは「つぶしが利く」ため非常に良い指名です。ショートの選手はかぶってもコンバートしやすい。高校生なら尚更です。
解説の西尾さんは
「優勝チームの貫禄というか余裕でしょうね」
とおっしゃっていましたが、私はそうではないと見ます。
阪神とオリックスは選手の伸びしろを見ていると思います。
夏のワンシーズンの個人成績など見向きもせず、その選手の伸びしろを見ています。
伸びしろがどうしたら伸びるかと言われれば、練習と試合経験を積み重ねることです。
同じ土俵に同年代を並べて競わせるやり方で伸びる伸びしろもあるかもしれないが、私は大きく育たないと考えます。個人成績に走るからです。
今年、カープの内田湘大は二軍で87試合に出場しました。ハッキリ言ってえこひいき英才教育です。
林晃汰と交互に一塁と三塁を守って、複数ポジションもこなしています。
内田湘大は結果を恐れず毎日フルスイングしました。んでウエスタンで打率.160、本塁打0本でした。数字は散々です。
でもこれが育成だと思うんですよね。えこひいきと言われるかもしれませんが、鈴木誠也も堂林翔太も前田健太もこうやって育ててきました。
内田に小さくまとまってほしくないし、競争なんかさせる時期でもありませんからこれでいいと思います。
内田は二軍でいつも全力フルスイングでした。三振とエラーも多かったですが、いつも全力プレーでしたよ。
「高校生を獲れば育成路線」と単純には言えませんが、2~3年でクビにしたり現役ドラフトに出すやり方は巨人っぽいと思います。
第二次戦力外通告
今日はモヤモヤしてて、せっかくのドラフト翌日なのに楽しい記事を書けませんでした。
第二次戦力外通告もヘタすれば今日発表されます。
新人5人が全員入団すれば支配下選手は69人になります。そのうち外国人が5人。
外国人を増やすつもりなら、第二次戦力外通告を受ける選手の数は増えるでしょう。
FA移籍や現役トレードでは支配下枠を広げることはできません。代わりの選手を獲るからです。
来季も二軍の二遊間が少ないので、二俣と韮澤はもう1年二軍で頑張る日が増えそうです。
当ブログでは明治大学・宗山塁の獲得を真っ向から否定しています。小園や韮澤とまるかぶりだからです。スーパースター同士を同じポジションに並べるのは愚かだと思います。