秋山翔吾の加入以来、私のカープ愛は急速に冷えていってます。
秋山翔吾は尊敬できる人格者で名選手ですが、中村健人と末包昇大をドラフト指名したシーズンに緊急補強するべき選手ではありませんでした。
そもそも私は中村健人と末包昇大の獲得にも大反対でした。
理由は中村奨成、宇草孔基、堂林翔太を外野手として使いたかったからです。大盛正隨。
去年の私のドラフト前構想がこちらで、ドラフト後回想がこちら。
そこへまさかの秋山加入。偉大な伝説選手秋山のレギュラーは100%確定。何なら契約条項に入ってるかもしれないレベル。
西川龍馬のレギュラーも100%確定。野間峻祥は野手キャプテン。
ここで去年実力を開花させ始めた中村奨成と宇草孔基はどうなるのか? 秋山34歳、野間31歳、龍馬28歳。外野の3ポジションは大方埋まりました。
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佐々岡野球には品がない
なぜ名選手を補強すると私のカープ愛が冷めるのかと言いますと、理由は一つ。
品がない、節操がないからです。
お行儀が悪いんですよ。補強によるチーム作りは。
私はこういうことをするチームが大キライで、FA乱獲も大キライ。非紳士的行為だからです。
30年前には新人ドラフトのルールを変えたチームがあって、アマチュア選手が行きたい球団を選べるという逆指名制度がまかり通っていた時代があるのです。
その結果はどうなったか?
当然のようにマネーゲームへと発展し、毎年のように裏金とスキャンダルを週刊誌がスクープする始末。
挙げ句の果てには巨人軍の原辰徳監督がヤクザに1億円を渡して、坂本勇人もキャバクラ嬢に550万円払って土下座しました。
言っときますけどこの悪だくみに加担したのは巨人だけではありません。
当時の根本ダイエーや堤西武もグルでした。横浜も怪しかった。那須野巧事件とかいろいろあった。
一場事件が有名ですが、高橋由伸、阿部慎之助、二岡智宏らには一場以上のお金が動いていたと言われています。そんな人たちが巨人の次の監督です。
実は今、カープがやっていることもこれに近いです。
マツダスタジアムや誠也マエケンのポスティングで多少フトコロが潤ったからでしょうか、FA戦士に高年俸を提示し、秋山翔吾と複数年契約を結びました。
秋山はいい選手です。今後3年間はセリーグの首位打者争いに顔を出すでしょう。
しかしだからこそ、私は心配するのです。
「スカウティングと猛練習のカープが成立しなくなるのでは?」
現役ドラフトと緊急トレード
現在カープの支配下登録選手は68名。
開幕時点で66名。そこに持丸と秋山が加わりました。
まだ2人も余裕があります。通常、プロ球団は7月31日時点でこの枠を70名までできるだけ全部埋めたいものです。
だが2021年の場合は70人のチームが2チーム、69人が6チーム。68人以下が4チームでした。カープは69人。
今年のカープは68名。
育成3年目の木下や29歳の戸田隆矢は支配下登録されてもおかしくありません。
あとトレード期限も7月31日までです。今日は7月26日。
今日からオールスターって時に何ですが、カープは外野手を放出して右打者やリリーフ投手を補充するべきではないか?
私が宇草孔基(25)や中村奨成(23)、末包昇大(26)ならあと3年も2軍暮らしが続くとなれば、完全にトレード志願しますね。
チーム内競争?
秋山翔吾はケタ違いでチーム内競争は存在しません。おそらく2000本安打までの3年間はレギュラー確約でしょう。カープには衣笠祥雄、野村謙二郎という前科があります。カープはチームの勝敗より二人の個人記録を優先しました。一時期の田中広輔も怪しかった。
要するにレギュラーで出る力もないくせに、個人記録のために優先起用されたという意味です。
決して長期間ではありませんが、衣笠もノムケンも1年くらい実力が落ちてるのに優先起用されてた時代はあります。衣笠が1987年、ノムケンは2005年です。
トレードはおそらく1対1や2対2になるので、70人枠を埋めたり減らしたりすることとは別問題です。
今年のカープにまだ戦意が残っているのなら、秋山の次は投手の補強に走るかもしれないと思ったまでです。
中村健人は声出しが評判ですが、彼は「世界のトヨタ自動車」を辞めて広島の中小企業に転職してくれたんですよね。末包にしても上戸彩の大阪ガスです。
この二人を一軍で使わないで秋山獲得に走ったのは巨人の欲しい欲しい病にしか私は見えないのです。とっても愚劣で下品です。動物のように欲望まる出し。品性がない。
秋山の力でカープが勝っても私はあまり嬉しくないのです。
秋山加入で戦力アップするのはわかりきったことだからです。
秋山はいいヤツでチームにいい影響を与えてくれることも確実です。
だが奨成と宇草は試合に出られません。
20歳の鈴木誠也を外野にコンバートした時、カープはそのポジションにドラフト1位ルーキー野間峻祥と、史上最高年俸のシアーホルツを補強しました。
野間とシアーホルツがイマイチ打たなかったため、ライトのポジションは鈴木誠也のものとなりましたが、シアーホルツが3割打ってれば鈴木誠也の誕生はなかったかもしれないのです。
「そんなことはない。二軍で誠也は数字を残してきた」
「31歳のシアーホルツが.300なら、20歳の誠也は.335を打てた」
というご意見に私は真っ向から反対します。
二軍で成績を残して一軍で打てないヤツは大勢います。
一軍選手は一軍の試合に出さないと伸びないというのが私の考えです。
イチローのように突然ブレイクする天才はごくごく稀です。普通のレギュラーは1軍で失敗を繰り返して一軍2年目3年目にようやく130試合スタメン出場できる選手へと成長します。95%のプロ野球選手がこちらの型です。残り5%はルーキーイヤーから20勝したり首位打者を穫ったりするヤツです。
補強を繰り返すアホチームは「勝利のため」だとか「相手チームを弱体化させるため」などのアホ発言を真顔で言います。
だが中途半端な補強戦略でチームが弱体化し、先発投手が一人もいなくなったのが今の巨人軍であります。
井納と梶谷を穫るとこうなるよと私は2年前から大爆笑していました。
秋山は井納じゃありませんが、私はカープが育成を放棄している現状にたいへんな危機感を抱いています。
現状68人の支配下選手のうち、高卒ルーキーは田村俊介と高木翔斗の2人。2年目は小林樹斗ただ1人です。3年目も持丸と玉村の2人。21歳以下が5人しかいない。
今年のドラフトではとにかく高校生を5人以上指名したいところです。
ちょっと話が逸れてきましたが、
私はカープが30代のベテランで戦い続けることにかなり失望しています。絶望と言ってもいいかもしれない。
これでぶっちぎりの優勝ならまだわかりますけど、3年間見せられ続けたものは「走らずにただ打つだけの野球」です。
そしてとどめが坂倉将吾と中村奨成の育成放棄です。そりゃ応援したくなくなります。
會澤も秋山も好きですけど、毎日見たくなるほどではありません。