2026.3.6(金) WBC
台湾 0-13 日本 東京D
大谷の満塁本塁打などで侍ジャパンが快勝。今日は大谷の満塁本塁打を様々な角度から解説します。
【1】大谷の打撃技術
2回表、0対0、1死満塁、打者大谷
無死満塁が1死満塁となって1番大谷に打順が回りました。
無死満塁で9番の若月が3度もボール球を振ってキャッチャーファールフライ。お前はアホか、三振せい。1塁が空いたら大谷が歩かされるやないか。
という状況で1死満塁、1番大谷。
私は「満塁で敬遠もあるかな?」と思いましたが、さすがに満塁で敬遠は無かった。
台湾の投手は1回表のプレーボールの初球150kmを大谷に思い切りライト線ツーベースされていて、2打席目は満塁。ストレートを投げにくい雰囲気でした。
1球目はフォークボールが低めに外れボール。2球目はもっと外でしたがストライク判定。大谷は軽く驚いていた。
3球目は外角高めにストレート。これもボール。カウント1-1からのストレートはバッテリーがボールでも構わないと思って投げてました。
さて問題。
ここであなたなら、次のタマは何を待ちますか?

台湾バッテリーの選択は「外角低めカーブ」でした。要求通りのナイスボールでした。
大谷はこれを拾い上げて東京ドームライトスタンドに放り込みました。先制満塁ホームラン。4対0。
お見事なバッティングですが、大谷はこの球を 泳いで打っている んですよ。
今からものすごい ハイレベル な話をします。今日のお客さんはオトクですよ。
この満塁本塁打を大谷は泳いでるんですが、相手に泳がされたわけではないんですねえ…
大谷は自分から進んで 泳いで打ってる んです。どういうことか?
先ほどのカウント2-1までの3球を思い出してください。フォーク、フォーク、まっすぐでカウント2-1。しかも直前の3球目ストレートはボール。
ここで4球目をカーブと読むなら、大谷は8~9割くらいカーブにがっつりヤマを張れたはずです。
しかし大谷はストレートも捨てていませんでした。私はカウント2-1から大谷翔平にストレートを投げるアジア人はいないと思いますが、アメリカにはいるのだろう。大谷はストレートの可能性を捨てていなかった。
大谷はカウント2-1からの4球目を次のように待っていました。
「ストレート7割、フォーク3割」
大谷の頭にカーブは無かったでしょう。大谷はフォークのノリで打ちに行って、カーブをホームランしました。
なぜ私に大谷の待ってる球種がわかるかと言うと、いつも言ってる「打者の反応」を見ているからです。
大谷は3球目まではシンプルに「9割ストレート」で待っていました。本人はヒーローインタビューで「外野フライでもいいと思った」と言ってますが、ありゃウソですね。大谷はホームランを狙ってました。
私ならあの場面「9割フォーク」を待ちます。だって3球目にわざわざストレートを外角に外してるんだから、4球目はインコースのスライダー系かアウトコースのフォーク系でしょ。日本的な配球ならさ。
だから私ならあの4球目の落ちる球に泳がない。外角低めのカーブだったのでショートの頭の上に2点タイムリーを打ってます。
ところが大谷はライトスタンドへ満塁ホームランです。しかも泳いで打ってる。
泳いで打ってるということは、大谷のタイミングはやはりストレート7割なんですよ。5~6割じゃありません。
ということは、「大谷はいつもストレート7~8割のタイミングで変化球を打って、それを ポテンホームラン にしている」ということが明確にわかるのです。今日の韓国戦でよく見ててね。
昔イチローが「ストレートに差し込まれても、僕はレフト前に打球を落とせる」と言ってました。イチローは胸を開かずグリップを残し、最後まで手を出さない。稲葉篤紀に「手の早い男なんて全然ダメっしょw」と言ってたあの話です。
イチローは詰まることを恐れない。イチローは詰まりながらワザとポテンヒットを打ってました。正田耕三もこの打ち方をよくやってました。
大谷翔平は泳ぐことを恐れていない。大谷は泳ぎながらスタンドギリギリにポテンホームランを打つ打ち方をしている。
昨日のあのタマがカーブだったから大谷は泳ぎましたが、もしストレートだったら打球は ライトスタンド上段 まで飛んでいたでしょう。だって大谷はストレート7割待ちだったんだもん。
ちなみにフォークボールならライト中段まで飛んでました。予想してないカーブだったから大谷は泳ぎました。あのピッチャーはそれまで左打者にカーブを投げていませんでした。
■結論:大谷はストレート待ちでも変化球を拾ってホームランできる。そして意図的にその打ち方をやっている。
ほな、どうやって大谷を抑えるねん?
WBCが終わったら大谷の抑え方をやりましょう。
【2】1イニング8打点
大谷翔平が2回表に満塁本塁打を打った後、2死から日本の打線が繋がって7者連続出塁。
7人目、9番若月の打席は「2死13塁」だったんですよ。
NPBの記録では1イニングの最多打点は7打点です。史上2人います。
1人目はヤクルトの新監督、池山隆寛 です。
池山は1イニングに満塁ホームランとスリーランを打ちました。これで7打点。
1993年の神宮球場。打った相手は広島カープ。澤崎と秋村でした。ったく。
もう一人は1951年の 飯島滋弥 (いいじましげや)。セネターズで大下弘と3番4番を組んでた選手。首位打者1回、
この人が史上初めて「1イニング7打点」を達成しました。この人も1イニングに満塁ホームランとスリーランを打ちました。
んで飯島滋弥は同じ試合で別のイニングにも満塁ホームラン打っており、この試合で「1試合2満塁本塁打」と「1試合11打点」も記録しました。3つとも現在の日本記録です。
で、私は当然これらの記録を全部知っていて、そういえばメジャーには1イニング2満塁本塁打で8打点したヤツがいたことを思い出しました。
コレを知ってる人はマニアです。
行きますよ。
MLBで史上唯一「1イニング2満塁本塁打」と「1イニング8打点」の記録を持っている選手、それは…
フェルナンド=タティス
です。
息子ではありません。フェルナンド=タティスJrのお父ちゃんの方です。
1999年4月23日にフェルナンド=タティス=シニアは史上唯一の「1イニング2満塁本塁打」を打ちました。タティスJrは生後3か月でした。
1イニング8打点も史上唯一。3打席回れば行けそうだけどね。
以上を踏まえて、昨日です。
2回表、8対0、2死13塁。9番若月、次打者大谷。
私がどれだけワクワクしたか、お分かりいただけますか?
なのに放送席の高橋由伸も黒田博樹も、のん気に若月を応援している。
ダメなのよ、ここで若月がヒットを打っちゃ。若月は四球で出ないといけないの。私は大谷翔平の1イニング2満塁本塁打を見たいの。
若月は初球を見逃して1ストライク。2球目はボールからボールのスライダーに飛び付いてカウント2ストライク。
アホか若月、お前1打席目もボール球振りまくりやがって。
だいたい山本由伸にも変化球ばかり投げさせて、一体どういうつもりなんだ!?
なに? 今日は由伸の希望でスプリットを調整しておきたいだと?
わかった。ならリードについては何も言うまい。なんでさっきからボール球ばかり振ってるねん。次のバッターは大谷やぞ。
カキーン!
若月がカウント2-2から高めのボールダマを打ってセンター前タイムリーヒット。9対0。要らんことばっかりしやがって、ホンマに若月。
■結論:若月ってけっこう我を出すタイプのバッターなのね。菊池涼介みたい。
【3】黒田と大谷
最後にもう1個大谷トリビア。
大谷翔平は22歳の時に41歳の黒田博樹と日本シリーズで対戦しています。
2016.10.25(火) 日本S第3戦
日本ハム 4x-3 広島 札幌D
1回裏に日本ハムが2番近藤健介、3番大谷翔平の連打で1点を先制します。
2回表にカープが5番鈴木誠也、6番エルドレッドの連打で逆転。2対1。投手有原航平。
黒田は勝ち投手の権利を持って降板。黒田博樹が現役最後に打ち取った打者が大谷翔平でした。ショートフライ。
その後、今村猛が打たれて延長戦へ。10回裏に1番西川遥希が盗塁して3番大谷が大瀬良大地からサヨナラヒット。大谷は4打数3安打1打点でした。
私と黒田は大谷へのリベンジを誓ったが、日本シリーズ第6戦でカープは敗れ、日本ハムが4勝2敗で日本一。
幻となった日本シリーズ第7戦、広島の先発予定は中4日の黒田博樹であった。大谷翔平は第6戦にリリーフ登板するか、3勝3敗となれば第7戦に先発し、黒田と投げ合う予定だった。※日刊スポーツ
これが10年前の2016年の日本シリーズでした。
ちなみにこの日の放送席で黒田と一緒だった高橋由伸は2016年シーズンが巨人の監督1年目でした。
現役続行の予定でしたが原辰徳の勇退で、予定を急遽「新監督」へ方針転換した由伸。するとなぜか「そうか。ほな俺も引退するわ」と言った男がいました。40歳の 井端弘和 でした。
由伸と井端は同級生で、高校時代無名だった井端は1年生スターの高橋由伸に憧れていたのかもしれない。
井端は巨人に入団した時から「由伸がやめる時が俺のやめる時」と決めていたそうだ。井端は由伸監督1年目から巨人の内野守備コーチとして、由伸を3年間支え続けました。
ちなみに山本由伸の由伸は高橋由伸とは無関係らしい。本人が否定しているそうだ。
本日のゲームプラン
日本vs韓国。菊池雄星 vs コ=ヨンピョ
日本はまだ1勝しただけです。浮かれてちゃいけません。
雄星は練習試合で球が暴れていました。近藤健介も練習試合から当たってませんが、今日も普通に2番でいいでしょう。
吉田正尚の4番起用で打線が繋がりました。当然今日も4番でしょう。
村上宗隆は引っ張った打球がゴロになる。お前は左中間に打て。それと一塁でしっかり守れ。
井端は源田にも若月にも打たせますよね。だから1番大谷が満塁ホームランを打てたんですが、私なら短期決戦で源田とキャッチャーには送りバントをさせたいです。だから「1番近藤・2番大谷論」なのです。
8~9番で送れば1番大谷が敬遠されやすいから、井端は源田とキャッチャーの送りバントを使いにくいのです。ジャパンがここで足元をすくわれないことを祈ってます。韓国は強いぜ。※参考記事
カープのゲームプランも書いときます。
マツダスタジアムで中日戦。13時からです。気温10度。日差しがあるとマシですが曇ると寒そう。
カープ先発は森翔平。ルーキーたちには初めてのマツダスタジアムです。
今日も寒いが明日も寒い。ただし寒くても外国人とベテランも休めません。ホーム初戦だし、今日は3番ファビアン4番モンテロじゃないか。開幕まであと20日です。