「カープは家族」の意味を解説します。

よくカープファンが「カープは家族みたいなもんじゃけえ」と発言します。

んで選手も裏方さんもオーナーも「カープは家族」と発言します。

改めて説明する必要はないと思ってたんですが、なんかここ10年ほどの間に

「どんな手を使っても勝てばよい」

「選手を引き抜いて何がダメなの?」

「弱肉強食。弱い選手はクビで当然」

みたいな風潮がまかり通っています。

たいへんダメな考え方ですよ。野球ファン歴40年で人間歴50年の私が30歳未満の若者のためにちょっと解説してあげましょう。

久しぶりに超長い記事です。所要15分くらい。笑


 

ドラマ「白い春」に見る家族の物語

俳優の遠藤憲一えんどうけんいちさんをご存じですか?

この人。

 

次はこの人。

吉高よしたか由里子ゆりこさん

この人は有名だから写真は貼らない。

 

私の個人的意見ですが、

今やすっかり有名になられたこのお二人は、

ある「共通の作品」で同時期にブレイクしました。

 

 

その作品がこちら。

 

 

ドラマ「白い春」2009年

 

私は遠藤憲一さんと吉高由里子さんをこの作品で知りました。

ストーリー。

ヤクザの阿部寛が生死をさまよう恋人の命を救うため、やむを得ず殺人を犯します。

刑務所へ面会に来た恋人を阿部寛は突き放し、彼女に「幸せになれ」と別れを告げます。

んで恋人は心優しいパン屋の主人・遠藤憲一と出会います。

9年後、刑務所から出てきた阿部寛は元恋人が死んだことを聞かされ号泣します。

「彼女が幸せになってほしいからオレは過ちを犯した。なのになぜ彼女は死んだんだ!?」

阿部寛は恋人の夫となったパン屋の遠藤憲一を恨みました。見殺しにしたのはキサマだと。

 

しかし遠藤憲一の方には全く心当たりがありません。

遠藤憲一は阿部寛のことを「生死さまよう恋人を捨て、殺人事件を起こしたクソ野郎」と思っています。

そして遠藤憲一と元恋人の間には娘さんがいて、それが人気絶頂だった大橋のぞみちゃん(9歳)という設定。「崖の上のポニョ」を歌った子ね。

 

 

 

見てない人はイメージしてね。

阿部寛、遠藤憲一、大橋のぞみ。

阿部は怖いヤクザ。遠藤は心優しいパン屋。のぞみちゃんはのぞみちゃん。

 

阿部寛はいつも真っ黒い服を着て190cmの長身。誰の目にも不審人物そのもの。

遠藤憲一は心優しいパン屋の店長。いつも真っ白いエプロンを着ているのも対照的。

大橋のぞみちゃんは9歳。あのまんまのイメージ。笑

どこからどう見てもヤクザの阿部寛に対し、愛くるしいのぞみちゃんだけが、いつもなぜだか「おじさん!」と呼んで近づいて行きます。

 

 

さてネタバレします。

 

 

 

実はのぞみちゃんは・・・

 

 

 

 

 

阿部寛の娘でした。

 

よくあるパターンですね。笑

元恋人が遠藤憲一と出会った時には、もうお腹の中にのぞみちゃんがいたという話。ディス・イズ・フジテレビ。笑

 

阿部寛がその風貌と犯罪歴によって周囲から差別され、誤解され、すれ違いながら、全12話の中で真相が少しずつ明らかになっていく王道のストーリーが展開されます。

この複雑な「もつれ」を解いていくキーマンが吉高由里子ちゃんです。

ドラマ「白い春」はフジテレビオンデマンドでも見られますし、amazonプライムでも観ることができます。プロ野球のオフシーズンにオススメです。笑

 

このドラマでは第1話の段階から、阿部寛と大橋のぞみちゃんがお互いに心惹かれ合うのです。

「なんでやろ? 家族でもないのに」

と思っているとドラマ中盤で「実は血が繋がってました」が発覚します。

遠藤憲一ももちろん知ってます。のぞみちゃんは阿部寛の子だと。しかしずっと一人で隠し続けていた。

 

このドラマでは神秘的な親子の本能と言いますか、血のつながりって不思議だな、赤い糸ってあるのかな?と色々と考えさせられました。

 

 

映画「そして父になる」に見る家族の物語

スミマセン。

現時点でこの記事のまだ三分の一です。この章は福山雅治の映画の話で、最後の章がカープの話です。お暇な方は最後までお付き合いください。

 

うほん。

 

 

続きまして映画「そして父になる」を見て参ります。

2013年公開。福山雅治、尾野真千子、リリーフランキー、真木よう子。

ドキュメンタリー監督、是枝裕和が実話を元に制作した作品。

 

平和なある一日。

二つの家族の元に一つの病院から同時に連絡が入ります。

 

「実は6年前、おたくの息子さんとよその息子さんを取り違えてお渡ししてしまいました・・・」

 

一緒に6年間過ごしたこの子は私の子じゃなかった・・・

 

かなり衝撃です。

 

私の子供たちにこの映画見せたらすっかりビビっちゃいました。

 

 

 

 

さて、ネタバレします。

 

結論から言いますと・・・

 

 

 

 

 

 

本当にバラしますよ。いいんですね?

 

 

映画を見てない方や見てみたくなった方はこちらから第3章の「カープに見る家族観」までワープしてください。

映画は本当に感動します。ラストシーンに号泣しました。

 

 

なのでぜひ見てない方はネタバレをスルーして下さい。

第3章ではこの映画のラストには触れませんので。

 

 

 

じゃ、映画を見た方だけがこの先へ続いて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

結論。

血の繋がらない息子はそれぞれ「育ての親」の元に帰ります。

 

ハイハイ、うるさーーーい、そこ黙ってーーーー!!!

 

この映画に色々な見方があることはお前に言われんでもわかっとる。

 

私はこの映画を見て

「血のつながりよりも一緒に過ごした時間の方が大切だ」

と強く感じました。

是枝監督の声をもっと深く理解できた人はご立派です。

あくまで私個人が「血縁よりも時間が大事だ」と言っているに過ぎません。

 

そもそも私は映画を見る前からこう思ってました。

「突然そんなこと言われても無理やで」

「今さらこの子たちと離れるなんて、できるわけないやろ」

「血なんか繋がっとらんでもええ。俺の子供はコイツらや」

 

で、やっぱり最後は育ての親に帰るのよ。

そりゃ血のつながりもわかるよ。

でも一度愛した人たちと別れるの無理だよ。痛くてツラいよ。

 

若い時にはよく失恋したし、愛するカープの選手たちにもたくさん出て行かれた。

ツラかったけど耐えましたよ。歯、食いしばって。

でも我が子と離れるのはさすがに無理でしょ。

将来巣立ってくれるのは嬉しいよ。娘が結婚するのだって楽しみですよ。

ですが

「実はこっちがあなたの子供です。ハイ、交換」

はできるわけありません。カープファンならなおさらできません。

巨人ファンは

「明日から梶谷選手は巨人です。宮國選手はクビ。ハイ、交換」

をすんなり受け入れられるんでしょ?スゲーよな、まったく・。。

私は長野久義を受け入れるのに半年かかりましたよ。

 

 

大橋のぞみちゃんは神秘的な血のつながりを感じ取り、

福山雅治が6年間育てたリリーフランキーの息子は、福山に呼び戻された時、笑顔を見せました。

「二つとも正解」と言うのは簡単。

福山雅治が「二人とも私にください」と口を滑らせた気持ちもわかりますよ。

 

どちらか一つしか選べないなら私は「時間」を選択します。

「長野より丸が好き」と言ってるわけではありませんよ。

今は丸より長野が好きですよ。

映画「そして父になる」も アマゾンプライムでご覧になれます。

めちゃくちゃ泣きましたが、登場する奥さんが二人とも超絶美人で日常生活感が薄れる点だけが残念でした。

福山の奥さんが美人なのはわかります。しかしリリーフランキーの奥さんが真木よう子のはずありません。年の差も離れてるし。

奥さん役にはもたいまさこ柴田理恵が良かったと思います。采配批判。笑

 

 

広島カープに見る家族観

さていよいよ最終章。ここまでありがとうございます。ラスト5分です。

 

広島カープがなぜ家族なのか?

 

まず現オーナーと前オーナーの人柄が大きい。

それから地域性。おそらく商圏が12球団最小なため密着しないと経営できない。

Jリーグやパリーグはリーグ全体で一体感を出している。

カープ球団だけはDAZNにもイレブンスポーツにも加盟しない。

賛否両論あります。いや・・・もはや賛はないかもしれない。

 

要するに小さいんですよ。球団の規模が。

んで貧乏。

「最近は儲かってる」と言ってもね。親会社を持たないクラブチーム(市民球団)はカープだけ。

「プロの選手なんだから高い年俸をもらうために移籍するのは当然」

「お金を持ってる球団が100人規模の選手を抱えるのは当然」

この理論がまかり通ると金持ち有利、貧乏が不利になるんですよ。

「それが正しい、それが好き」という方は巨人ファンやホークスファンになればいいと思います。

トラックマンが欲しい人はホークスファンになりなさい。

 

FAの唐川が欲しい、クビになった内川が欲しいという人は幼い。

誰かを獲得するためには誰かをクビにしないといけません。

こないだピレラを解雇してバードを獲得。現在の支配下68人。もうこれ以上誰を獲ることもできません。

カープはこれでいいのだ。

 

巨人とホークスはじゃんじゃん血の入れ替えをやればよい。

競争したい選手は育成契約すればよい。負けてクビになればよい。

カープはこうしたチームとは正反対のチーム作りをしている。

堂林を11年我慢しました。嶋重宣も10年我慢しました。社会人の斎藤浩行は7年でした。

高木宣宏も津田恒実も河内貴哉も戸田隆矢も十分我慢したと思います。

 

巨人ならポイ捨てですよ、この選手たち。

応援できます?そんなチームを。

また梶谷やらソトやらを獲るとか言っている。アホ丸出し。

 

カープも今年、KJを切ったりピレラを切ったりしました。

私は怒っていますよ。非常にカープらしくないやり方だからです。最近はドミニカンにも冷たい。

批判するところは批判します。慶彦にも冷たいし。

 

しかしね、あくまでカープ球団の方針は

「入団した選手をできるだけ我慢して一人前に育ててあげたい」

なのですよ。

2000年頃までのカープには「高卒選手は10年目、大学社会人は30歳まで我慢する」という暗黙のルールがありました。

 

スマホのゲームのように、いい選手が出るまでガチャを引き続けて、Aランクが出ればBランクをポイ捨てするのが巨人。

カープは最初のガチャで指名したCランクをなんとかAランクに育てる方針。

ソフトバンクはチームの入れ物(容器)が大きいので、とりあえずAもCも全部キープしているだけ。賞味期限が切れたらやっぱりポイですよ。

 

カープの全てが正しいとは言いませんが、一番好きなのはカープのやり方ですね。

自分が子供を持つ年齢になりますと、選手たちも息子のように感じます。

私はもう「カープから何か与えてもらいたい」というより

「自分がカープの選手たちに何か与えたい」

ぐらいの気持ちになります。だって息子なんだもん。

 

ドラフト指名が「血のつながり」だとすれば、

成長を見守る時間は「過ごした時間」

どちらもスッ飛ばしてFAでどん。

血の繋がった息子は勉強ができない。だから優秀な息子をFAで獲得、ワーイバンザーイ!はテレビゲームの世界です。

これが巨人と巨人ファン。息子から何か与えてもらいたい親。

 

ソフトバンクは新しい手を考えた。

奥さんを3人娶って息子をたくさん作ります。例えば1期生は3人。

みな平等に育成するが、試合に出られるのはあくまで1人。残る2人はポイ捨てです。

 

カープは昔のやり方で一夫一婦制。

子供2人を一人前に育てたい。

2人ともいい子なら幸せ。2人ともダメなら暗黒時代を耐え忍ぶだけ。

ダメ息子にもいいところがあります。ポイ捨てしたくないのが親心。

メヒアがダメだ、スコットがダメだもわかりますけど、残ってくれたんだからファンは応援するのみです。


おしまい
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ありがとうございました。

-赤辞苑