2020年2月。
日本中が新型ウイルスで大騒ぎしている真っ只中。
今年もカープ球団は敢然と
「2月23日に入場抽選券を予定通り配布する」
と発表。私はこれを激しく非難します。
これは絶対アカン。今年はやめなさい。抽選券を1日で配布する必要はない。
カープ球団が行列を作る理由
ネット社会の今もなお、カープ球団が前時代的な「行列と抽選」でチケット販売する理由は何か?
最大の理由は「広島県民にマツダスタジアムに来てもらいたいから」だと思います。←妄想です
ネット通販のみで販売すれば人身事故は起こりません。
しかしネットでチケット販売すると広島県民にチケットを直売できず、全国の転売屋さんにズムスタの座席を買い占められてしまうのです。
2015年の黒田復帰→2016年リーグ優勝
まずはこれを見てください。NPBが発表しているセリーグの年間入場者数の推移表(1950~2018)です。
2015年シーズンにニューヨークヤンキースから黒田博樹が復帰。
黒田見たさのおじさんたちが急増し、球団創設以来初めて観客動員数200万人を突破します。チームは4位。
2016年シーズン、カープは25年ぶりにセリーグ優勝。6月の交流戦からカープは11連勝するんですが、この頃はまだマツダスタジアムに空席と当日券がありました。
2016年7月23日、黒田博樹200勝。この頃からズムスタの観客動員数が3万人を下回ることはなくなりました。※ズムスタの定員は33,000人。
2016年8月7日、首位攻防戦で9回2死、菊池涼介・同点HRからの新井貴浩・伝説サヨナラヒット。
2016年9月10日、東京ドームで優勝決定。中﨑胴上げ。黒田と新井が涙の抱擁10秒間。
で、ここからなんですよ。チケット問題の勃発は。
カープ球団は1997年からカープ戦のチケットを3月1日に一斉販売してきました。
2017年2月6日、マツダスタジアムのチケット売り場の前にぽつんと一つのテントが立つ。
ここからなんです。カープのチケット問題。
2017年2月、テント村ができあがる
「旧市民球場時代にも3月1日に行列はできていた」
「マツダスタジアムにキャンピングカーで泊まり込むヤツもいた」
「だけど発売日(3月)の1ヶ月前(2月)からテント張るヤツはいなかった」
その後、テントはテントを呼びズムスタにテント村ができあがる。
この2枚の写真が2017年2月26日頃と思われます。発売日の1週間前。
このテント村の中に転売業者が大勢潜んでいました。
地域住民の苦情を受けたカープ球団は対応に追われました。
2017年3月1日チケット販売開始。一人で500万円購入した人(←転売屋)もいるなど、カープ主催の69試合全ての指定席が3日間でほぼ完売。
この騒動は当日の中国新聞やテレビでも大いに問題視されました。
2017年3月24日、松田元オーナーが広島市役所で釈明。
「試合数や購入枚数を制限して対応したい」
大勢のカープファンは
「いや、解決なってへんやろ・・・」
とツッコミを入れました。
2018年は1月にテントが立つ
2017年もカープ2連覇。独走。
ズムスタの前売り券はテント村の皆さんにほぼ買い占められたので、2017年からズムスタの当日券はほぼ購入不可能となりました。
そしてこの頃からカープファンのマナーが悪いと問題視されます。
ホーム席が空いてないためビジター席でカープを応援したり、自由席を巡ってケンカになったり。
自由席は開門と同時にダッシュで奪い合うため、ケガ人も出ていましたが球団の対応は後手後手でした。※週刊ポスト2017年9月29日号より
一部のプロの転売屋は内野自由席をダッシュで抑え「準指定席です」」とうそぶいてネット販売していたという噂も聞きました。
ズムスタで観戦できないため、カープファンは神宮や東京ドームをも真っ赤に染めました。
ビジター球場においてもビジター席に収まりきらないカープファン。
相手チームの応援席でカープを応援するトラブルも噂になりました。
ますますヒートアップするカープ熱。
2018年は1月26日に第1号テントが立ちます。
前年と同じような過熱ぶりとご近所迷惑を受けて、カープ球団は20年続いた「3月1日チケット一斉販売」をいよいよ見直すことにしました。
2019年から抽選券方式へ
2019年、カープ球団はテント村を防止するために「先着販売」を「抽選販売」に切り替えることを発表。
概要は以下の通り。
「2019年2月25日(月)午前11時より、ズムスタ来場者全員に抽選券を配布します」
すると5万人が押し寄せる大騒ぎとなりました。
これはドジったカープ球団。全国ニュースで叩かれました。
しかしこれに並ぶ人も悪いです。後ろの人はもう諦めなさい。ご近所迷惑であなた自身も危険です。
カープ球団が「抽選で行列」にこだわる理由
カープ球団は2020年も「抽選と行列」で前売り券を一斉販売することを決定。
売れ残りをインターネットやコンビニで販売しますが、実際には売れ残らないため指定席は出回りません。
なぜカープ球団は人身事故のリスクを負ってまで、こんな危なっかしい販売方法を採るかというとそれは広島県民のためだと私は考えます。
まずはズムスタに買いに来られる人に前売り券を販売する。
カープ球団はこの「3月1日にズムスタに買いに来られる人」を「広島県民」だと想定していると思うんですよ。
私は「ネットでチケットを売ればラクでいいじゃん」と思いますが、カープ球団は「チケットを買ったけど球場に来ない人」も減らしたいんですよ。ビールとうどんが売れないから。
広島県民なら行けなくなったカープ戦のチケットを誰か他の人に譲ることも簡単でしょ。
妄想ですけど、カープ球団の今の販売方法を暖かい目で見るなら「広島県民のため」
転売屋が買い占めてるって言いますけど、ネット通販なら転売屋がますます喜びます。今よりラクに買い占められる。
私なら「前売り券の9割を当日券に回す」ですね。
当日券なら転売屋は喜びません。転売するヒマがありませんから。ダフ屋が復活?転売屋よりまだダフ屋の方が味わいがあってまだマシ。
どうしても前売り券が必要な遠方の人にこそ前売り券を販売するべきで、それは申し訳ないですがネットで競争なり抽選なりに当たってもらいましょう。
カープ球団が今のような人身事故を起こしかねない販売方法を採るのなら、私はもう前売り券をやめるべきだと思いますね。
当日券のデメリットは売れ残るリスクと、球場行ったけど満席でしたというリスク。
前者は完全に球団が背負うリスク。後者はスマホやネットで空席情報をリアルタイムで配信しつつお客さんにもリスク負担してもらう。
1人に対してチケット1枚ってシステムも良くないです。
私は3万人分の座席を、6万人のカープファンでシェアできないか真剣に提案します。参考記事:チケット問題に対する提案(2018年8月1日)
とにかくコロナウィルスの全貌がまだ見えてない以上、危なっかしいことはしない方が良いと思います。