今日は国内FA権を取得した 坂倉将吾(28) の去就について考察します。
坂倉将吾はNPB10年で通算打率.273、787安打、75本塁打。
同時期の 前田智徳(28) は打率.308、1135安打、144本塁打でした。
「比べる相手が悪い!」
そうでしょうか? 前田は1年ケガでいませんでしたから、もう少し二人の数字が近くてもよかったと思いますよ。
FA宣言しないケース
さて坂倉がFA宣言すると決まったわけではありません。宣言しないで残留する可能性もあります。
坂倉が国内FA宣言を行使しない場合を【パターンA】とします。
するとこの先は さらに分岐 があります。
【A1】単年契約
【A2】複数年契約
【A1】は西川龍馬や九里亜蓮パターンです。
坂倉がまだカープに十分貢献できていない、移籍するならカープを優勝させてからと考えるパターン。
坂倉がカープを優勝に導くなり、個人タイトルレベルの大活躍をするなどして、来年以降に権利行使というパターン。
【A2】は大瀬良大地や東出輝裕パターン。
国内FA権取得のタイミングで複数年契約。大瀬良は3年契約、東出は4年契約を結びました。
大瀬良はその年に10勝、東出も打率3割をマークしており、宣言すれば争奪戦が予想されましたが、大瀬良は「このご縁に背を向けることはできない」、東出は「このチームで勝たないと意味がない」との名言を残して残留。昔からカープにはこういう 漢気ある選手 が多いのです。
坂倉が【A1】と【A2】を選択する可能性はどちらもあると思います。
坂倉本人の「捕手で出たい気持ち」と「カープを優勝させたい気持ち」のどちらが重いかは誰にもわかりませんが、私が坂倉を10年間見てきたところでは「カープを優勝させたい」の方が 強い と思います。
なぜかと聞かれると「坂倉ってそういう選手だから」というほかありません。
FA宣言するケース
と言っても坂倉にも事情があります。
プロ野球選手の現役生活はとても短いです。
そこでクレバーな坂倉が国内FA権を行使するケースを【パターンB】とします。
こちらにも2パターンがあります。
【B1】国内移籍
【B2】宣言残留
坂倉将吾にはカープ球団史上初の 宣言残留 の可能性があると思います。
坂倉がFA宣言する場合、それは自分を最も必要としてくれる球団を求める場合です。金額も重要ですが、坂倉の場合は 出場機会が最優先 かと思われます。
坂倉ってプロ10年間で一度も契約更改を保留したことがありません。
というかカープ球団で保留した選手は2013年の小窪哲也を最後に 12年連続保留者ゼロ であります。
私のイメージでは2012年の梵英心が最後の保留者かなーと思ってましたが、調べてみたら小窪でした。
小窪ってカープのコーチ要請を蹴って火の国サラマンダーズへ行ったり、けっこうやんちゃしていたんですね。
ま、契約保留や退団くらい全然やんちゃじゃありません。プロであるなら当然のこと。
去年は田中広輔と松山竜平がカープでの引退試合を断り、現役続行の道を模索しました。
ですから坂倉将吾が捕手としての出場機会を強く望めば国内移籍は 十分考えられる話 です。
ただしNPB12球団で現在正捕手に困っているチームは案外少ない。
正捕手が定まっていないのは 楽天 くらいです。
今年のドラフトで大学生捕手が人気の理由は「22歳の次期正捕手」へのニーズであって、28歳の即戦力捕手へのニーズではありません。
よって大学生捕手へのニーズと28歳の坂倉へのニーズは完全に別物です。
坂倉にオファーする球団は「開幕戦のスタメン捕手」が欲しい球団です。
ソフトバンク も正捕手不在でしたが、そこにすっぽり山本祐大が収まりました。
ソフトバンクの資金力なら来季FA権を取得する山本祐大と坂倉将吾のツープラトンも考えるでしょうが、坂倉はおそらくツープラトンを嫌がるのではないでしょうか。
要するに坂倉はお金に目がくらんで巨人へ行った甲斐拓也みたいにはなりたくないという意味です。試合に出られるチームを選びたい。
正捕手が不在なのは現状楽天と広島カープぐらいです。
坂倉を「サード兼捕手」なんてスケベな起用を思いつくのはカープぐらいなもので、普通のチームは捕手は捕手、内野手は内野手でチームを編成します。
坂倉を内野手や指名打者で起用すると「うまみ」が少ないですから、人的補償を出してまで坂倉を内野手で獲得する球団は おそらく皆無 だと思われます。
今年の坂倉が栗原陵矢みたいに3割30本を打っていれば話は変わってきますが、現状の打率.250・14本塁打で三塁一塁ではちとキビシイ。指名打者など論外。
よって坂倉がFA宣言すれば、手を上げそうな球団は捕手不足の楽天とソフトバンクかと思われます。
坂倉が楽天に行けば前田健太とバッテリー。
坂倉と森下が二人揃っててソフトバンク入団なんて可能性もある。コワいねえ…
他球団の捕手事情
実はソフトバンクって捕手の層が薄いんですよ。山本祐大と海野の次は谷川原です。
ま、ソフトバンクの場合は三軍から突然すごいキャッチャーが出てくるかもしれないけど、今シーズンのファームの試合を見ていても私が「オッ」となる捕手はいませんでした。だって35歳の嶺井が一番たくさん試合に出てたくらいですから。
だからソフトバンクなら坂倉将吾にオファーする理由が十分ある。
有原や上沢にもオファーした球団だよ。坂倉にオファーしても全く不思議じゃありません。
楽天も正捕手不在が死活問題なはずですが、ドラフトでもピッチャーばかりで全然キャッチャーを指名しません。
去年高校全日本の大栄君を指名しましたが、まだ19歳ですからあと5~6年は育成機関です。楽天も坂倉にオファーする可能性は十分あると思います。
ちなみに現在の正捕手は太田光(29)ですが、彼も今季国内FA権を取得済みです。
「他球団の評価を聞きたい」
西川龍馬と九里亜蓮は「新しい野球に挑戦したい」とカープを去りました。
「環境を変えたい」もFA選手がよく口にする本音ですが、この二つの言葉は同じような意味でしょう。
そしてFA選手が最も頻繁に口にする言葉が
「他球団の評価を聞いてみたい」
というやつ。これこそまさにプロ野球選手の本音でしょうねえ。
世間には「選手に宣言などさせず、権利を得た選手全員を自動的にFAにすればいい」という声も多いです。
これは「他球団の評価を聞きたい」の究極の形です。誰もが権利を得れば他球団の評価を聞けるようにするべきという意味。
他球団からオファーが来ないということはそれも一つの評価です。
坂倉がもしFA宣言しても色よいオファーがもらえるとは限りません。
しかしそれでも坂倉が今一番欲しているものが「他球団の評価を聞きたい」ではないでしょうか。それも 捕手としての評価 ではないでしょうか。
WBC2026には選ばれませんでしたが、坂倉はプレミア2024で ベストナイン捕手 に選ばれています。
坂倉は絶対聞きたいはずですよ、他球団の評価を。
んで現在のカープには「宣言残留の道」も開かれております。
寂しいけど、他球団の坂倉への評価が低ければカープ球団史上初の「宣言残留」があっていいと思います。
坂倉がカープに残って内野を守れば佐々木泰、内田湘大、渡邉悠斗、仲田侑仁、ラミレスらの出場機会を奪うこととなります。
坂倉はそういうことも含めて他球団の話を聞きたいと思うかもしれません。あいつは頭のいい選手ですから。
丸が巨人へ移籍した時も丸にそういう気持ちがあったのかもしれないなと、ちょっぴり考えたことがあります。
あの頃は誠也がライトのレギュラーを掴んだので、野間峻祥が松山竜平の代走要員だったんですよね。
坂倉がカープに残れば佐々木泰が試合に出られなくなるかもしれません。
プロがライバル選手の心配なんかするはずないと思いますが、誰かがそんなことを考えて移籍したって話してました。移籍したその時には言いませんけど、引退後に言ってた選手が誰かいたような気がしますねえ。