2026.7.29(水)
全パ 7-8 全セ 富山
オールスターには興味ないのですが、カープの選手は見ますよ。
遠藤は手抜きして投げてました。初出場なのに余裕あるね。
岡本は力が抜けて、いい時の岡本に戻ってました。捕手のリードも岡本のいいところを引き出してくれました。
岡本駿のピッチング
私は岡本のいいところは 投球フォーム だと思ってます。
力感のないフォームで再現性が高い。よって当然コントロール良く投げられるはず。
ところが前半戦の岡本は自分のいいところを十分に発揮できていませんでした。逆球が多かった。
昨日の岡本は2イニング投げて逆球はゼロじゃないか? 1球あったかなかったかでしょう。
いい時の岡本はフィニッシュを左足で受け止めて上体が止まり、右腕をまっすぐ鋭く振り抜きます。だから左右のコントロールを間違わない。若き日の前田健太に似ています。
今シーズンは重圧なのか疲労なのかわかりませんが、上体が突っ込んで引っかかることが多い。それを抑えようとすると今度はボールが反対側に抜けます。
だから前半戦の岡本は球数が多かった。フルカウントが多いため、5回ですぐ100球になります。
昨日の岡本はそれがいい時の岡本に戻っていたように見えました。
誰かのアドバイスで 進化 した可能性もあります。いい時の岡本ともちょっと違う気がする。
オールスターであるがゆえに力が抜けた可能性もあります。岡本は先発投手なので、オールスターで疲労を貯めるわけにいかないのです。
前田健太が力を抜いて進化したように、岡本が何らかのコツやきっかけを掴んだ可能性もあります。
いずれにしても後半戦の岡本は楽しみです。オールスター明けに突然化ける投手は今も昔も多いです。
昔なら大野豊が有名だし、最近なら近本光司が筒香にコツを習ったとか言ってました。※NPB
良いリードとは?
ここからが今日の本題です。
私がなぜ坂倉や古賀のリードを絶賛するか、解説します。
リードに正解はありません。
ありませんが、ベストを尽くしていない横着なリードは見れば一発でわかります。
例えば昨日のオールスターゲーム第2戦で、ソフトバンクの栗原陵矢がマスクをかぶりました。
栗原は何年もマスクをかぶっていない元捕手ですし、オールスターですから良いリードなんて全くする必要もないのですが、結果は1回3失点でした。
対照的だったのが私が「NPB三大捕手の一人」と絶賛しているヤクルト・古賀優大 でした。※参考記事
古賀は4イニング0失点。
別にオールスターですから良いリードもクソもなくて、本来なら捕手は投手の好きな球を受けるだけですが、岡本駿の時だけは明らかに様子が変わりました。
岡本だけはガチで8~9回を抑えに行きました。7回を投げたDeNAのレイノルズはレイエスとの力勝負をエンジョイしてました。
岡本は初出場だからか、球数少なく抑えたいからか
「古賀さん、ボク何を投げたらいいのか全然わからないのでリードしてください。持ち球はカットとツーシームです」
「お前の持ち球なんて全部知ってるよ。なんでチェンジアップを隠すんだ?」
「いえ、別にそういうわけじゃ…」
「まあいいや。セリーグは連敗中だし勝ちに行くか」
みたいな会話を古賀と交わしたんじゃないですかね。
岡本のフォームが良くなったのは別に古賀の手柄ではありません。
古賀の手柄は28球で2イニングをゼロに抑えたことです。これは岡本一人の力ではできなかったでしょう。
私の考える良いリードとは「勝利に向かってベストを尽くしたか?」の1点であります。
打たれたヒット数やWHIPなどは二の次で、私が重要視するのは「ストライク先行であること」と「球数が少ないこと」です。
若い頃は野茂英雄や川口和久みたいに三振をバッタバッタ奪う投手が好きでしたが、今ではクリス=ジョンソンや栗林良吏のように相手打者を観察して1球で打ち取るピッチャーの渋さがわかるようになりました。涌井秀章なんてもう大好物であります。
捕手にも相手打者を見て1球で打ち取るタイプの捕手がいます。代表例が坂倉とヤクルトの古賀。
NPB三大捕手はこの2人とロッテの佐藤都志也です。坂倉と古賀はよく似たリードをしますが、佐藤は2人とは少し違います。その話はまた今度やりましょう。
坂倉と古賀は相手打者の考えていることがわかります。
初球を投げた後、打者の反応を見て打者の考えを見抜くことなら誰にでもできますが、坂倉と古賀なぜか初球を投げる前から相手打者の考えがわかります。だから1球でアウトを取れるのです。
阪神の坂本は相手が初球を打ってくるor来ないを見抜くとこまではできてますが、1球で打者を打ち取れるとこまでは到達していない。私個人の感想ですよ。
ここらへんが 捕手の感性 だと思います。
私はいつも坂倉と古賀がなんでわかるのかじっくり観察していますが、見ただけでわかるわけありません。
昨日の古賀のリード
9回裏8対7、2死12塁。打者ネビン、投手岡本。
1球目インハイストレート。空振り。
2球目アウトローストレート。ファウル。カウント0-2
ハイ。
あなたは次、何を要求しますか?
古賀が要求したのは アウトローのストレート でした。ミットはストライクゾーンでした。
岡本の投げたストレートは少し外れてボール。
ネビンは完全に遅れていました。変化球を予想していたと思われます。
これが坂倉だったら岡本もストライクを投げていたと思います。
古賀が悪いということではなくて、普段古賀と組んでない岡本が古賀の技量を信じ切れなかったので、コースを外したということです。
上の話は私個人の妄想ですが、投手と打者がギリギリの駆け引きを繰り返しているのは厳然たる事実であります。
で4球目もストライクゾーンのストレートで押します。これは3球目の反応を見た岡本も納得してストライクゾーンに投げることができました。ネビン一邪飛。試合終了。
ネビンを打ち取ったタマは甘いコースでした。古賀も「それでいいから来い」と1-2からストライク要求をしました。私はこういう捕手に憧れるし、シビれるのです。
データ野球の皆さんやマニュアル通りの連中は、カウント1-2からストライク要求すればアホだクソだと言い出します。打たれでもしたらますます言います。
「カウント1-2から打たれやがって、まだボールを2球投げられたのに!」
ハイ。これは完全にミジメな結果論です。古賀と坂倉だってそんなことを知っていて、最も勝率の高いリード をしているのです。
一打サヨナラの場面でカウント0-2。
ここで相手の四番打者にストライクのストレートを要求するのはセオリー外です。
だが古賀はわかっててそれをやる。それが誰かにもらったデータじゃなくて、自分の考え だからです。
若い捕手は1球外角に外して、2球目もストライクからボールになるシンカーを要求します。んでネビンはそれを高い確率で見逃します。そんなのを簡単に振る打者がチームの四番になれるはずありません。
古賀にはカウント2-2になってからストレートを投げるより、ネビンがシンカーをマークしている今のカウントでストライクのストレートを投げて詰まらせようと考えたのです。
結果は岡本が古賀のリードについていけず、ボール球。カウント1-2。
セオリーなら次は落ちるタマ。岡本の場合はシンカー(ツーシーム)。
慎重に行く場合はもう1球ストレートを投げて、2-2からシンカーです。
2-2からシンカーを落とせば、いくらネビンでも振る確率は高い。なぜならここまでの4球は全部ストレートだからです。
カウント1-2でも2-2でもシンカーで勝負に行くのがセオリーですが、これを投手が投げ切れる保証はありません。古賀も古賀で広島の岡本の技量を100%は理解できていないのです。
そういうもろもろの事情も重なって、古賀はカウント0-2、1-2から2球続けてストレートで押したのです。
岡本のストレートが走っていたし、フルカウントまでストレートで押して3-2からシンカーならば前に飛ぶことはまずない。もし見逃されてもまだ満塁で次打者と勝負できると考えていたのです。古賀の狙いは玄人が見てりゃ、すぐにわかるのです。
で、肝心なのは このリードも100%ではない ということです。
最初に書きましたが、ベストを尽くしても打たれることがあるし、アホみたいな見え見えのリードでも打者が打ち損じて試合に勝つこともある。
だからリードに正解はないのです。
いい当たりが正面を突いてアウトになるのも同じことです。だから野球は面白いのです。