カープの試合が一軍も二軍も雨で中止となったので、今日はおもむろにバットの話をします。
あなたはバットの芯がどこにあるか、ご存じですか?
「そらお前、そんなのだいたいあのへんやろ。おーん」
そう。あのへんです。
ではバットの芯が移動することをご存じですか?
実はバットの芯は移動するのです。今からそれを説明します。
バットの芯とは何か?
そもそもバットの芯って何か、わかっているようで実はあまりわからない。
木製バットの中身が何かは誰もが知ってます。そう。木目が詰まっています。
芯の部分だけ特別な加工を加えてはおりません。だって木製バットは1本の木を削って作られるものだからです。
おかしいですねえ・・・
例えば森に立ってる一本の木にボールをぶつけた時、どの部分当たってもボールは同じように反発します。
ならバットもどの部分に当たっても同じように反発するはずですよね。今日のブログもおもしろいですねえ。笑
木製バットの芯の部分。
あの部分って私の感覚では7cmくらいの幅しかありません。高さは1cm。
そこを外れるとボールは詰まり、手の平はビリビリ痺れます。
長さ90cmのバットの中で芯の部分は7cm。
なんでそこに当たった時だけボールは強く飛んでいくのか?
友よ、答えは風に吹かれている。
ウソです。
今から真実を伝えます。
なぜ芯を喰った時だけボールが強く飛んでいくのか?
その答えは・・・
人間がバットを持っているからです。
もしバットが森に自立していたら、1本の木と同じように芯以外の部分に当たっても反発係数は同じです。
バットの芯が「移動」する仕組み
もう少しわかりやすく言いますと、
「バッターがバットを振った時、一番力の伝わる場所が芯の部分だ」
ということです。
「なんだ、そんなの当たり前じゃんw」
と笑ったあなた。
そんなあなたは立派なコロンブスの卵です。SNSの匿名野郎。答えを聞いたら誰でもできる。去年強かったチームを1位予想する軽薄なデータ野郎です。
芯以外の部分に当たればバットスイングの力がボールに100%伝わらないためボールが強く飛びません。この状態を野球用語で「詰まる」と呼びます。
では冒頭で申し上げた「バットの芯が移動する」のはなぜか?
木製バットを目一杯長く持ってスイングした時、バットの芯はいつもの「あのへん」にあります。
しかし同じバットを極端に短く持ってスイングした時、バットの芯は「あのへんより少し先」へ移動します。ディス・イズ・物理学。
一握り短く持ったぐらいでは実感しにくいですが、バットの1/3あたりを下の手で握って送りバントをすると「あのへん」よりボール1個分くらい芯が外に移動していることを実感できますよ。試しにやってみて下さい。
低反発バット
今年から高校野球で使用する金属バットが低反発バットに変わったことが話題です。
ピッチャーライナーの危険を減らすことや投手の球数を減らすことなどが目的。国際大会で使用する木製バットに対応することも目的。
一部には「木製バットの方が飛ぶ」と言って木製バットで甲子園に臨んだ高校生もいました。
広陵高校の中井監督は「木製バットは1本2万円。金属バットは3万6000円」と語り、木製バットが折れた時にお金がかかることも心配されておられました。
高野連は1974年に金属バットの使用を解禁しました。1973年オイルショックによる物価の高騰、部活動費節約の狙いもありましたが、私は同年に活躍した作新学院の江川卓が高校生のバットをビシバシへし折ったからではないかと考えています。
江川さんには
「オレのタマはバットにかすりもしないから関係ないよw」
と笑われそうですが、とにかく1974年の選抜大会から金属バットが使用解禁。
以後、箕島高校、池田高校、PL学園など強打のチームの黄金期が訪れました。
プロ野球界のバット事情
続いて令和6年プロ野球界のバット事情。
今年はなんだかバットがよく折れるような気がします。田村俊介も4試合で3本くらい折ってます。
たまたまの偶然なのか、去年と今年で何かが変化したのか? 私そういう細かいとこばかり気になっちゃうんですよ。
バットの「色」にも流行とルールがあります。
1990年頃のプロ野球界に空前の黒バットブームが起こりました。
従来の「木目が丸見えの木のバット」から「木目が全く見えない黒バット」がNPBで大流行しました。誰が流行らせたんだっけなあ、パリーグの選手だったような気がするが思い出せない。
黒バットは見た目がスタイリッシュなだけではなく「バットが欠けた時に見つけやすい」というメリットもあります。
そんな黒バットの使用は2017年に禁止されました。※サンスポ
理由は「ちゃんと木目を見えるようにして下さい」とのこと。NPBからのお達しです。禁止素材のバットを使っていないか、ちゃんと球審に見えるようにするため。
ところが、今年のオープン戦で源田壮亮が真っ黒いバットを使用してたんですよ。カープの大盛もウエスタンリーグで使ってました。
今年からまた使用可能となったのかもしれないし、オープン戦やウエスタンリーグには黒バットが禁止されていないのかもしれない。とにかく私はそんなとこばかり見ています。
カープ選手のバット事情
現在は「芯の部分が黒色でグリップの部分が木目」のバットが一番多いんじゃないかな?
この逆のコーデを使うバッターのセンスが私には理解できない。「芯の部分が木目でグリップが黒」の人。実は我らの坂倉将吾がこのカラーを愛用しています。
「メーカー名を見せたいのなら全部木目でいいじゃん、なんでグリップだけ色塗るの?」
私、このことをずっと2~3年考えてますが答えはまだわかりません。誰か坂倉に聞いてくれ。このカラーの使用者は他にも少しだけいます。やっぱグリップの欠けたとこを知りたいのかな?
バットの色はファッション性だけでなく、打撃にも影響するらしい。マジか?
この発言をした人は小園海斗です。
小園海斗は打席で構えた時、バットに印刷されたマークを絶対ピッチャー側に見せません。だからテレビには映りません。
私は
「メーカーの人、怒らないの?」
と思うのですが、小園いわく
「バットのマークが見えると打ちづらい」
とのこと。
打席で構えた時にバットのマークをバックネット側に向けておくと、インパクトの瞬間にマークは真下を向きます。つまりホームベースの方を向きます。
小園はこの時にマークが上に来ると「ボールを見る時、マークが邪魔になる」と言うのです。
ホントかねえ・・・
プロ野球選手ってそんなとこ見てんのかね?
私は昔からこのバッターがどこのバットを使ってるか知りたいので、メーカーのマークを見せてほしいんですよ。20世紀のバッターはピッチャー側に向けてる人が多かった。私もピッチャー側でした。
アオダモバットの時代、マークの向きは「ピッチャー側」か「バックネット側」かの2種類しかありませんでした。木目の関係で。
ところが今のバッターはマークを「自分側」に向ける人も多いです。
今のバット素材はメープルやアッシュなので「自分側」か「自分の反対側」に向ける人も多い。そのためバットのマークがテレビに映りにくい時代になってます。
私のバット事情と本日のゲームプラン
30年前の私はアベレージヒッターでしたがバットは重いのが好きでした。非力だからこそヘッドに重心のある長距離打者用のバットが好きなのです。バットの芯はバットの先の方にあります。
グリップも細いのが好きでした。細い方がヘッドが速く回るので飛距離が出ます。ただしバット操作は難しいです。
通常アベレージヒッターはヘッドが軽くて太いグリップのバットを好みますが、私にはしっくり来ませんでした。単打しか打てないのですよ。
木製バットは練習でしか使ったことありません。試合はずっと金属でした。
金属バットにも寿命があります。1年使うとかなり低反発になります。
バッティングセンターのバットなんてめちゃくちゃ低反発です。今の5~6万円する新品の金属バットでバッティングセンターに行けば、あなたの打率はたちまち1~2割上昇します。古いバットと最新のバットはそれくらいの差があります。
道具の力はけっこう偉大です。技術を1~2割カバーしてくれます。
最後に本日のゲームプラン。
大瀬良vs高橋奎二。どちらもスライド登板なのでゲームプランは昨日と同じ内容です。
田村に代わって奨成スタメン。4対3で勝ちたいです。トーマス=ハッチも見たかったなあ。