いよいよ本日プロ野球が開幕します。
今年はWBCで日本が優勝し、野球熱が盛り上がる中で開幕します。
WBCの時に私は短期決戦の戦い方について講釈を垂れましたが、今日は長期決戦の戦い方について講釈を垂れます。
家族一丸
WBCはトーナメント。1試合負けたら即終了。後がありません。
日本シリーズにはまだ後がある。3敗までしてもよい。だからまだ辛抱できる。
だがWBCは究極の短期決戦で後がない戦いでした。だから私は村上宗隆なんぞに命を預けたくなくて「村上に送りバントをさせろ!」と大騒ぎしたのです。※参考記事
あんな軽いやつは信用できません。
一方、ペナントレースは正反対でございまして1年間143試合の勝負。長期戦で持久戦。
ある意味では夫婦生活と一緒。ハッキリ言って忍耐の日々でございます。←諸説あります
ペナントレースは負けても負けても明日がやって来ます。6連敗しても7連敗しても試合は続くのです。
だから目先の利益にこだわりすぎてもいけないし、選手のモチベーションを下げるような采配も良くない。
主砲が不調でも安易に打順を下げたり、バントさせたりはできないという意味。だから面白い。
あと大事なのは選手層。
よく言われることですがケガ人の多いチームは不利ですよね。
ペナントレースは9人で野球をするのではなく、70人の選手とそれをサポートする裏方さんの戦い。
裏方さんとは打撃投手、ブルペン捕手、トレーナー、マネージャー、広報、通訳、監督コーチ、食堂のおばちゃん、スコアラー、スカウト、グラウンドキーパー、荷物運びの人、ブロガー。
どの仕事もとても大切で新井はこういうのを家族一丸と呼んでます。今年のカープの最大の強みはここだと思う。
WBC・侍ジャパンも良いチームでしたが、広島カープにも同じような一体感を感じます。
中継ぎがとか、長打力がとか、目先の問題点は確かにあります。だがそんなのは143試合で見ればちっぽけな話で、長期戦に必要なのはやはりチームの総合力であります。
そこには目に見える有形の力と、見えない無形の力がありまして、新井貴浩は無形の力を持っているような気がします。
だから広島カープは三連覇できたし、新井が抜けてから4年連続Bクラスに低迷しました。
ノムケンとマエケンが持ってきたポジティブ思考を開花させたのが緒方と新井なんじゃないかなと私は思います。
総合力とは編成力
開幕戦を前にセリーグ6球団の「開幕ローテ」が見えてきました。
ここで整理しときます。
◆セリーグ6球団、2023年開幕ローテ
広島・・・大瀬良、床田、玉村、九里、遠藤、アンダーソン、(森下)
ヤク・・・小川、ピーターズ、吉村、サイスニード、高梨、石川、(高橋)
DNA・・・石田、ガゼルマン、笠原、浜口、平良、東、(今永)
阪神・・・青柳、秋山、才木、西、大竹、西、(伊藤)
巨人・・・ビーディ、グリフィン、赤星、戸郷、メンデス、横川、(菅野)
中日・・・小笠原、涌井、福谷、大野、柳、高橋、(松葉)
※()内は開幕ローテを外れた主な先発投手。
どうですか?
世間で最下位予想されている中日と広島の先発ローテが一番充実していませんか?
去年は村上が三冠王を取りましたし、阪神の青柳が2年連続最多勝を取りました。
だから今年も取れるんですか? 私はそうは思いませんね。
村上のキャリアハイは昨年です。今年はぶっ潰してやります。今日のカープは神宮でヤクルト戦。第一印象は大切です。
長期決戦では個人の勢いとかラッキーボーイの力ではなくチームの総合力が問われます。
勢いで優勝するチームもありますが、通常はチームの総合力が求められるのがペナントレースの醍醐味。
総合力とは編成力。
何年もかけて選手の育成と、補強ポイントを分析し続けた努力のたまもの。
巨人と坂本はそれを怠り、目先の快楽にワッショイしてきたので悲惨な今年を迎えている。
菅野もいよいよ引退の危機。あるいはFAの人的補償で楽天あたりに行くがよい。日本ハムはもう菅野を相手にしないだろう。
昔話に例えるところのアリとキリギリスである。
今年我慢して赤星や門脇を育てていくと、2~3年後に花が開くよ。他のチームはみんなそうやってチームを編成している。おまえんとこだけが裏金やドラフト破りで百年間ズルをやってきたのだ。一度大いに反省しなさい。お前らが今やってる野球は非常に正しい。去年まではクソだったけどな。
カープも実は佐々岡時代にアホな補強を繰り返して、選手が少しダブついていますが、若手もまあまあ育ってきている。
その筆頭はやはり坂倉将吾。
24歳の坂倉がベストナインを確実視されるってなかなかの偉業ですよ。以前も言いましたが、古田敦也の24歳シーズンはルーキーでした。古田通算0安打。坂倉は6年で364安打。
次に小園海斗。
小園は4年で通算300安打。こいつもけっこう天才です。
小園は大卒ルーキーと同い年。野村謙二郎も金本知憲も22歳シーズンは通算0安打でした。小園は既に300本。イチローは425本でした。
このように俺たちには・・・
積み重ねてきた過去があるのです。
いわゆる・・・
ひとつの・・・
実績というやつです。
巨人と佐々岡にはそれがありませんでした。行き当たりばったりの補強戦略。欲しい欲しいのアホ野球。
カープは伝統的に我慢してきました。
花に例えると選手は蕾なんですよ。つぼみ。
忍耐と我慢のない梶谷や井納の花が開くことは決してありませんでした。野球の神様がそんなのを許すはずないからです。山口俊もキッチリ散りました。お金目当ての「向上心なきFA移籍」はだいだい尻すぼみになるものです。
カープには蕾の選手が大勢います。
お前らが中田翔だ山口俊だ中出しだってやってた時に、こっちは矢崎や島内で我慢する生活を続けていたのです。
矢崎拓也が四球を出してはぶててたあの日々が今年、
花開く時が来たのです。諸説あるけどさ。
とにかくチーム力とは総合力。
ペナントレースにはチームの総合力が求められます。
あの悔しかった日々を思い出せ。薮田も塹江も短期決戦では心配だけど、長いシーズンには絶対必要な戦力です。
開幕ダッシュは必要ない
去年は開幕6連勝で「やっちゃろうやあ!」とか騒いでましたが、今年は必要ないんじゃないですかね。
今年のチームには落ち着きがある。坂倉と小園にポジションを与えた効果が大きい。
田中も會澤も大功労者ですが、シーズン前にポジションを与えたことが失敗でした。中崎もそうですね。
ポジションは若手に与えるべきで、そいつらがダメだった時に助けてやるのがベテランの役目です。
長野久義をスタメン起用することに私は4年間ずっと反対してきました。
その理由はプロ野球が長期戦だからです。WBCなら私だって小園や坂倉でなく、會澤と長野を使っていたと思います。
ペナントレースは長期戦。開幕戦を必死に取ったところでたいした問題じゃありません。
新井はそれをよくわかっている。佐々岡は全くわかってなかった。ペナントレースとトーナメントは別競技なのです。佐々岡と巨人のアホ野球はトーナメントの戦い方です。