中崎劇場と言わせない!

昨日も「ザキの27球」でカープ辛勝! 1対0!
九里亜蓮と中﨑翔太の完封リレー! お見事!
しかし今年も「中﨑劇場」とか言われております。
私は納得いかないです。ザキは安定感あるカープのクローザーです。
ファンはじたばたしない!胃薬も買わない!

カープの劇場型クローザーの元祖は江夏でも津田でもなく永川勝浩。
ルーキー時代から「四球か三振か」の投手。「永川劇場」と呼ばれるのは致し方ありません。
しかし私の中で中崎はコントロールが良いイメージなので、ファンの方から「中崎劇場」と呼ばれることに大いなる違和感を感じております。

■2018年セリーグのクローザーWHIPランキング
(数字は左からWHIP、被打率、BB9、登板数、防御率)

B山崎康晃 0.94 .179 2.81 16試合 1.13
Tドリス  1.06 .204 3.38 16試合 2.25
D田島慎二 1.07 .212 4.20 16試合 3.00

C中﨑翔太 1.26 .189 4.74 21試合 2.37
Gカミネロ 1.82 .340 2.45 11試合 4.09
S該当者なし

あれ? 今年はだいぶ四球が多いですね。苦笑
WHIPも1.26でチーム9位。
そして注目の「三者凡退」の数は21試合登板中、8試合。
これらの数字をどう捉えるかですが、私は「ザキはよくやってる」と思います。

昨年54セーブのサファテのWHIPが0.67。
全盛期の藤川球児が0.80前後。しかもこれを5~6年続けている。
このへんは異次元すぎるので比較の対象から除外します。当然です。非常識すぎます。笑

続いてNPBの通算最多セーブ数を誇る岩瀬仁紀。
彼は34歳までの若い頃でだいたい0.90~1.00。
35歳以降の岩瀬がだいたい1.20前後。
今の中崎は「ベテランの岩瀬」レベルの成績だと言えます。
十分でしょう。中﨑、よくやってますよ。安定感あるクローザーです。

■中崎は高卒下位指名からのクローザー就任
中﨑翔太は宮崎日南学園から2010年のドラフト6位で入団。
ドラフト下位指名の高卒投手が近代野球でクローザーを務めるというのは、非常にレアケースなのです。
思い出してください、過去にいましたか、そんな投手?
巨人の石毛博史、近鉄の赤堀元之くらいじゃないですか?
(ソフトバンクの育成枠出身の好投手も大勢いますが、彼らはクローザーとは言えません)
藤川球児、平井正史、松井裕樹はドラフト1位です。

クローザーにはいろんなタイプがありまして
<1>助っ人外国人
<2>即戦力ルーキー(与田剛、山崎康晃)
<3>球種やフォームが変則的な投手(角三男、潮崎、高津)
<4>先発投手がベテラン化してリリーフ転向(江夏、大野豊)
<5>将来のエース候補を一時的に抜擢(小松辰雄、山口俊)
<6>純粋なるリリーフ投手が実績を重ねて地位を掴み取ったケース
などが主なところ。

中崎の場合はどれにも当てはまらない感じですが、強いて言うなら<3>と<6>の中間ぐらいですかね。
中崎のスライダーは独特の軌道でして、私の中ではマエケンのスライダーっぽいイメージです。
そして永川、ミコライオ、ヒース、今村猛、いろんな先輩がコケ続け、消去法的に中﨑を出したら案外ハマって現在に至るのが「守護神中﨑」の歴史かと思います。当時23歳でした。

そもそも私の中で入団当初の中崎(弟)への期待値は「近藤芳久」「望月一」クラスでした。
兄が西武のドラフト1位(2008年)でしたが、当初カープは中﨑兄を狙っていました。
2年後の2010年にカープは弟を6位で指名。1位は福井優也。
「優秀なお兄ちゃんを獲れなかったんでその弟で我慢した」パターンはカープには何度かありましたよ。定岡とか上本とか。
ですから中﨑翔太が少々ランナーを出したって私はあまり動じないというか、こんなもんでしょというか、よくやってるよザキはと思う次第です。

中﨑翔太をディスってるんじゃなくて「おお!よくぞここまで成長してくれたな」って感じ。
私の期待値をもう20倍以上超えてくれたので、あとはボーナスステージなんですよ。私の中では。

巨人の石毛も、赤堀もセーブ王を獲ったか獲らないかくらいの実績を残し、チームの優勝にも貢献しました。
しかし寿命は短かった。
20世紀のストッパーは非常に過酷な使われ方でしたのでみんな短命でした。

21世紀に入りストッパーがクローザーに代わり、寿命が延びて名球会入りするリリーフ投手も大勢出てきました。

おそらく中崎翔太もカープ球団史上初の250セーブでの名球会入りを果たすでしょう。

リリーフの仕事はとにかくチームに勝利をもたらすこと。
続いて先発投手の勝ち星を消さないこと。
九里亜蓮が前回7回1失点の好投も、ザキが同点本塁打を浴びて勝ち星を消していました。
昨日のザキの勝利インタビューの第一声はそのことでした。

「前回(九里の)勝ち星を消しているので・・・」
プロすぎる!ザキ!!
シビれた。俺はコロッと忘れてました!
これだけでメシを3杯食べました。←実話
今年もカープのクローザーは安泰だと思いますよ。3年連続胴上げ投手。

私は「ザキで負けたら仕方がない」と思っているので、劇場だの日本シリーズの満塁ホームランだの「クソくらえ!」であります。
私はザキの後ろを黙ってついて行く! ただこれだけ、じたばたしません!

■参考記事
下記のインタビューでザキの「仕事」に対する考え方が垣間見えて面白いです。
【カープ男気の証明】中﨑翔太「リビングひろしま2017年11月18号より」