丸佳浩と松山竜平の国内FA権について

今オフのカープのFA事情について
まず今年の7月に松山竜平(32歳・6500万円・Bランク)が、そして8月下旬か9月上旬ごろに丸佳浩(29歳・21000万円・Aランク)が国内FA権を獲得します。

ちょっとここでカープ球団のFA事情を整理しておきましょう。2018年5月現在

■前置き
事実「球団は宣言残留を認めている。しかし実際に行使した選手はまだ一人もいない」
2002年秋
金本知憲がカープ残留を希望してのFA宣言。
しかし球団は頑なに「宣言残留」を認めず。
結局金本は阪神に移籍し2003年の阪神優勝に貢献

2006年秋
黒田FA権獲得。市民球場伝説の横断幕
球団はここで初めて黒田に対して「宣言残留も認める」と発言
しかし黒田は宣言せずに男気残留

2007年秋
黒田がメジャーの夢を追ってFA宣言。ドジャース移籍
新井貴浩は国内FAで阪神に移籍。
球団は新井に対しても「宣言残留」を容認していた。

2008年秋
球団は東出輝裕に対しても宣言残留を容認。ただし東出は宣言せずに残留。

2010年秋
球団は石原慶幸にも宣言残留を容認。石原も宣言せずに残留。

2011年秋
栗原健太が宣言せずに残留。この時は宣言残留の話は特になかった・・・ような気がします

2013年秋
球団は大竹寛にも宣言残留を容認。しかし巨人に移籍。

カープ球団が「宣言残留を認めた」とマスコミで報じられた選手は
新井貴浩、東出輝裕、石原慶幸、大竹寛の4人かと思います。
報じられておらずとも、おそらく2007年以降のカープは「宣言残留も容認」の方向で動いていることでしょう。

ただしこれはレギュラークラスの話であって、もし微妙な選手(失礼!)だった場合もカープが宣言残留を認めるのかはまだはっきりと見えてきません。
例えば堂林翔太や福井優也が「他球団の評価を聞きたい」と言い出した場合、カープが宣言残留を認めるかどうかはまだはっきりしないということです。

■2018年オフの展望
丸はAランク、というかカープ日本人最高年俸です。
2017年秋の契約更改では
丸「FAの話はなかった」
鈴木本部長「いい話し合いができた」
と発言。しかし契約は1年契約。
ギータも2018オフにFA権を獲得予定ですが、ソフトバンクは先手を打って「5.5億×3年契約」を結んでいます。

松山はBランク。2017年の契約更改では4000万円→6500万円。
日本人10位の年俸にジャンプアップ。これはもちろんFA宣言をにらんでの措置。
年俸10位以内の選手をFA制度で獲得すれば、獲得球団には人的補償という名のもとに若手選手を獲られるリスクが生じます。

■カープを出る出ないは置いといても、宣言はあるのではないか?
と言うことでカープが宣言残留を認めたのは新井貴浩以降です。
東出輝裕も石原慶幸も前年に活躍していたので、他球団もおおいに関心があったと思われます。
栗原はAランク(1.5億円)でしたけども、当時の東出や石原は値段も安かったです。

んで松山と丸がもし宣言したらどうなるか。
松山竜平の場合は、年俸がそこそこ安くて打点を稼げる選手。
欲しい球団はいくらでもありそう。今年の活躍次第では1億円台の複数年オファーもあり得ます。
丸佳浩に至っては仮に今季大スランプに陥ったとしても、過去5年の実績から争奪戦は必至。

よくFA選手が口にする
「他球団の評価を聞いてみたい」
というせりふ。

よーくわかりますねえ・・・
サラリーマンでも同じです。
他社にヘッドハンティングされたい!なんて私も考えたことありますもん。
木村昇吾もそうでしたよね。カープでの安定を捨てて挑戦の世界へと旅立っていきました。今はマジでインドにいるみたいです。笑

とにかく丸と松山にも「宣言して残留」が容認されることは間違いありません。
となると「話を聞いてみたい!」と考えるのが人情というもの。
しかし丸の場合はちょっと難しい。
宣言するとむちゃくちゃ影響が大きいです。
カープだけの話でなくなりますからね。
他球団のチーム編成にも影響大。大騒動になります。
カープ球団が事前に上手に丸と話ができれば「宣言せずに残留」で丸と再契約できると思います。
お互いの歩み寄れる最適解は「3億円×4年契約」あたりではないでしょうか。

松山の場合は今季の起用法で気持ちが動く可能性がありそうです。
昨年松山があれだけ四番で活躍したのに、チームが野間を使いたい、バティスタを育てたい、ばっかりだと松山に
「他球団の評価を聞いてみたい」
とか言われてしまいそう。

実際、松山は宣言するような予感がします。
んで他球団が「1億円×3年」とか出してきた時に、カープは「8000万円×2年」とかで対抗できるかどうか。腕じゃなくて「誠意の見せどころ」です。
ご存知のように松山は鹿児島県出身。パリーグにはDHもあります。ソフトバンクに要注意です。

■最後、球団サイドの都合
先日カープの総年俸額(日本人のみ)が12球団中6位という発表がありましたね。
2連覇したので当然です。今年も3連覇に向かって順調に進んでいますし、来季も誠也を筆頭に坂倉や昂也がブレイク確実。総年俸はますます跳ね上がります。
うーん・・・球団としては丸や菊池をどう扱いますかね・・・
功労者ですから大切にするのはもちろんですよ。彼らもあまりお金で動くタイプでもない。
緒方孝市や前田智徳は年齢を重ねて成績が落ちていくとともに、年俸のほうも落ちていきました。
キクマルもそういうのを受け入れてくれると思います。
入団以来、この二人をずっと見続けてきてそう感じています。
キクマルはカープで引退してくれるのではないでしょうか。
誠也とか奨成とかスケールの大きい人はメジャー志向もありそうですが、この2人にはおそらくない。

今季の丸の年俸は2.1億円です。
来季、出せても3億だと思います。カープの場合。
複数年契約も5年は無理だと思います。4年がいいとこ。
3億×5年はきついですが、3億×4年ならいいところ。2.5億では丸に誠意が足りません。
よって3億円で3~4年。
これで丸が「他球団の評価も聞きたい」と言えば仕方ないんじゃないでしょうか。

ついでにここで巨人が「5億×4年」とか出してきても、丸が巨人に行くことは100%ないと宣言しておきます。
キクマルの野球観は巨人とは違いますから。