昨日の記事で
「カープの黄金時代を築きたいな」
「今のカープと昔の西武を比べちゃおう」
みたいな与太話を書きましたところ、cganさんより非常に建設的なご意見をいただきまして、1980年代最強チームと今のカープをもっと掘り下げて比較してみたくなりました。
では早速まいります。長いですよ。
私の感じる緒方カープが森西武に負けている点
・捕手力
・ベンチワーク
・機動力
捕手力について
>會澤や坂倉といった、期待できる後釜が後に控えています
坂倉の評判がすこぶる良いので楽しみです。
自分はイケメン船越にも非常に期待をしておりまして、どちらが先に出てくるのか今から待ち遠しいです。
會澤も貫禄が出てきましたね。
ベンチワークについて
>いつも自分たちの形を崩さないというのは、いい線どころか優秀ですよ
これは全くもって、cganさんのおっしゃる通りだと思います。
長いペナントレースの戦い方において、緒方カープは100点満点の采配ができていると思います。
実は私は交流戦の最終戦に「岡田と薮田を投入しろ!」と叫んでおりましたが、緒方カープは勿論それをせず、ローテ通りに中村祐太と九里亜蓮で戦いました。結果は負けで、交流戦2位に終わります。
20世紀にはそれこそ工藤公康や槙原寛己、宮本和知など、シーズン中にリリーフもこなした先発投手がちょこちょこ存在しました。
私は無意識にそれを格好いいなと思っておりまして、15勝8敗1セーブみたいな成績の「1セーブ」に憧れておるわけです。
2年目の岡田や病み上がりの薮田をスクランブル起用するとなれば、その試合は盛り上がるかもしれません。
しかし長い目で見ると、後半戦に影響が出るばかりか、大きな故障に繋がる可能性もあります。
緒方カープは交流戦の優勝戦において、リスクのあるギャンブルをせず、現状のメンバーで最高の野球をすることを選択したわけで、たいへん素晴らしいことだと思い直すことにしました。
それを「いい線」とは緒方監督にたいへん失礼な表現でした。訂正して謝りたいと思います。申し訳ありませんでした。
カープの選手管理、故障対策はたいへん優秀で、あの頃のライオンズにも勝っていると思います。
ついでに短期決戦のベンチワークについて、もう2点言わせてください。
1点目、2016年の日本シリーズ。
カープは中﨑とジャクソンにこだわって日本ハムに4連敗しました。
ハム打線はジャクソンにタイミングが合っているように見えたので、私は「8回をヘーゲンズ、9回を中崎で行け!」と思っていました。
しかし、ベンチはジャクソンを信頼して全6試合に登板させました。結果3試合で失点し、ジャクソンだけで2敗を喫します。
こうなることはベンチもファンも事前に予想できていたのですが、ベンチはジャクソンにこだわった。
ただ、レギュラーシーズンの活躍を思うと、私はこれは擁護できます。
調子が悪くてもジャクソン・中崎と心中する作戦を、私は全面否定はいたしません。「ありっちゃ、あり」です。
2点目、1991年の日本シリーズ。
山本カープは川口和久を第2戦に先発で起用し、8回2失点で勝利。第5戦には中3日で先発し、8回無失点で2勝目。
そして中1日で第6戦にリリーフ登板、第7戦にも登板しました。
この時、川口は32歳。レギュラーシーズンの成績は200イニングを投げ、12勝8敗でした。
翌年から川口のストレートはキレを失い、巨人移籍後はリリーフ投手となりました。
川口の衰えが日本シリーズの酷使に起因したかどうかはわかりませんし、もともとが力投派なので、32歳がちょうどお肌の曲がり角だっただけかもしれません。
しかし、cganさんのコメントにありました「無理くり大逆転優勝をした日本ハムの今年の惨状」「ソフトバンク采配が必ずしも正解とは限らない」発言を受けまして、91年のスクランブル川口と、スクランブル佐々岡を思い出した次第であります。2人ともその翌年以降、ちょっと低迷しましたからね。
やはり緒方カープの「安全第一采配」は選手生命や、長期にわたる黄金時代を築くためにたいへん重要なことでありそうです。
機動力について
これまた日本シリーズから。
西武の機動力と言えば、1987年の辻の好走塁を思い出す方も多いと思います。
伊原コーチがクロマティと川相昌弘の隙を見事についたプレーですね。超有名です。
しかし私が「このプレーで負けた!」と苦々しく思い出すのは、1991年の石毛の盗塁です。
3勝3敗で迎えた第7戦。
佐々岡vs渡辺久信で5回裏1-0でカープ1点のリード。
カープはなにせ3番野村、4番西田、5番山崎隆造で一年間戦ってきたチームです。
チームのホームラン王が江藤智の11本ですからね。
なんならこのまま1-0で最後まで逃げ切るしかない、というようなチームでした。
そんな中、5回裏先頭の6番石毛がセンター前ヒット。
ノーアウトランナー1塁で、7番サード鈴木健。ちなみに8番は伊東で9番は平野謙。
野手陣がマウンドに集まり、鈴木がバントしてくるかこないかを相談。
野手陣がポジションに散った後の初球、なんと35歳の石毛が単独スチール。達川が投げるが全然間に合わず、余裕のセーフ。
私、この時「ああ負けた」と思いました。
石毛の91年の年間盗塁数は8個。ここで走ってくるなんて全くの想定外。しかも初球です。
よく1点もやりたくないという守り方をして、大量点に繋がるケースがありますが、この時もそうでした。
結果3点を取られて、またも日本シリーズで西武に苦杯を喫しました。
「ほんまいろんな引き出し持っとるなあ」というのが森・西武の印象です。
こういういやらしい攻撃が今のカープにはまだまだ足りませんね、というお話がしたかったです。
今年のカープ、日本シリーズ第7戦で1点負けてて、ノーアウトのランナーを走らせることができるでしょうか・・・
さらにcganさんのご意見、絶対エースと誠也のパートナーの件については続編を書きます。