1980.7.19(土)
全パ 6-7 全セ 西宮
鈴木誠也の6試合連続本塁打は振り返りません。
今日は41年前のオールスターゲームの話をします。
正しい古葉野球、正しいカープ野球を思い出すためです。
現在のような「1試合3本塁打しないと勝てないカープ」は正しいカープではありません。アホなワッショイ野球です。
優勝するためにシーズン400発打つんですか? いくら誠也でもムリムリですよ。
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1番ショート高橋慶彦
小学生だった私を虜にした高橋慶彦がオールスターゲームに2年連続2回目の出場。
打順は1番ショートです。当時23歳。プロ6年目。
慶彦は1年前のオールスター第1戦にも1番ショートでスタメン出場。そりゃそうです。その年の盗塁王で33試合連続ヒット。
慶彦はそういう選手でした。41年を経て64歳の今、youtubeで佐々岡野球をグダグダ文句言う資格と権利を持つ男です。
1979年のオールスター第1戦では4打数2安打1盗塁。
1980年のオールスター第1戦でも5打数3安打1盗塁。
控えめに言ってスーパースターでした。足も速くて女にモテる。鈴木誠也の駆け出しの頃のようでした。
誠也が6戦連発。今日打てば日本タイ記録。
しかし値打ちはあまりない。だってチームはドベだから。負けた責任の9割は佐々岡ですが、残りの1割は誠也にある。お前がいてなんでドベなんだ。
慶彦のいたカープは2年連続日本一である。
慶彦はカープのくせに全国ネットでフライデーされていた。当時ではあり得ない出来事です。阪神の選手でさえ全国放送されることは稀でした。
そんな時代にカープの23歳がフライデーされるわ、レコードも出すわ。沢田研二や西城秀樹とまでは言わないが、ちょっとしたアイドルでした。
巨人阪神以外で全国区だったのはベテランの江夏と福本、あと高橋慶彦ぐらいでした。
慶彦は恐れないビビらない
23歳の慶彦は34歳の衣笠と浩二に挟まれてもビビらない。32歳の江夏にもビビらない。
40歳の王貞治、33歳の福本にもビビらない。
理由は二つ。
一つ目はそれだけの練習をしているから。
二つ目は44歳の古葉監督がバックについているから。守ってもらっているから。
2021年のカープには残念ながらどちらもありません。
練習も適当。監督は後ろから撃ってくる。おっかなくて盗塁なんかできるはずありません。
慶彦は「通算盗塁死のセリーグ記録」を持っています。
でも次も走ります。
なんでか?
それは古葉監督が「次も走れ!」と命じるからです。「ミスしたら俺が責任を取る!」
通算盗塁死の日本記録保持者はご存じ福本豊です。慶彦の師匠。
通算盗塁死の世界記録保持者はリッキー=ヘンダーソンです。福本を超えた男。
あたりまえ体操でしょうが。
盗塁に失敗は付きもの。ディスってどうする。次も狙わんかい。
慶彦はエラーしても盗塁死しても次に向かって突進します。だからモテるしカッコいい。
慶彦がなぜ前のめりでいられるかと言うと監督コーチが選手を守ってくれるからですよ。
佐々岡みたいなアホ上司じゃ選手はミスを恐れて縮こまってしまうのです。
ファンだって見てますよ。
小園が野間がノビノビやってるか、やってないか。けっこう縮こまってますよ。
見るがいい、1980年の23歳の慶彦を。
3番ファースト王。
4番センター浩二。
5番サード掛布。
6番ライト衣笠である。
決勝点は新人岡田彰布の代打ホームラン。はにかむ岡田なんて今じゃ絶対見られない。