0井生崇光[広島東洋カープOB]

■二岡ショックで2位指名
1998年、カープが広陵高校時代から追いかけていた近畿大学のショート・二岡智宏(22歳)。
7年間もリーグ優勝から遠ざかっていた当時のカープは、ショート・野村謙二郎(32歳)の後継者としてこの二岡を徹底マークしていました。
しかし二岡は裏金5億円で巨人に電撃入団。しかも逆指名の2位。
当時の私はなんでカープが1位で獲りたい選手を巨人は2位で獲れるのかが理解できませんでした。
んで、カープは4位指名の予定だった東出輝裕(ショート)を1位指名。
んで、さらにまさかの2位指名も高校生ショート。
それが井生崇光。
二岡ショックはカープのフロントにも大きなショックを与えたのか・・・
今思うと考えられない指名でしたね。

■兵動秀治とごっちゃになる
実は前年の19997年のドラフトでも2位で高校生内野手の兵動秀治を指名しています。背番号4。
1999年に達川がルーキー東出と2年目兵動を一軍のセカンドで使い出し、この頃の私は井生と兵動がごっちゃになりました。
ちょっと前にもドラフト2位の徳本政敬という右投げ右打ちのセカンドがいて、もう誰が誰だか・・・苦笑
整理すると
徳本はドラフト2位のセカンド。長距離砲。背番号46
兵動はドラフト2位のセカンド。長距離砲。背番号46→4
井生はドラフト2位のショート。俊足巧打。背番号64
全員、右投げ右打ちです。

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■ユーティリティーへの道
井生は1999年～2005年まで6年間二軍暮らし。
カープの一軍では木村拓也がレギュラーを掴み、ショートは東出、エディ＝ディアス、アンディ＝シーツらが守りました。
シーツ退団後もラロッカがセカンドに入ったり、尾形佳紀も入団。
井生の出番はなかなか訪れませんでした。
2006年、緒方孝市が骨折したため1軍に昇格。
なんといきなり外野でスタメン！
ライトの嶋重宣(30歳)やレフト前田智徳(35歳)の代わりに左腕相手にスタメン出場。
この二人、決してまだ衰えていませんよ。2005年の嶋は27発、前田は32発打っていました。
この二人に変わって井生がスタメン。
プロ初スタメンは2006年5月13日のロッテ戦。9番レフト。

8月に入ると、今度は若手の栗原健太(25歳)がヘルニアで離脱。
ファーストに入ったのは強肩の廣瀬純だったり、ベテランの緒方孝市だったり、井生だったり。
カープファンは
「なんで嶋を一塁で使わんのや！」
と大興奮。
嶋は腰痛持ちで内野を守れなかったそうです。

井生はこの年、内外野を守り29試合にスタメン出場しました。
通算成績は74試合138打数37安打0本塁打、打率.268。
オフに背番号が64→0へ変更。
トレード移籍したキムタクほどのユーティリティー性はないものの、井生は内外野を守り「左キラー」としての活躍を見せました。

■前田智徳の代打に出たことがある
2007年も代打で活躍。打率.283
2008年～2010年は新井の代わりに右の外国人がいろいろやってきて井生の出番は減りました。
2011年、赤松真人が故障して一軍に昇格。
右投手の時には丸佳浩(22歳)が、左投手の時は井生(31歳)がスタメンを張りました。
前田智徳(40歳)は代打男として頑張っていましたが、2010年頃から左投手の外のスライダーにバットが届かなくなっていました。
特に巨人の山口鉄也には完全に押さえ込まれていました。
今では調べようがないのですが、ほとんど打率.000じゃないでしょうか、この頃の山口vs前田。
ほぼ空振り三振。外のスライダー。

で、夏場のある試合でカープは代打の切り札前田智徳を打席に送る。
すると中日の落合監督は変則左腕の小林正人を投入。
すると2年目の野村謙二郎監督もベンチを出る。

「代打、井生崇光！」

これ、1度や2度ではありません。
前田智徳へ代打・井生崇光、何度かあります。
小窪哲也も前田の代打に出たことがなかったか・・・
とにかく前田智徳に代打を送ったのはノムケンが初めてだと思います。
んで、その時の代打は井生崇光だったのです。