最近、クローザーの中﨑翔太がチョコチョコ失点を繰り返しております。
ま、結論を言えば「クローザー中崎は動かしちゃダメ」なんですけども。
ちょっとデータを見てみましょう。
7月31日までの中崎 40試合39回 被安打36 防御率2.31
8月1日以降の中崎 7試合 7回 被安打13 防御率7.71
苦戦しています。8月は三者凡退ゼロ。
ずーっと前から言いたかったのですが、
「中崎は血行障害→夏場に調子が上がる」
という話は真っ赤な嘘ですからね。
ザキは2013年のオフに血行障害の手術をしました。右手の人差し指と中指です。
しかしその後の大活躍はご存知の通り。津田恒美のように血行障害から復活、リリーフ投手として台頭していきます。
そもそも春のオープン戦から中﨑だけは半袖シャツで投げているんです。
他の投手はみんな長袖なのに。
また想像で妄想ですが、ザキの血行障害はもう完治していると思っています。
本題。
8月の中崎が打たれている理由はやはり「勤続疲労」なのではないか。
2015年、ヒースに代わってクローザーに定着。そこから毎年60試合登板。
やっぱりね、疲れる時期ですよ。
ちょっとまた見づらい表を作成してみました。
往年の名クローザーの年度別・成績比較シートです。
これほどの名投手たちでも、リリーフで5年以上連続してベストパフォーマンスを維持することはできていません。
※参考記録
佐々木主浩 | 高津臣吾 | 岩瀬仁紀 | 藤川球児 | 中崎翔太 | |||||||||||
登板 | セーブ | 防御率 | 登板 | セーブ | 防御率 | 登板 | セーブ | 防御率 | 登板 | セーブ | 防御率 | 登板 | セーブ | 防御率 | |
1989 | |||||||||||||||
1990 | 16 | 2 | 5.85 | ||||||||||||
1991 | 58 | 17 | 2.00 | 13 | 0 | 4.23 | |||||||||
1992 | 53 | 21 | 2.46 | 23 | 0 | 4.68 | |||||||||
1993 | 38 | 20 | 3.27 | 56 | 20 | 2.30 | |||||||||
1994 | 31 | 10 | 2.15 | 47 | 19 | 2.86 | |||||||||
1995 | 47 | 32 | 1.75 | 39 | 28 | 2.61 | |||||||||
1996 | 39 | 25 | 2.90 | 39 | 21 | 3.24 | |||||||||
1997 | 49 | 38 | 0.90 | 51 | 7 | 2.04 | |||||||||
1998 | 51 | 45 | 0.64 | 42 | 3 | 5.56 | |||||||||
1999 | 23 | 19 | 1.93 | 40 | 30 | 2.18 | 65 | 1 | 1.57 | ||||||
2000 | 63 | 37 | 3.16 | 35 | 29 | 2.08 | 58 | 1 | 1.90 | 19 | 0 | 4.76 | |||
2001 | 69 | 45 | 3.24 | 52 | 37 | 2.61 | 61 | 0 | 3.30 | 0 | 0 | ||||
2002 | 61 | 37 | 2.52 | 44 | 32 | 3.89 | 52 | 0 | 1.06 | 12 | 0 | 3.71 | |||
2003 | 35 | 10 | 4.05 | 44 | 34 | 3.00 | 58 | 4 | 1.41 | 17 | 0 | 3.38 | |||
2004 | 25 | 19 | 3.18 | 59 | 19 | 2.31 | 60 | 22 | 2.80 | 26 | 0 | 2.61 | |||
2005 | 9 | 4 | 9.00 | 40 | 8 | 5.20 | 60 | 46 | 1.88 | 80 | 1 | 1.36 | |||
2006 | 48 | 13 | 2.74 | 56 | 40 | 1.30 | 63 | 17 | 0.68 | ||||||
2007 | 25 | 13 | 6.17 | 61 | 43 | 2.44 | 71 | 46 | 1.63 | ||||||
2008 | 18 | 8 | 0.86 | 51 | 36 | 2.94 | 63 | 38 | 0.67 | ||||||
2009 | 0 | 0 | 54 | 41 | 2.12 | 49 | 25 | 1.25 | |||||||
2010 | 40 | 26 | 1.88 | 54 | 42 | 2.25 | 58 | 28 | 2.01 | ||||||
2011 | 56 | 37 | 1.48 | 56 | 41 | 1.24 | |||||||||
2012 | 54 | 33 | 2.29 | 48 | 24 | 1.32 | 12 | 0 | 2.57 | ||||||
2013 | 55 | 36 | 1.86 | 12 | 2 | 5.25 | 17 | 0 | 5.82 | ||||||
2014 | 34 | 20 | 3.52 | 15 | 0 | 4.85 | 32 | 1 | 3.92 | ||||||
2015 | 0 | 0 | 2 | 0 | 16.20 | 69 | 29 | 2.34 | |||||||
2016 | 15 | 0 | 6.10 | 43 | 3 | 4.60 | 61 | 34 | 1.32 | ||||||
2017 | 50 | 2 | 4.79 | 52 | 0 | 2.22 | 59 | 10 | 1.40 | ||||||
2018 | 47 | 26 | 3.13 |
クローザーに限らず「リリーフ投手」という仕事は激務ですから、5年連続でベストパフォーマンスを続けることは非常に難しい。
2005~2009年の藤川球児(24~28歳)は凄かった。ノーアウト満塁で出てきて三者三振とか。
藤川のストレートは津田より凄い!と思って見ていました。
それでも藤川以上に「21世紀・最も安定しているリリーフ投手」は中日の岩瀬仁紀でしょう。
岩瀬仁紀。
実は入団当初はセットアッパーでした。
1999年から2003年までの「最初の5年間」で岩瀬は300試合近く登板してわずか6セーブ。
NPB史上最多の400セーブを誇る岩瀬がもし1年目からクローザーだったらこれが600くらいになっていたかもしれません。MLB記録はマリアノ=リベラの652。
ホールドポイントは2005年から採用されており、それ以前のホールド数は公式記録に含まれません。
なので岩瀬の通算ホールドはわずか81。
もし岩瀬の「最初の5年間」のホールド数を数えたらおそらく150以上あると思います。これが記録上ではゼロとみなされています。
岩瀬が大きな故障もなく、こんなにも長期間リリーフで活躍できているのは「負担の少ない投球フォーム」に理由があると思います。
力投型の藤川もよく頑張りましたよ。今も故障から復活して頑張っています。
しかし彼も30歳あたりからはフォークボールも使い始めました。
やはり全力投球型は短命になりがちです。
佐々木主浩も徐々に力感のないフォームへと改造し長い間活躍できました。
中﨑翔太もかつてはmax156kmの力投型でしたが、一軍に長い間いるために徐々にツーシームやスライダーで肩肘への負担を減らす投法へ「進化」していきました。
・・・とはいえ、毎日準備するリリーフはたいへんです。
岩瀬は例外。
藤川も高津も佐々木もやはり4~5年に1度は成績が落ちるシーズンがあります。
私は「それも当然」だと思いますし、「それでいい」と思います。
2018年のクローザーはザキです。最後まで行く。日本シリーズの第7戦の9回もザキ。
ただし来年はオプションを用意しなくてはいけないと思います。
フラちゃんももちろん候補の一人ですが、フラちゃんは「一番ピンチな場面」で使いたいです。
セットアッパーというか「火消し」の仕事がフランスアにふさわしい。
2019年も基本はクローザー・ザキです。
しかしザキがこけた時のことも考えないといけない。
2017年のように猛でもいいですよ。
しかしただの配置転換だけだと「じゃあ猛の7回は誰がいくの?」となるわけです。
7回中崎、8回フラ、9回猛も選択肢の一つ。
ジャクソンが来年カープにいるかどうかわかりません。
へルウェグは未知数。たぶんいないかな・・・
藤井皓哉に大いに期待したが今季は芽が出ず。アドゥワは将来先発でしょう。
一岡、中田はブルペンを助ける存在。最初から勝ちパターンに組み込みたくありません。
二軍で活躍している平岡、ケムナが来年出てきてほしいな。
藤井皓哉も含めた強化指定選手ですよ。セットアッパー候補。
ザキに何かあってから新外国人を連れてくるのではなく、来季の勤続疲労を想定して今から「ザキや猛が故障した時の代替プラン」を用意しておきたいです。
現有戦力ならば先に述べた右腕3人。俺は早く藤井皓哉が見たいんじゃあ!
20歳の長井良太ももちろん候補ですね。