ついに丸の出塁率が5割を切ってしまいました。
一昨日の5タコ(1打点)で出塁率は.498(1位)。打率も.330(2位)へ急降下。
今季もよくやってくれていますね。さすが昨季のMVP男で今季のFA男です。笑
1ヶ月近い離脱がありながら四球62個はセリーグ1位。
本塁打17本(3位)、打点40点(10位)、盗塁7個(12位)。
OPS1.158も当然1位。今年はホームランが多いため長打率.660もダントツ1位。
率系は堂々の1位。
数系は1ヶ月のブランクが響き10位前後といったところ。
シーズン出塁率5割越えはNPBでは王貞治が2回だけ記録しています。(非公認記録)
メジャーリーグではバリー=ボンズが3回。うち1回は.609(!) なんとも化け物じみた記録であります。笑
昨年打率4割でリタイアしたF近藤健介の出塁率は.537でした。今季もここまで.457。さすがです。
丸は毎年打撃フォームを変えています。
それもマイナーチェンジでなくフルモデルチェンジ。
本人曰く「打撃フォームを変えている訳ではない。良くしているんです」とのこと。
格好いいです。イチローみたい。
丸はなんでこんなに打てる打者になったんでしょうか?
以下、素人が考察してみます。
私は単なる草野球選手で指導者ではありません。立派な技術論などありません。
なんで丸が出塁率5割で長打率1位の打撃ができるのかを素人目線で考察しました。
試合を見ていてぼやっと感じたことを書きます。
長文の割に内容は薄いですよ。どうか暖かい目でご覧ください。
■丸のスペック
プロ11年目の29歳。年俸2億1,000万円。球団最高年俸(日本人)。
師匠は前田智徳と新井宏昌。3連覇カープのど真ん中にいる中心選手。
メモ魔。千葉経大附属高校時代の恩師・松本監督の教え。
プレースタイルは3割20本100打点20盗塁のイメージ。理想的3番打者。
守備位置はセンター。5年連続GG賞。
四球の多さに定評があるが、いまだに空振り三振も結構多い。どちらも年間約100個。
■打席での構え方
2018年の丸の「構え」は30年前に私が教え込まれた基本動作に徹底的に「逆行」しています。
極端なオープンスタンス、バットを寝かす、ヒッチする、始動の時にグリップが下がる等々。
昭和時代に「絶対やるな!」と言われたことばかり。苦笑
丸の構えは決してカッコよくありません。
しかし考えてみれば構えなんて打球の行方とは何の関係もないのです。
昭和の時代には「こう構えなさい!」と指導されていましたが、今ではトップを作る前の動作(=構え)は自由に変えていいという考え方に変わってきています。本人のリズムや、リラックスできる構えが重要なようです。
ヤクルトの八重樫しかり、横浜の種田しかり、トップを作った後のバットスイングはやはり美しいものでした。
■丸のスイング軌道
スイングは綺麗なレベルスイングです。
私は丸が四球を選べて出塁率を残せる秘密は「スイング軌道」にあると思います。
スイング軌道がレベルだと、ボールをミートできるポイントが増えます。
前で打てばライト、後ろで打てばレフトです。
極端に言えば昔の野球盤。
平面を転がってくるボールを寝かせたバットで打つイメージ。
バントなら絶対空振りしない。
イチローがこのイメージでヒットを量産しました。
彼はボールに対してレベルに打つことでいくつもミートポイントを持ちたいと発言しています。
■スイングスピードとヘッドの角度
シュッと「すがるく」バットを振るのが丸の流儀。
素早く軽くで「すがるく」だそうです。
H柳田やL森友哉のスイングスピードは時速160kmと言われております。NPBの平均は140kmくらい。
この二人ほどじゃないですが丸も速いほうです。150km以上出てます。推測
丸は
高めのボールならボールの上を叩く。
低めのボールならボールの下を叩く。ライナーを打つためです。
ここまでは普通です。
丸が普通じゃないのは
外角の球ならボールの外側を流し打ち、
内角の球ならボールの内側を引っ張ること。
普通は外角ならボールの内側、内角ならボールの外側を打ちます。
しかし丸は逆なんです。→未確認。私のイメージ。
この打ち方の長所は打球がファールにならない点。
ただしインコースを通常より引きつけて打ち、アウトコースを通常より前でさばかないといけないので難しい打ち方です。
■丸の体重移動
両足にバランスよく体重が乗り、前にも後ろに偏りません。
俊足タイプの選手は前足に体重移動をさせつつ打ちます。速く一塁に行きたいからです。
松井秀喜やG阿部慎之助は完全に後ろ体重。ホームラン打者の打ち方。
丸はどちらでもありません。バランス型。ちなみに野間も。
■丸の打ったゾーン
データで楽しむプロ野球様より
<1>2018年・丸の投球コース別打率
(濃いグレー地がストライクゾーン)
1-0 .000 0本 1三振 |
2-1 .500 0本 0三振 |
2-0 .000 0本 0三振 |
2-0 .000 0本 1三振 |
--- |
1-0 .000 0本 1三振 |
17-7 .412 2本 4三振 |
12-5 .417 2本 2三振 |
13-4 .308 1本 4三振 |
1-1 1.000 0本 0三振 |
1-1 1.000 1本 0三振 |
16-3 .188 1本 6三振 |
18-7 .389 2本 1三振 |
31-17 .548 5本 4三振 |
4-0 .000 0本 3三振 |
--- | 8-1 .125 0本 0三振 |
18-4 .222 2本 2三振 |
22-10 .455 1本 4三振 |
5-0 .000 0本 1三振 |
1-0 .000 0本 1三振 |
2-0 .000 0本 1三振 |
4-1 .250 0本 2三振 |
5-0 .000 0本 4三振 |
2-0 .000 0本 2三振 |
<2>2018年丸の打球方向別打率
この2つのデータから読み取れることは2つ。
1つ目インハイからアウトローへの「対角線」にめちゃくちゃ強いという点。
さらに「対角線から高めのゾーン」もきっちり打ってます。
やはりレベルスイングで「すがるく」振りながら対応している姿が浮かんできますね。イメージ通り。
インローはどうしても体に近いため、レベルスイングの軌道を維持しにくいのでしょうか。このコースをレベルで振れる打者はいません。もしそんな打者がいたとしたら他のコースが打てなくなるのでそれは間違いということになると思います。インローはどうしてもアッパー気味になります。
そして右投手が左打者のインローに投げる変化球。これは右投手が右打者に対して投げるアウトローにあたるため、ほぼ全てのプロの投手はこのコースに投げ込む「ウィニングショット」を持っています。全ての打者がこのコースを他のコースより打てないのは自然の摂理でもあります。
2つ目
丸は「甘い球をセンターからライトに打ち、外角の厳しい球はレフト方向に打っているのではないか」ということも想像できます。
<2>の表からヒットの本数は引っ張り方向が多いんですが、打球の飛んだ方向は流し打った方向に多いです。
もちろん初球から流し打ったり、2ストライクから強振して引っ張ることもありますが、基本は追い込まれたらボールをよく見極めてセンターから左方向へ打っていくはずです。
■まとめていきますよ
丸が早いカウントから打った時は打率が5割超。
4球目以降を打った時は.250くらいに下がるんですが、今季も丸は早打ちが少ないです。四球が多い。
昨年までの丸は三振とセカンドゴロのアウトが多いイメージでしたがが、今季はきわどいコースをギリギリまで見てレフトへ打球を打っているのではないでしょうか。
それを可能にするのがレベルスイングにあるのではないか?
レフト方向への打率こそ低いものの、打球の数がライト方向の倍以上で、ホームランの数はライト方向と同じであります。
実は2017年から丸はこの打ち方です。MVP打法。
詳しい方は丸の成績を去年と今年とじっくり見比べてください。
あまり大きな違いは見られません。昨年の出塁率は.398で今季は.498ですが、内野ゴロのペースも三振のペースも変わりません。
強いていえば初球打ちが減って、ライト方向への当たりがやや減っていることくらい。
初球打ちの打率は昨年も5割。しかしこれが四球に変われば出塁率は10割です。
この辺で昨年より若干(!)出塁率が上がっているのではないか。
そして昨年より若干レフトへの本塁打が増えているのではないか。
タナキクの調子が悪く、前にランナーがいないので丸はより「出塁」を重視しているのではないか・・・なんてのは妄想でしょうか。
■結論 なぜ丸は打てるのか?
丸が早いカウントから打てば打球はライト方向へ。
遅いカウントから打てばレフト方向か空振り三振。見逃せばフォアボール。
綺麗なレベルスイングと、良いヘッドの角度が出塁率5割の丸の打撃を支えている。
去年よりさらに「左本」が増えた理由はタナキクが不調だから。決める打撃でなく出塁を意識しているのだ。
昨年も3割20本約100打点でセリーグMVPを獲得した丸。
実は開幕前のWBCでメンバーから落選しています。タナキクは出場。
今年も1ヶ月リタイアしてオールスター落選か!?みたいな状況。
落選した丸はその後、大活躍します。笑
緒方監督、丸を休ませてくれ!!
以上です。長々おつきあいくださりありがとうございました。
おしまい!!