2025.9.10(木)
巨人 2-3 広島 東京D
連敗ストップ。借金13。残り15試合。
高太一がスゴイ。勝ち星付けてあげたかったね。
坂倉のリードも見事でしたが、高が「本調子でない中でも、その日使えるタマを見つけて、そのタマでイニングを稼ぐ投球」を見せたことに私は感動しました。ベテランかよ。
ピッチングの話
高太一。6回2失点。101球。
高は7回裏も全然行けたんですけど、101球で交代。
新井のこういう「優しさ」が私は好きですよ。高はまだルーキーみたいなものだからね。
7回表は高に打席が回らない。
7回裏の巨人は8番から。
高太一のリズムは乗りに乗りって最高潮。
こういう雰囲気で野村謙二郎や私のようなお調子者は高太一を引っ張りたがる。
だがね、チームの順位はもはや決定していて消化試合。
高が失点するまで高に試合を任せてもいいんだけど、高のコンディションと高の「自信」のためにも「お腹八分目」ぐらいで高を降ろした方がおそらく高のためになる。
7回表2対2。巨人の方が先に山崎伊織を降ろした。
そりゃ山崎も100球超えて不調で中5日登板でしたけど、最多勝を争ってるピッチャーを先に降ろすかね?
若い高なら文句言えませんが、私が山崎伊織なら文句言いますね。あと1イニング投げたいとね。
山崎も立ち上がりは不安定でした。変化球が全部決まらない。
岸田も懸命のリードを見せる。フォークを5球続けたり、シュートを4球続けたり、荒療治も見せた、
だが伊織は立ち直れない。暴投でカープに同点を許す。
5回表2対2。山崎は先頭打者の小園をショートフライに打ち取り笑顔でガッツポーズしました。
私は先頭打者を打ち取ったぐらいでガッツポーズを見せた先発投手を知らない。
小園が泉口と首位打者を争っていて、昨日3安打、この日2安打してました。
山崎のガッツポーズは泉口のためだったかもしれないし、4回までなかなか「ピッチング」をできてなかった自分自身への怒りかもしれない。キャッチャー岸田への感謝かもしれない。
昨日の山崎は本来の山崎ではなかった。私は5点取ってKOできると思ってました。
4回表1死12塁で中村奨成が一飛。
一飛の前の6球目がカウント3-2からのド真ん中スライダーでした。奨成このタマをファール。
ここでスリーラン打たないと、打率.300打てないぜ、中村奨成。
山崎伊織も勝負所で外角低めを狙ったスライダーが真ん中に抜けました。
人間だからそういうこともありますが、とにかく昨日の山崎は「ピッチング」を全くできていませんでした。ただストライクゾーンに投げてるだけでした。
高も立ち上がりはフォークが抜けて、苦しんでました。
高く抜けた変化球をポコポコ打たれて2失点。
ローテーション投手でもここからピッチングを立て直すことは非常に難しい。山崎伊織でもなかなか立ち直れませんでした。
しかし高太一はチェンジアップとツーシームに活路を見出し、見事に立ち直りました。
坂倉も岸田のような極端な配球を得意とするキャッチャーですが、昨日はその手を使わず右打者の内角を上手に攻めました。
昨日の高の「軸になるボール」は「クロスファイアのストレート」でした。
坂倉はこれをうまく使った。連投はあまりしませんでしたが、初球のカウント球で上手に使いました。
高の代名詞がこのボールなので、苦しい時は決め球に使いたくなりますが、坂倉は見せ球&カウント球で使いました。さすがのリードですよ。
カウントがストライク先行になることが高の持ち味。
私は高太一をナメていました。球速も大したことないし、変化球もゆっくりめ。
だが高太一は「ピッチング」をしています。
怖いもの知らずなだけかもしれませんが、同点の東京ドームで岡本やリチャードの内角へズバズバ突っ込めるのはアホかエースかどちらかです。
私は高の登板を5試合か6試合見てますが、高は「ピッチング」のできる子ですね。
まだ無邪気さとかアホっぽさも感じますが、ここまでは結果を残しています。
高はピッチングをしている。ピッチングというのは相手打者の観察とか、走者の牽制とか、相手投手の状態観察とか、そういうのを見て「自分のペース配分を調節すること」です。
近頃は「ギアを上げる」なんてよく言いますが、それだけではまだお子ちゃまレベルです。坂倉は山崎伊織の調子まで見て、高をリードしたと思いますよ。
黒田博樹のシュート論
すみません。もう1個長くなる話をします。それは黒田のピッチング論です。
昨日の解説は黒田博樹でした。
前日が江川とノムケンのダブル解説だったのに、この日の日テレは黒田一人。
「間が持つかな?」
と心配でしたが、案外黒田は饒舌でした。
無口な黒田がなぜ饒舌だったかというと、高と山崎がそれぞれ異なる「立ち直り方」を見せたからです。この話はエース黒田が最も得意な話題です。
黒田は高に対して「コントロールと思い切りがいい」とホメていました。黒田は一応カープの巡回コーチでもあるので、全国放送であまり高の武器をホメない方がいい。隠しとけ。
昨日の黒田が饒舌だった最大の理由は、巨人の山崎がシュートを駆使してセリーグの防御率と最多勝のタイトルを争っているからです。
山崎伊織の投球スタイルが、現役時代の黒田博樹に全くかぶる。
MLBで身に着けたシュートとシンカー。山崎伊織はまだバックドアとフロントドアを持ってないけど、15勝した時の黒田にはよく似てる。
その山崎伊織が最多勝狙いのため、中5日でカープ戦に登板。
立ちあがりの調子は良さそうに見えました。
球威制球は抑え気味でしたが、そりゃ走者が出るまでは抑え気味に投げるだろ。1回表は小園のソロ以外三者凡退。2回表も順調。
ここら辺までは私も黒田も抑え気味でした。山崎はまだまだ切り札やギアを残していると思ってました。
3回表に異変が出ます。
1死から奨成ヒット、大盛ヒット。1死12塁。
ここで山崎は小園にいいピッチングを見せます。
私と黒田は「小園が打っても点はまだ入らない」と思いながら見てました。山崎伊織が外角を丁寧に突いていたからです。
私と黒田は「やはり山崎伊織は間違わない。さすがだ」と思いました。小園レフト前。1死満塁。
4回表1対2、1死満塁、打者ファビアン、投手山崎。
私は
「ここでファビアンはシュートをゲッツーか、ストレートに差さされて内野フライだろう。ゲッツー崩れで1点取れればラッキーだ」
と思って見てました。
初球外角カットでワンストライク。2球目はいよいよ内角シュート。
これがなんとホームベースに当たるワイルドピッチ。これはキャッチャーも捕れない。
カープ同点。1死23塁なのでファビアンのゲッツーも消えた。
「さては今日の山崎はシュート投げられないな」
ファビアンはボールからボールになるスライダーをアホ振りしてカウント2-2。山崎を助ける。
5球目はスライダーを続けるのかと思いましたが、ストレートをストライクゾーンに投げてきました。おいおい、事故の起こるリードだぞ。
ファビアン遊ゴロ2死23塁。
「どうした山崎?今日の山崎なら前川でも打てるぞ。5点取れるぞ」
坂倉は敬遠で2死満塁。
山崎はキクの打席でも制球を乱すが、キクが2球ボール球を振って山崎を助ける。スリーアウトチェンジ。
山崎はこの調子で4回も1死12塁のピンチを招く。
奨成が甘いタマをファールして、厳しい球を一飛。アホやのう奨成。今日負けたらお前の責任だぞ。私は中村奨成に小園級の期待をしている。
黒田が饒舌になったのもこの3~5回でした。
黒田が一番たくさん口にした言葉は
「先発投手は調子が悪い時こそ、どういうピッチングをするかで値打ちが決まる」
みたいな話でした。
この話、現役時代の黒田が毎日語ってた話です。懐かしい。久々に聞いたぜ。
昨日の黒田は「理想は完投」「内角の使い方」の話も何度かしましたが、一番たくさん話したのは
「自分の調子が悪い時にも勝てないとダメよ」
という話。たぶん高も何度も聞かされてるんだろうねえ…
黒田のシュート論も面白かった。
高にはあまり言いませんでしたが、山崎に向かっては
「もっと右打者にシュートを投げなさい」
「シュートは低めより高めに投げなさい」
「シュートが決まればてめえがラクになる」
など、ちょっぴり意訳もしてますが、黒田はだいたいこういう話をしてました。
黒田の野球観は面白かった。今の若い子はどれだけ「ピッチング」を意識してるのかね?
回転数や角度も大切ですが、私と黒田と坂倉は相手打者の反応と相手投手の出来を強く意識している。昨日は久々にそういう野球が見られて楽しかった。
ヒーローインタビューは決勝ホームランの中村奨成。
コイツ、いい年こいて、まだまだアホだ。
20歳の前田智徳なら恥ずかしくて出てこれないぞ。
本日のゲームプラン
森 vs 柳。
今週は敬老の日があるので7連戦。中日と2連戦してヤクルトと2連戦。
マツダスタジアムで試合ができるってところに救いがあります。降水確率高めですが雨天中止になるほどではないだろう。
カープは森→常廣→アドゥワ→森下or床田か? 4試合目の先発が読めん。
昨日、シュートピッチャーの山崎伊織に対して、新井はモンテロと末包を外し、大盛と前川を起用しました。
佐々木泰も1安打しましたが、私は佐々木泰も休ませていいと思う。柳もゴロピッチャーで難敵だから。
二俣と羽月も使いたい。佐々木泰も育てたいが、聖域ではなくてよい。
モンテロと末包も柳や山崎みたいなタイプに弱いが、だとしても使わないと育たない。
難しいの。昨日もカープは9安打して3点。ソロ2本と相手の暴投で3点。
アホっぽいよね。ヒット打つだけの野球はね。