どこへ行くシリーズも残り数回です。
行き先が明確な人、例えば森浦大輔とか塹江敦哉はやらない。もし二人が先発転向するとしてもやることは特に変わらないから。
あと生き残ることに必死な選手もやらない。宇草とケンティーはやらない。がけっぷち組。
どこへ行くシリーズは「どうにかしてレギュラーの座を掴めないかな?」という選手を取り上げてきました。
大盛や持丸が一軍スタメンで出ることはなかなか厳しいですが「一軍ベンチに定着すること」は十分できます。どこへ行くシリーズでは広輔や松山のような「貴重な控えメンバー」もレギュラー扱いをします。
高橋昂也はどこへ行く?
そういう意味では高橋昂也(25)は2024年のがけっぷち組の最前線にいると言えましょう。
要するに高橋昂也が「今年でクビになりそうな選手ランキング第1位」ってこと。
昨年のドラフトで大学生投手を4人獲得しました。新外国人のテイラー=ハーン(29)は最速160km左腕で先発リリーフどちらもできるって触れ込み。
ハーンはともかく即戦力投手を4人も獲るってことは、ハッキリ言ってカープのフロントが「高橋昂也を見限った」という意味なんですよ。誰が何と言おうと間違いないことなんですよ。ごめんなさいね、今年も正直で。
2023年のドラフトで大学生投手を4人指名したカープですが、2022年には社会人投手3人、2021年も大社3人、2020年も大社3人指名しています。
カープは4年間で合計13人もの即戦力投手を指名したのです。これってズバリ「高橋昂也と遠藤淳志はもうダメだ」って言ってるようなものなのですよ。
「そんなことはない。純粋に競争させて育てるためだ」
とおっしゃる方は甘いですね。
巨人がアホなFA乱獲をやっていた時も「競争させるためだ」とか言って、若い選手をポイ捨ててました。
内海哲也や長野久義までポイ捨て。西武に頭を下げたソフトバンクの方がまだ偉い。
何度も言ってますが、私は即戦力選手をかき集めて若手の育成を放棄する球団が大キライなんですよ。
カープが常廣羽也斗や髙太一ばかり起用して小林樹斗や玉村昇悟をポイ捨てるようだと、さすがの私もカープファンを辞めますよ。
20世紀のカープは若い選手をクビにすることが少なかったと思います。高卒選手は10年待ったし、大卒選手は30歳まで待ちました。
21世紀になると若い選手をクビにすることが増えました。多田大輔、長井良太、青木陸、鈴木寛人は20~21歳でクビ。
背景にはおそらくFA制度があるんだと思います。チームの主力選手が突然流出するリスクがあるため、抱えられる若手選手の数はどうしても昔より少なくなります。昔より新陳代謝の速度を上げないといけないからです。
そのための育成制度なんですが、お金のないカープはそれも厳しい。この話は長くなるのでまた別の機会に。
とにかく高橋昂也には後がない。2024年シーズンががけっぷちで土俵際。瀬戸際。背水。
昂也君がトミージョンをやったのが2019年2月。もうすぐ5年。
2021年に15試合先発して5勝7敗をマークしていますから左肘は治っていると思いたい。
だが2022年と2023年は一軍登板ゼロ。二軍でも防御率8点台。
別な箇所をケガしているのなら2024年シーズンで現役引退もあり得る。あの高橋昂也がここまで追い詰められている。常廣が10勝すれば高橋昂也は完全にヤバいです。
常廣もことも全力応援しますけど、高橋昂也も心配なんですよ。
高橋昂也の最大の武器はコントロールだと思っています。右打者のインロー、左打者のアウトローにクロスファイヤーを投げ込めるのが昂也君の最大の武器。
本人がカットボールと呼んでるタマも大瀬良式カットボール。完全にスライダー。
スライダーとフォークも右打者の外角に投げて、ストレートを内角に投げるのが花咲徳栄2年時の昂也君でした。
故障してないなら一軍でもうちょっと活躍できると思います。一軍の層はかなり厚いけど・・・
左のリリーフはターリーが抜けたので空席です。第一候補がハーン。第二候補が塹江敦哉。続くのが高太一と高橋昂也か。
森浦大輔は左に弱く右に強いチェンジアッパー。左のワンポイントというポジションのライバルにはならない。戸根もタイプが違う。
高橋昂也が今季の一軍ローテ争いに参加することはたいへん厳しいと思います。
4本柱に常廣ハッチで既に6人。続くのが森翔平、遠藤、玉村、コルニエル、黒原、ノムスケ。かなり強烈なメンバーです。
よって昂也君の狙うターゲットはまず一軍の敗戦処理&左のリリーフ。
できなければ1年後にクビか引退。現役ドラフトで済めば「ありがたい」って感じ。
同級生の坂倉将吾が一軍でも昂也君を引っ張ってくれると思いたい。
松本竜也はどこへ行く?
さて即戦力ルーキーとして入団した13人のうちの一人が松本竜也。3年目。24歳。中村奨成や遠藤淳志とタメ。
彼、1年目には50試合登板を果たしています。年俸も770万→1600万へジャンプアップ。
2年目の2023年も滑り出しは上々でした。オープン戦で私に絶賛され、実際に開幕直後は離脱した矢崎拓也の代わりにセットアッパーをやってました。
4月終了時点で松本竜也の成績は9試合、0勝1敗8H、防御率1.13でした。スゲえだろ。
ところが5月に入ると暗転します。
5月4日のDeNA戦で同点の9回裏に登板。先頭の宮崎敏郎にサヨナラHR被弾。
5月5日の阪神戦は5点リードの9回表を無失点。セーブホールドはナシ。
5月11日の中日戦は延長11回裏3対2で登板し無失点。セーブを挙げる。0勝2敗1S。
5月13日の巨人戦で2点リードの12回裏に登板。3四球を出して3失点。逆転サヨナラ負け。0勝3敗1S。防御率4.35
5月15日に登録抹消。私は当時流行していた「積極的休養」だと思ってました。10日間で帰ってくると思ってた。
しかし松竜は二度と一軍に昇格することはありませんでした。
なんで?
そんなに悪い成績ちゃうやん?
カープは4月上旬に矢崎が不在で、5月1日には栗林が抹消されました。
この状況で中継ぎ陣を支えてくれたのが松竜でした。
5月13日の巨人戦は確かに「らしく」ありませんでした。松竜にしては四球が多かったしタマも高かった。
だけどそんなことはピッチャーやってりゃ誰にでもあること。なぜ一軍再昇格が見送られたのか私には全くわかりません。
5月以降の松竜は二軍でも出るたびに打たれていて、二軍成績も23試合、防御率4.56でシーズン終了。
こんな投手じゃないんですよ。松竜は。
顔も体型も背番号も矢崎拓也に似ているので、矢崎拓也のようなピッチングができるはずなんですよ。
だけど松竜は帰ってこなかった。
こういう選手が昨年のカープにはもう一人いました。
なんで抹消されたのかわからない選手。
その選手の名は・・・
小園海斗です。
開幕1番でスタメンしましたが有名な19打数1安打で二軍落ち。
小園が一軍に帰ってくるのに2ヶ月半かかりました。
小園が落とされた背景について新井監督と藤井ヘッドがスポニチで熱く語っています。
もしかすると松竜の抹消も技術的な理由じゃないかもしれない。
ネットで夜遊びのことが叩かれたりしていますが、松竜本人は全否定していますから私は松竜を信じます。こんなことで調子を崩す松竜だとも思いません。
去年の抹消が単なる「2年目のジンクス」だったらいいけど、メンタルやイップスなら少し心配です。
一軍の勝ちパターンで3敗もして、相手バッターが怖くなったのかもしれない。私はそんな弱い投手じゃないと思ってますけど。
とにかく松竜の年俸は1600万→1400万にダウンしました。
松竜は島内の活躍も見てたでしょうし、年の近い坂倉と小園の活躍も見てたでしょう。
島内は7000万、小園は5400万、坂倉は1億2500万。
お金だけじゃないけど、松竜も今年は2500万以上を狙いたいところ。
松竜の武器もコントロールです。そんなに四球を出すタイプじゃありません。
メンタルもしぶとそうに見えるし、球種も案外豊富です。カーブ、スライダー、カット、フォーク。
カープの勝ちパターンは島内、矢崎、栗林。最近はここに大道温貴も混ざってきた。
ハーンもいるし、ケムナも帰ってくる。森浦も以前はここにいた。
松竜が1年間チームに帯同して50試合以上投げたいのなら、狙うべき相手は1個年上の大道温貴じゃないですかねえ。
大道に勝てば松竜が勝ちパターン。
去年の4月も先発投手が5回で降りたら、6回松竜→7回島内→8回矢崎→9回栗林がカープの勝ちパターンだったんですよ。今年もやれると思います。大道も負けるな。