2022.11.6(日)
ヒューストン 4-1 フィラデルフィア ヒューストン
アメリカメジャーリーグのワールドシリーズが終了。4勝2敗でヒューストンが世界一の座に輝きました。
ワールドシリーズMVPは25歳のペーニャ内野手でした。
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ジェレミー=ペーニャ内野手
ペーニャは今年がメジャー1年目のショートの選手。さっきも言ったけど年齢は25歳。右投げ右打ち。
レギュラーシーズンの成績は136試合に出場して打率.253、22本塁打、11盗塁、135三振、19失策。今季年俸は70万ドル。約8400万円。
チームトップのアルトゥーベ選手の年俸は42億円。エース・バーランダーは36億円。
そこに混ざってMVPを取ったのが7000万円のペーニャ。国籍ドミニカ。
なんだか浩二衣笠の間に混ざって日本シリーズMVPを取った22歳の高橋慶彦のようじゃありませんか。
今後の活躍が楽しみです。
鈴木誠也外野手
さてペーニャと同じくメジャー1年目を過ごした鈴木誠也。
誠也の今季年俸はおよそ8億円。誠也は昨年カブスと「5年100億円」の複数年契約を結んでおり、3年目以降は年俸20億円超となります。
この大型契約によってカープ球団が得た譲渡金は17億円と言われております。スポーツ報知
この金額はカープが誠也に9年間支払った総年俸をはるかに凌ぐ金額です。
そんな鈴木誠也の今季成績は111試合に出場して打率.262、14本塁打、46打点、9盗塁。自慢の出塁率も.336。
どの成績もチーム5番目あたりで、今年の誠也をカープの選手で例えると小園海斗か野間峻祥あたりの位置づけでした。
たぶん誠也は怒っている
私はメジャーリーグに詳しくないのですが、鈴木誠也のことにはかなり詳しいです。
誠也のことだから1年目の自分自身にかなりご立腹だと思います。
どこに怒っているかと言うと、数字や成績ではなく1年間フル出場できなかったことについて怒ってると思います。
奥さんの出産で一時帰国したことに誠也は怒っていません。
5月のケガで1ヶ月チームを離れたことに怒っていると思います。
誠也の怒りはこれだけでは収まりません。
シーズン終盤の8月、誠也はチームのクリーンアップを任されながらチームを勝利に導くことができませんでした。
9月になると打順2番でスタメンすることが多くなりました。チームのワイルドカード進出が絶望的となったタイミングで出産のため一時帰国。
10日ぶりに復帰した後は打率2割と低迷しました。10日も休んじゃうと感覚を戻すのが難しいですね。
松井秀喜と大谷翔平
私が知っている鈴木誠也という人間はチームの勝利にしか興味がないと思うんです。
先月、大谷翔平が球界史上初の「ダブル規定」に到達した時、大谷は記者会見でこう語りました。
「工夫すればもっといい数字を残せる」日刊スポーツ
私はこのコメントにとても違和感を持ちました。
「あれれ?大谷くんも個人記録に興味のない人間だったよね?」
もっともこの会見は「前人未踏のダブル規定到達」に関する会見であり、個人記録についての記者会見でした。だから大谷が数字の話をするのは当然なのかもしれませんが、私のイメージの大谷翔平は
「個人記録よりまずはチームの勝利優先です」
と、いかにも日本人チックなことを言うと思ってました。
イチローは「数字の鬼」でしたよね。毎年200安打を目標に、その「数字」に到達することでチームを引っ張ろうと考えるタイプ。
大谷翔平はNPB時代に「あと3イニング投げれば2年連続最優秀防御率」というシーズンがありましたが、栗山監督と話し合った上でCSに向けた調整を優先しました。つまり140イニングでシーズン終了。そのかわりCS最終戦では自己最速となる165kmをマークし胴上げ投手になりました。
日本シリーズでは広島カープを破り日本一。この年の大谷はどちらも規定未到達ながら投手としても打者としてもベストナインに輝きました。
今年、大谷の所属したアナハイムは順位争いと無関係のBクラス。首位のヒューストン=アストロズとは17ゲーム差でした。
だから大谷が個人記録にモチベーションを向けた可能性はなきにしもあらずかな、とは思います。
一方で鈴木誠也。
誠也はカープでの9年間、個人記録を語ったことが一切ありません。
私は誠也の個人記録のことをしょっちゅうブログに書いていましたが、誠也本人は記者に聞かれると、いつも面倒くさそうに答えてました。※関連記事
松井秀喜もこういうタイプでしたね。2009年のワールドシリーズMVP。
私がMVPなんかよりもっと印象深いプレーは、メジャー1年目のリーグ優勝決定戦で2塁走者の松井秀喜が見せた激走のホームインです。
この時の松井は今まで見たことないくらい飛び上がって喜んだんですよ。クールな松井があれだけ激しくガッツポーズを見せたことはたぶん初めてでしょう。松井は5打席連続敬遠されてもポーカーフェイスでしたからね。その松井のあのジャンプとガッツポーズ。チームの勝利のために体を張った松井の全力プレーに感動しました。
メジャー1年目の松井の個人成績はNPB時代と比べて地味なものでしたが、私はMLBの松井秀喜に「個人記録とチームの勝利は別物」と教えて貰ったような気持ちになりました。
NPBで50本塁打した松井もMLBでは本塁打をなかなか打たせてもらえませんでした。そこで松井は自分のできることをあれこれ考えたと思います。いわゆるそれが「アジャストする」ってこと。黒田博樹が何度も口にしたメジャーで生き残るコツ。それがアジャストです。
怒った誠也は面白い。笑
松井の激走から20年が経ちました。
2022年、完全に不完全燃焼だった鈴木誠也は間違いなく怒っていると思います。
チームもダメだったし、個人もダメだった。
だけどケガをしたり、悔しい思いをした後の鈴木誠也は面白いですよ。
2017年、試合中に足を骨折した鈴木誠也は骨折をポジティブに捉え
「ナイスケガ」
「入院しなければ人として終わってた」
「わがままボディ」
などの名言を残しました。
鈴木誠也は怒ると面白いことをやってくれるのです。笑
そう思っていると今週号のNumberでさっそく誠也が面白いことをやっていた。
満面の笑顔で
「あいつらぶっ潰す」
と語っています。※Number
ホラね。もう面白い。笑
昔どういう状況だったか忘れましたが、阪神の金本監督が3番丸を敬遠して4番誠也と勝負したことがあるんですよ。
私はこの時も、
「うわあ・・これ誠也が絶対怒ってるよ。甲子園ぶっ潰されるよ」
と思いました。
結果は満塁ホームランだけで無事に収まりました。
私は怒れる誠也なら「1打席8打点」くらいやるんじゃないかと阪神の心配までしましたよ。※参考記事
怒った誠也は何かやってくれると思います。
来年は前田健太もメジャーに帰ってきます。
マエケンはアリーグ中地区で、誠也はナリーグ中地区。
毎日対戦とは行きませんが、交流戦で対戦することはあるでしょう。
どっちを応援しようかな。楽しみだ。おっとその前に3月のWBC。四番は誠也。