西川篤夢が一軍昇格となった理由

昨日は矢野が二軍に落ちた話をしました。

今日は西川篤夢が一軍に呼ばれた理由を書きたいと思います。

 

高卒新人の「目標」

西川篤夢が一軍に呼ばれた理由は第一に

西川篤夢を育てるため

です。当然ですね。

 

第二は西川篤夢を

一軍の試合に出すため

でもあります。オープン戦じゃありませんよ。公式戦の話です。 

 

昨日新井は宮崎キャンプ最終日にこう語りました。

「西川は当初、沖縄に連れてくつもりじゃなかった」

そりゃそうですよね。私も西川の抜擢にビックラこいた。

 

ところが西川本人は

「沖縄に行きたいと強い気持ちでやってきた」

と語りました。

 

西川は沖縄切符を虎視眈々と狙っていたらしい。恐ろしいルーキーだな。

確かに狙わない目標にはなかなか手が届かないものです。

誰もが「高卒新人は開幕二軍」と先入観を持つ中で、新井と西川は開幕一軍を目指しているのか? いいじゃないの。志を高く持て。

 

オリックスのイチローはルーキーの時に「1~2年目は二軍でみっちり鍛えたい。そして3年目に200安打するぞ」と目標を定めていたそうだ。そして不言実行しました。

広島カープの小園海斗はルーキーの時に一軍で4本塁打を放つも「目の前のことに必死でした。チームの勝敗や投手の個人成績を背負うことが怖かった」と後に告白しました。※Number

 

西川篤夢が強い気持ちで沖縄に行きたいと思ったのはいつのことでしょうか?

私は紅白戦に呼ばれた後だと思いますが、ひょっとすると2月1日時点か、あるいは その前 からずっと沖縄キャンプを目指していたのかもしれません。キャンプ前から準備しとかないと、2月10日の紅白戦に抜擢されませんよ、普通。

 

西川篤夢の長所

私と新井が驚いた西川の長所は

【1】打撃の思い切り

【2】ショート守備のセンス

【3】表情と目ヂカラ

の3つです。

 

【1】は既にこのブログで書きました。

紅白戦で2打数2安打。特に柳之介のカーブを打った2安打目がポイント高いです。カウント1-1からストレートタイミングで打ちに行き、待ってカーブを拾いましたからね。

カープの一軍でこれができるのは今は小園だけです。奨成・坂倉・モンテロ・ファビアンは2ストライクならできるけど、追い込まれるまでは基本的にカウント球の変化球を打たない。

 

素人連中があれだけデータデータと言ってるわりに、初球のカウント球を打つヤツと打たないヤツのデータは一切表に出てこない。現場の選手監督はWARやOPSなんぞより、初球のカーブを打つ打たないでバッターを見ています。

勝田成はまだ1度も初球を振ってません。だから坂倉はいつもど真ん中ストレートで1ストライク稼いでるんですが、こういうとこを知ってんのかね、素人連中は?

 

とにかく、西川はカウント球の変化球を打ったことがあります。これは相手バッテリーに「おやっ?」と思わせる効果が高いです。

イチローと小園は早撃ちで有名。勝田と野間は初球を打たないことで有名。だってファビアンと小園が初球を打つもんだから、2番バッターは待たないといけないんですよ。

西川篤夢には早撃ちって感じがそこまでしません。なぜなら彼、初球ストレートのストライクを けっこう見逃すから です。

まだ4打席しか見てませんが、彼、初球の外角ストレートを2~3度見逃しました。んで高めに来れば変化球でも振ります。面白いアプローチです。球種でなくコースで張ってます。ここまでの4打席はね。

この待ち方は小園よりも野村謙二郎に近い待ち方です。オモシロいし、最近あまり見ないタイプです。有効だと思います。

 

守備も独特です。

紅白戦ではあまり打球が飛んできませんでしたが、練習では軽やかな動きでした。

足も肩も飛び抜けたAランクではありません。Bくらいです。

ただハンドリングが柔らかいところが坂本っぽい。誠也のショートはダイナミックでしたがやっぱ固かった。サインもわかってなかったし。

 

西川は2戦目でサードにも入りましたが、サード練習は不要でしょう。もったいないです。立浪和義や坂本勇人をサードで使うアホはいません。西川篤夢もショート1本でいいと思います。

ただし完成度はまだ低いですよ。試合になるとフットワークとスローイングが練習の時より固くなる。キクと小園に挟まれりゃ誰でもそうなります。試合でじゃんじゃんミスって上手くなってほしいですね。

 

西川篤夢の顔

西川篤夢の最大の長所は です。カオ。

西川篤夢の顔がいい。目ヂカラもありますし、大志 を感じます。英語で言えば「Boys be Ambitious」です。

18歳時点で、西川と同じ顔をしてたのが 鈴木誠也坂倉将吾 です。小園海斗はカワいかったし、前田智徳はコワかった。

 

西川篤夢もカワイイんですが 、表情はなんか 遠くを見てます よね。

大志とか野望とかを抱いてるヤツの顔です。大人が見りゃ。そんなのすぐにわかるんですよ。

あの顔をしているヤツは、指導者として 使ってみたくなる んですよ。遠くを見てる若者は試合に出したくなるのです。データには載っとらんよ。

 

新井も昭和の野球人ですから、何か感じるものがあったのでしょう。野球人の本能です。

西川のスイング軌道もスイングスピードも現代風ではありません。

いくら神村学園とはいえ、三重県の伊賀分校はまだ開校9年で野球部設立は6年です。大した設備もまだ揃ってないんじゃないか?

私は西川篤夢が指名されるまで、この伊賀分校の存在を知りませんでした。新井も西川に「どんな学校なん?」としきりに尋ねていたほどでした。

 

西川は純粋でおぼこいだけなのかもしれませんが、インタビューの受け答えが壮大で面白い。一軍に残るとか、ヒットを打つとか、打球が飛んでこなくて悔しかったとか。言うことがオモシロい。目ヂカラがあって、大志を感じます。

 

主な高卒新人野手

ここからは球界のトリビアです。別に知らなくてもいい話です。

1980年以降、高卒新人で「開幕スタメン」した選手は何人いるでしょうか? ちなみに清原和博はやってません。

 

正解は…

 

 

6人 です。

1988 立浪和義 PL学園 中日 2番 遊撃
2006 炭谷銀仁朗 平安 西武 8番 捕手
2011 後藤駿太 前橋商 オリックス 9番 右翼
2013 大谷翔平 花巻東 日本ハム 8番 右翼
2019 藤原恭大 大阪桐蔭 ロッテ 1番 中堅
2022 松川虎生 市和歌山 ロッテ 8番 捕手

立浪スタメンにはかなり驚いた。20数年ぶりの高卒新人スタメンだったそうです。

立浪の次が18年後ってのもまた凄い。立浪は18歳で ゴールデングラブ賞 を獲ってますからね。高卒新人で。マジでスゴかったよ。守備も打撃も。

 

炭谷の時も驚いた。西武には普通に正捕手・細川亨がいましたからね。

とにかく上の6人は全員ピカピカのドラフト1位でした。抜擢もわからないことはない。ドラフト6位の西川篤夢が万が一開幕スタメンに選ばれれば、なかなかの快挙ですぞ。

 

続いて1年目に活躍した高卒新人野手。清原は除きます。

高卒投手で凄いヤツはけっこういますが、高卒野手で凄いヤツは非常に少ないです。清原除く。

ナンバーワンは先述の立浪和義。18歳で規定打席に到達しシーズン75安打。オールスターのファン投票1位。チームはリーグ優勝。日本シリーズでも全試合に2番ショートでスタメン。新人王とGG賞。

「75安打で新人王?」

と侮るなかれ、当時は130試合制でしたし、立浪はショートだぜ。

さらに2番打者でもあった立浪は、四球と送りバントもしっかり稼いでいる。立浪は打席数のわりに打数が少なかったのだ。

まあ1年目からバンバンショートで起用したから、立浪の個人記録は期待されたほど伸びませんでした。たった2500本しかヒットを打てませんでした。

 

そんな立浪の1年目は75安打。

イチローもデビュー当時はおとなしかった印象ですが、記録を見てみると40試合に出場して24安打も打ってる。さすがだねえ。

1992年のフレッシュオールスターで初めてイチロー(当時鈴木)を見た時も、

「こいつ、目ヂカラあるなあ」

と思った記憶があります。

案の定、イチローはホームラン打って 町田公二郎 のMVPを横取りしていきました。

 

その他の主な高卒野手1年目の成績は以下の通り。

松井秀喜 41安打 .223 11本 27点

王 貞治 31安打 .161 7本 14点

小園海斗 40安打 .123 4本 16点

東出輝裕 53安打 .227 0本 7点 8盗塁

大谷翔平 45安打 .237 3本 20点 3勝

1988年以降、高卒1年目で100安打したヤツはいないと思います。いたら教えて。清原以前はダメよ。

 

西川篤夢の将来

西川が今シーズン100安打するとは言いません。カープには小園がいますからね。

ただそんな小園も今年はWBCに行くんですよ。もし決勝戦まで残っちゃったら、小園は開幕アウトになるかもしれない。

その時、セリーグでは立浪以来の40年ぶり高卒野手のスタメンが見られるかもしれない。DHのないセリーグで高卒新人野手をスタメンさせるのは非常に稀有なことであります。

 

西川篤夢はショートで育てないといけない。

このキャンプで小園が二塁を守るケースが多いのはWBCのためだと思ってます。実はセカンドを守れる代表選手は牧と牧原しかいません。周東は内野に含めません。

牧が不調に陥れば、セカンド小園は十分考えられます。

 

ではカープに戻った小園がセカンドを守ることは、今後もあるのだろうか?

私はないと思いたいが、西川がモンスターだったら小園がセカンドに回るかもしれない。

「メジャーに行くなら、早いうちからセカンドを守っといた方がいいぞ!」とか、新井がまたスケベなことを思いつきそうで怖い。

 

キクだってまだまだ若いんだから、セカンドは競争枠に置いておけ。

日本にいる間、小園はショート。

西川も二軍でショート。3年後に200安打せい。