菊池涼介は保険をかけている。井端JAPANも少し。

今日から沖縄キャンプ。昨日は休日でバレンタインデーでした。

そんな中、井端JAPANのメンバー発表がありました。カープからは既報通り5人が選出されました。12球団最多。

そして注目は大学生からの4人。そのうちの1人が噂の宗山塁君です。

今日は宗山塁と井端と菊池と小園と矢野の守備について解説します。

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ショートの名手

宗山君の選出に異議はありません。田村俊介と同じように未来のホープ枠として招集。賛成です。

ただし源田壮亮、小園海斗、紅林弘太郎も選出されており、宗山君を一体どこで使うんだろ?という疑問は残ります。2試合しかないのにショートが4人。

ちなみに宗山君は現在大学3年生。なら大学4年生の常廣はなんで呼ばれへんのや?とチラリと思いました。

大学3年生は4人選ばれていますが4年生はゼロ。プロ1年目が優先です。

 

この宗山君の評判がすこぶる良い。特に守備と顔の評価が高い。

ポジションはショート。私が50年見てきたプロ野球の中で1番上手かったショートは井端弘和かもしれません。

その井端が宗山を絶賛。「柔らかいショート。何も言うことがない」

 

宮本慎也、小坂誠も日本一のショートでした。西武の奈良原浩も忘れられない。

彼らは守備に保険をかけていました。

1番目の保険は「もし次のバウンドでイレギュラーしたらこう行こう」と準備していること。

2番目の保険は打者走者の足を考えながら「もうワンバウンド遅らせても大丈夫だ」「ここで前に出ないと間に合わない」を考えてプレーしていること。

 

ショートに限らずセカンドにもこういう判断が求められます。

セカンドショートが内野ゴロを捌く時「自分が前に出るか、後ろに下がるか」の選択の幅はファーストやサードより広い。

どの内野手も基本は「前に出る」が優先です。その方が早く捕球できるから。ただし弾いちゃうリスクがアップします。

前に出るのが大好きでガツガツしてるショートが広島カープの矢野雅哉です。私はこういうショートも好きですよ。

 

井端と宮本はエラーが少なくスローイングも安定していました。押したり引いたりが上手かった。こういうショートが柔らかいショート。ガツガツしたショートの対義語です。

内野手がよく「ボールと衝突する」なんて言われますが、これもガツガツ系と同義語。ショートバウンド捕球する時にグラブを前に出すヤツがボールと衝突するタイプ。ガツガツ系の矢野のこと。

グラブを引きながら捕球するヤツが柔らかいショート。こちらが井端、宮本、宗山、奈良原系。

 

日南の菊池塾

ここで広島東洋カープ公式Youtubeの動画をご覧いただきたい。

 

菊池が小園と韮澤にバウンドの合わせ方をコーチしている動画です。

ノックを打ってるのは三好匠。小園や韮澤との掛け合いがおもしろい。

菊池は2人に「保険のかけ方」を伝えています。

開始直後の韮澤への1球目がさっそくイレギュラーバウンド。保険をかけてない韮澤はこの打球を大きく弾いてしまいます。

菊池が「跳ねた時」と言ってるのが「イレギュラーした時」のこと。マツダスタジアムは日本一イレギュラーの多い球場です。

 

菊池は韮澤に「余裕のある時はグラブを引きながら捕球しなさい」と語っています。

打者の足が遅い時は余裕を持って「柔らかく引いて捕りなさい」ということ。菊池はグラブだけでなく足も使って打球との距離を取ってる。

俊足打者がボテボテのゴロを打った時は、柔らかさなど捨ててガツガツ前に出ないといけません。これが大得意なのが矢野雅哉です。昨シーズン矢野が栗林を助けたあのプレーがそれです。

 

井端は柔らかいショートでした。菊池は柔らかいセカンド。

宗山君もたぶん柔らかいショートなのでしょう。井端があれだけ惚れ込むショートは聞いたことがありません。

実は小園海斗もかなり柔らかいショートに変身しています。

2022年5月の時点で私は「小園の守備が井端宮本型に進化しつつある」と書きました。※参考記事

ショート小園は今もなお進化中です。動画の小園はやっぱり柔らかくて美しいです。

 

そんな小園でも上の8分間の動画の中で1度ポロリしています。土のグラウンドはマジで難しいのです。人工芝などアホでも守れる。宗山君が土のグラウンドでどこまで守れるのか私はまだ知りません。神宮球場は人工芝です。

土のグラウンドでノーエラーを続ける菊池はさすがです。ゴールデングラブ10回もさることながら、菊池は三井ゴールデングラブ・レジェンズにも選出されています。

レジェンズのファーストは王貞治。セカンドが菊池涼介。んでショートが井端弘和です。

 

菊池は上の動画の5:04で1度だけグラブからボールが出そうになっています。

しかし捕球と同時にグラブを上に向け、グラブからこぼれても右手で空中キャッチできるように別の保険までかけています。

このように名手は幾重にも保険をかけて守備をします。昔の小園はボールを追いかける犬のように最短距離でまっすぐ捕球地点にダッシュしてました。

つまり足の遅いランナーも俊足ランナーも、強い打球も弱い打球も全部守備が同じだったのです。ガツガツ系でした。

しかし今の小園の守備は柔らか系の名手型です。2週間前にもこの話をしました。※参考記事

 

田村の使いどころ

ついでに井端JAPANの話もしておこう。

カープからは注目の田村俊介も選出されました。20歳はチーム最年少。大学2年生の年齢。

田村はおそらく代表でスタメン起用されるでしょう。呼んだのなら使わなきゃ。

「1試合が途中出場で1試合がスタメン」とかそういう感じになると思います。根拠はありません。

 

森下暢仁は第1戦の先発かな? 調整次第だけど欧州代表との親善試合って3月6日、7日の水曜と木曜なんですよね。

シーズンが始まって森下が火曜日か金曜日に投げることになるなら親善試合での先発はないかもしれません。

カード頭を九里と床田が投げるようなら森下が水曜日の親善試合に先発しても何の支障もありません。

親善試合に森下が先発するかどうかで今年の開幕投手も見えてきそうな気がします。

まあ3月6日時点では開幕投手が誰なのか既に伝達済みだと思うけど。

 

栗林は抑えで1イニング。2連勝したら2戦目の9回は他の投手にお願いしたい。

坂倉は2試合ともスタメンでしょうか。1試合休ませてくれたほうが私は嬉しい。

小園はなんだか2試合ともサードでスタメンさせられそうだなあ。宗山がショートで。ヤダなあ・・・

田村を呼んだのと同様、宗山君も呼んだのなら使わないと意味がない。井端は宗山君の柔らかい守備を買っている。

だからヘタすりゃ宗山君は2試合連続1番ショートです。小園は3番サード。私はイヤです。3番ショート小園がいいです。

 

今回の代表メンバーには一塁手がいないんですよ。村上も一塁を守れますが私は守らないと思います。

たぶん源田、村上、中野のWBC組はスタメンで出ないと思いますよ。しても途中交代。井端は若手主体で親善すると思います。

だから一塁手は中日の石川。一塁小園はマジで勘弁してほしいです。

 

以上、ショートと代表の話でした。

カープ本体は今日から沖縄キャンプ。木金が練習。土日が対外試合です。