石原貴規のリードがどうしても許せない [守り勝つ野球]

2022.2.12(土)

紅組 3-2 白組 天福

高卒ルーキー田村俊介君の鮮烈デビュー記念日にいちいち細かいことを言わなくてもいいんですが、どうしても言いたくなるんですよね。

それは石原貴規のリードです。

去年から再三批判してきましたが、今年も全く改善されていない。倉は何をやってんのか。

今日も私は細かい守備の話を長々と語ります。小っちゃい人間でごめんなさいね。

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事故の起こるリード

去年の石原は1軍1年目で右も左もわからない。だから私は投手が石原を引っ張ってやれと思っていました。

ところが石原の兄貴的キャラクターも相まってか、同級生の森下も1学年先輩の栗林も比較的石原のサイン通りに投げることが多かった。んで森下は防御率を1.91→2.98へ悪化させ、栗林も1イニング抑えるのに20球費やしました。

昨日の紅白戦。

石原は遠藤淳志のスライダーをうまく使っているなと感心してたのですが、4回に投げ急ぐ塹江を抑えることができなかったし、5回の島内は1球目を大盛にホームランされました。

ハッキリ言いましてですね、石原のリードは事故の起きるリードなんですよ。

5回裏3対1で紅組の2点リード。石原と島内は2点差あったから1点はOKだし、四球よりはヒットを打たれた方がいい場面でした。石原は大盛への初球、外角低めに構えて島内のストレートはインハイに入りました。これを大盛が一球で仕留める特大ソロ。3対2。

続く上本にもストレートストレートでレフトオーバーの2塁打。私はここまでは石原のリードに間違いはないと思っています。大盛も上本もストレート一本狙いが見え見えでしたが、こちらも島内なのでストレートストレートは悪くないリードです。

 

実は5回の石原のリードには伏線がありまして、4回に登板した塹江が持丸・二俣・田村に対してストレートストレートで押しまくっていたんですね。特に外スラをケアする持丸に対してインハイのストレートを要求した石原には「成長したな」と感じました。

続く二俣には全球ストレートで四球を許しましたが、これは石原の「大人のリード」というか遊び心でした。ついて来れない塹江が悪い。

2死1塁で前の打席ツーベースの田村俊介君。ストレートストレートで2ストライク。最後はスライダーを振らせて空振り三振。大人げないぜ、石原塹江。

 

問題の一球

この流れで最終回2点リード、ピッチャー島内颯太郎。

ストレートの走りはまだ30%程度でしたが、島内だからストレートで入るのはよい。長打を打たれるのもよい。

1打同点のピンチで野間のセカンドライナー、2塁走者の上本崇司が飛び出してダブルプレー。上本の大チョンボ。

 

これで石原島内は3対2、2死無走者。

打席には2番の中村奨成。

ここで石原島内が1番やっちゃいけないことが同点ホームランです。ホームランが厳禁で四球はOK。この考え方に諸説はありません。3番丸で4番誠也なら奨成とは絶対勝負ですが、この日の3番は韮澤で4番は末包です。中村奨成とまともに勝負するのが最もデンジャラス。

だから石原は1球目、チェンジアップから入りました。私が島内をクローザーに推す理由は初球チェンジアップで楽々ストライク取れるようになったからです。中村奨成は当然見逃し、ワンストライク。

2球目もチェンジアップ。高めに抜けてボール。カウント1-1。

こうなるとバッテリーは3球目にチェンジアップを投げにくい。同一球種を3球続けない石原はストレートを要求し、ストライクゾーンのストレートを中村奨成がファール。奨成は刺され気味でした。単純な思いきりのいい小園なら島内はホームランされてたかもしれません。

これでカウント1-2。ここで石原はインハイに構えます。ストレート要求。4回の塹江の時もカウント2-2からインハイを要求して逆球になっています。島内も逆球でボールになりました。紅白戦だから内角に投げられないのではなく、元々この二人は追い込んでからインコースに投げ込む勇気が少々足りない。

 

カウント2-2。

チェンジアップ、チェンジアップ、ストレート、ストレート。

石原はセオリー通りにストライクからボールになるチェンジアップを要求し、島内も要求通りベストなチェンジアップを投げましたが、中村奨成は悠然と見送りました。ハッキリ言って石原の配球はキャッチャー奨成に読まれています。

 

カウント3-2。

チェンジアップ、チェンジアップ、ストレート、ストレート、チェンジアップ。

ここでストレート投げると中村奨成に一発打たれます。石原島内はもう一球チェンジアップ。ストライクからボールになる球。中村奨成空振り三振。この配球はお見事でした。とてもよくある「野球あるある」でカウント2-2で投手の決め球を見逃したバッターは、3-2で同じ変化球を振るものです。

 

石原のリードはセオリー通りで結果も抑えたんですが、とても危なっかしいです。

大盛へのストレートはOK、上本へのストレートもOK。

私が問題視する一球は中村奨成への3球目です。チェンジアップ、チェンジアップで1-1となった後の真ん中ストレートです。あれは事故の起きる配球でした。石原も「危ない」とわかってると思います。だから栗林の時はカウント球がカットになるんですよね。

島内の持ち球はストレートとフォークとチェンジアップ。フォークとチェンジアップはほとんど同じ軌道です。実質、島内は2球種しかありません。

こういうタイプの投手が変化球を2球投げて「1球目がストライク、2球目がボール」になった時、3球目は相手打者に9割以上ストレートを狙われます。「1球目がボール、2球目がストライク」ならまた話は違うんですけどね。

ここでストレートを投げるのも島内のスタイルですが、どうしても私は危険な配球、事故の起きる配球に感じます。

 

好調の中村奨成を差し込めたのですから、結果は成功ですが、岡本和真や小園海斗のような「無邪気にストレート一本狙い」の打者なら同点弾を喰らった可能性もあるとおもいます。

配球以前にも石原と島内の間で中村奨成を歩かせてもいいのか、絶対勝負するのかという意思統一があったかどうかもわかりません。たぶん無かったと私は思います。

直前の無死2塁で石原はマウンドに行きましたが、野間のライナーがゲッツーになった後は行ってません。さすがにまだ「勝った」とは思っていないでしょうが、奨成を歩かすか勝負するかは島内と絶対に話し合っていません。チェンジアップチェンジアップの後のド真ん中ストレートは「一発打たれてもいい」「打てるもんなら打ってみろ」で勝負したタマではありませんでした。なんとなくスッと投げたタマでした。

同じタマでもバッテリーの意思が統一されたタマならいいんですが、あの3球目は単にチーム方針だからストライクゾーンに投げましたよ、というリードに見えたのです。

 

木村昇吾が守備を語った

3回裏に上本崇司がショート内野安打を打ちました。

この時、広島カープで長年守備固めを務めた木村昇吾が

「今の打球は小園じゃなくてサードの林が捕らないといけない打球だ」と言いました。

その後、野間が12塁間をゴロで破り、中村奨成のセカンドゴロで1点。

 

木村「だから林君の足がもう一歩動いていれば上本君の出塁はないし、野間君の打球も12塁間を抜けない。この1点はなかったはずの1点です」

私は小園にアウトにしてほしかったですけど、木村の言うこともよくわかる。

 

ただ昨日は中継プレーが改善されていたし、ケンティーと田村君の外野守備が意外とセンス良くて私は感心しました。

白組のキャッチャー持丸泰輝は前回床田とのコンビがメタメタでしたが、昨日はテンポ良く床田をリードしてました。持丸はバッターの観察もなかなかよくやってます。バッターのタイミングを外すのが上手い。

 

今日も長く守りについて語りました。

今日は日南キャンプ最終日。昂也君は二軍落ちが決定。

佐々岡「絶対大丈夫。必ずチャンスはある」スポニチ

今年は佐々岡のコメントが去年までと違っていちいち暖かいです。なんかヘンなことが起きるんじゃないですかね。優勝とか。