育てて勝つのが広島カープ

2023.3.5(日) 

ソフトバンク 3-0 広島 福岡D 

勝った土曜日よりも遙かに収穫の多い試合でした。

ソフトバンク13安打、広島4安打。だがやりたい野球ができていたのはカープの方じゃないか。

だんだん新井のやりたい野球の形が見えてきた。私にはわかるのです。今日はそれを語ります。

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新井の采配・同級生編

本題の前にちょっと余談を。

昨日も言いましたが、今日も新井は東浜vs九里亜蓮の親友対決を演出しました。もう偶然とは言わせません。

今年FAでホークスに移籍した嶺井も学生時代の九里の相棒。ドタバタしてた高橋純平は石原慶幸の後輩だし、ナイスピッチングを見せた笠谷は森下暢仁の先輩。

 

あとどうでもいいけどガルビスとアストゥディーヨがカワイイ。笑

アストゥディーヨはミネソタで前田健太のチームメイトでした。サード守備は昔南海にいた香川伸行を思い出す。牛島和彦と香川。マエケンとアストゥディーヨ。なんか似てませんか?笑

ガルビスも高額年俸のわりに謙虚っぽいとこがカワイイ。試合中よく笑うんですよね。

 

ケムナとコルニエルが良い

さてカープの話。

まずは先発・九里亜蓮。

投球フォーム改良中でしたが、昨日は昨年までのフォームに戻してました。私は昨年の投球フォームのほうが荒々しくて好きです。

肝心のボールはまとまってませんでしたが、まあ九里と坂倉のやりたいことはできたんじゃないでしょうか。シュートとフォークはよくコマンドできてました。

 

坂倉。

ここのとこ、坂倉はフレーミングにハマっています。

あたしゃキャッチャーのフレーミングがあまり好きじゃないんですが、オープン戦4試合で2個か3個、坂倉のキャッチングできわどい球をストライク取ってもらえました。

パスボールとワンバン送球はまだまだ目立ちます。2年ぶりの捕手ですから、ファンの方はもう少しの間、辛抱してください。インサイドワークはさすがですよ。

 

ケムナ。1回2安打1失点。

昨日はとても良かったです。森浦が出てくるまでは「昨日のMVPはケムナだ!」ってブログに書こうと思ってたくらいです。

ポテンヒット2本で1失点しましたが、とても威力あるボールを投げてました。オーバーハンドでパワフルに投げる本来の姿でした。クイックモーションは元々苦手なので、パワーで抑えりゃいいんですよ。

カープ歴代セーブ王の永川勝浩も盗塁はフリーパスでした。ケムナも"ちまちま"したピッチングよりパワーでねじ伏せる投球をすればいいと思います。

 

森浦。1回1安打0失点。

ホークスの下位打線を全力投球で手玉に取りました。もうちょっと力を抜いてもいいのに・・・と思うほど圧倒的でした。彼女でも来てたのかな? あまり張り切るな。まだオープン戦だぞ。

 

アドゥワ。1回2安打1失点。

失点しましたがピッチング内容は相変わらず良い。1塁ベースカバーが遅れたことは反省です。

 

コルニエル。1回2安打0失点。

相変わらず走者を出すんですが、ビハインド登板なら現状のピッチングスタイルで私は大満足です。コルニエルものびのび投げられるし、敗戦処理が合ってると思います。タフだし頼もしい戦力です。

 

マクブルーム。3打数0安打。

オープン戦ノーヒットらしいのですが打撃は全く問題ありません。守備も上手くなってます。

ただ「3番マクブルーム」は意味不明。左打者を3人並べたくないのでやってると思うんですが、テストしても無駄だと思います。マクブルームは返す人、4~6番タイプです。3番は左打者で行くべきです。

 

デビッドソンは昨日解説したので今日はしません。

 

新井のふところ

本題。新井監督のやりたい野球について。

昨日の試合で私が一番気に入ったのがコルニエルとケムナがノビノビ投げてる姿でした。

一昨日は益田と河野が良くなってた。

 

コルニエルもケムナも紅白戦ではイマイチだったんですよ。

益田と河野にも私は「ダメだ。甘い」と評価していました。※参考記事

 

これがもし佐々岡前監督なら

 

「入りが悪い」

 

「リズムも悪い」

 

「存在感がない」

とか言ってバッサリ切り捨てられるところです。

 

ちなみに私のGoogleで「佐々岡 ばっさり」を検索すると、出るわ出るわ。佐々岡のバッサリが。

大道をバッサリ、小園をバッサリ、中村奨成をバッサリ。

自分が中途半端に起用しておいてマスコミにブーたれる指揮官。ファンから人気がなかった理由です。選手からも人気なかったんじゃないかな。

 

一方で新井新監督は

 

「いいものは出せた」

 

とか、

 

「まだ始まってもいない」

 

とか言って、

 

選手をかばうんですよね。※日刊スポーツ

 

私はとても頼もしく感じます。新井貴浩の懐の深さを。

新井は就任以来「若者を抜擢して育てる」と言い続けています。そしてしっかり「我慢する」とも言っています。ここまでは有言実行。

 

昨日のケムナとコルニエルが縮こまらずに150km超のストレートで相手に向かっていく姿を見て、私は「ほう・・・」と唸りましたよ。

佐々岡時代なら縮こまってボール先行しがちな展開。だから「カープの中継ぎは弱い」なんて試合を見てない評論家に言われるんです。

 

益田と河野もそうです。3月に入ってボールの質がみるみる良くなってきました。

新井監督の「ビビらずに行け」みたいな温かいアドバイスが功を奏したのかもしれない。

もしかするとルーキー二人が計算通りのペースで仕上げてきただけかもしれないけどさ。

  

新井監督の野球

もうすぐセリーグの順位予想をしようと思ってるんですが、正直カープを3位にしようか、1位にしようかで悩んでいます。

豊富な投手陣と捕手坂倉の存在だけでAクラスの力はあります。あとはコーチ経験のない新井と藤井のベンチワークがどう出るか?

 

このオープン戦でルーキー3人が臆せず投げてる姿や、ケムナとコルニエルがストライク入るようになってきたこと。

森浦のテンションがヘンだったことや、島内颯太郎がヘンな一発芸で爆笑したところなどを見ていると、

 

お?

なにか雰囲気が変わったか?

と思わずにいられません。

ま、森浦がおかしなテンションになることは時々ありましたけど。笑

 

島内も2試合連続無失点で抑えましたし、ケムナも昨日のピッチングに手応えを感じてると思います。

新井の野球って送りバントしないとか球数制限とかもあるんですが、最大の特徴は若手がノビノビやれてる感だと思います。新井の一番やりたい野球はこれだったのでしょう。まだオープン戦ですけど私にはそう見えた。

 

それほどケムナの立ち直りの早さに「お?」と思ったんですよ。

1番上林に1球目をポテンヒットされても3番ギータを三振。4番にもスライダーをポテンヒットされましたが、5番栗原も空振り三振。

とくにギータ以降のケムナは坂倉のサインにぶるんぶるん首を振ってストレート投げてました。

ああいう姿勢はなんか良いと思います。だからってケムナの防御率がいきなり1点台になるわけじゃありませんよ。メンタルは大事だって話。

 

1度や2度の失敗で

ケムナがダメかな?

コルニエルもダメかな?

と思うのではなく、

 

「今できることをやってみようよ」

と声をかけることが新井野球の真骨頂かもしれません。

 

カープの三連覇って実はマエケンの移籍から始まっているんです。2015年にはマエケン、黒田、ジョンソンが揃っていて4位。緒方孝市監督が1年目でしたから。

マエケンが移籍しても薮田&ノムスケが復活して、鈴木誠也が出てきた。ヘーゲンズとジャクソンも三連覇に欠かせない助っ人でした。

エースがいなくても三連覇できたのです。中継ぎが少し足りないくらい何だって言うんですか。笑

新井監督も1年目は3位で終わるかもしれないが、今年は若手とベテランが出てくるいいチームになると思います。