終身雇用の反対語は何だ?~NPB選手会長に會澤翼が就任

「ちょっとふざけるなよ」

「選手と球団が平等じゃない」

プロ野球選手会は昨日、大阪で定期大会を開き、森忠人事務局長は上のように語りました。ニッカン

ロッテの「一律25%」は球団が即座に否定しました。おそらく選手側の誤解もあると思います。

ハムのノンテンダーは下品。短絡的。巨人の「支配下12人→育成契約」も下品。恥も外聞もない欲にまみれた守銭奴。心根がさもしい。


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終身雇用の崩壊

私は昭和の人間です。

1985年、社会の授業で私はこう教わりました。

「日本企業は終身雇用と年功序列が主流である。だから日本の社会は平和で安定しているのだ」

1989年ソ連が崩壊。

1993年バブルも崩壊。

1994年インターネット黎明期。アメリカでネットスケープ社とYaho社が立ち上がる。

この頃から世界経済のグローバル化が進み、外資系企業も日本にたくさん流入してきました。

 

1993年、日本プロ野球界にFA制度導入。世間に先駆けて「野球界の終身雇用」が崩壊。

1999年ルノーのカルロス=ゴーン氏が来日。日産自動車のCEOに就任し、一番最初に手がけたことが 従業員のリストラ(解雇)でした。

ゴーン氏は日産自動車の取引先にもコストカットを迫り、それまでの日本の「なあなあ」で「護送船団的」だった日本的経営に最初の一発を放ったのはゴーンさんでした。

 

プロ野球のグローバル化

実質的な日本人初メジャーリーガーは野茂英雄。ごめんねマッシー。

野茂が近鉄と揉めたのは1994年。メジャーデビューしたのは1995年。

以後もNPBのスター選手がMLBで大活躍。極めつけは2001年のイチロー。

21世紀の野球少年の憧れは「巨人の星」から「メジャーリーガー野茂イチロー」に変わりました。

 

王長嶋、山本衣笠。

昔のスターは一つの球団に所属するフランチャイズプレーヤーでした。

当時の日本では「移籍」と「転職」がマイナスイメージでした。

それをひっくり返したのが野茂やイチロー。サッカーワールドカップも影響大。三浦知良も中田英寿も海外のクラブへ移籍した。

子供達はアメリカやイタリアへ移籍することをカッコいいと思いました。ビッグクラブへの移籍を昇格と捉えました。

 

移籍と転職はステップアップ。

自分の人生は自分で切り拓く。

ここに「世間の終身雇用」も崩壊しました。

カズと中田は世界中を転々とし、イチローや松井秀喜でさえメジャー3球団に所属しました。

 

子供「そっか!これからはチームに身を捧げるんじゃなく、自分本位で好きな職場を選べばいいんだ!」

決して間違いではありません。

私の息子がこう言えば、私も否定しないでしょう。

社会より個人を優先せよ。それが自由主義で個人主義。

 

終身雇用の反対語

話を野球に戻します。

FA制度以後、野球界の終身雇用は崩壊した・・・ように見える。

が、FAしないヤツもいる。終身雇用を選択する選手も多々いるのです。

 

例えば會澤。

2年前国内FA権を取得したが秒で決断。生涯カープ。来季からNPB選手会の会長です。

他にも黒田。

緒方。

大野。

ま、チーム愛はカープの専売特許じゃありません。今年のFA市場は「チーム愛」を貫いての「残留宣言」が目立ちました。ファンは喜んだと思います。

 

終身雇用の対義語は何だろう?

やっぱり「年俸制」ですかね?

プロ野球は年俸制です。終身雇用のハズありません。しかし選手と球団の間に人間関係と愛情は必ずありますよ。

だって人間だもの。それがなきゃつまんないよ。コマなんかじゃないよ、ナベツネさん。

役に立たないヤツでももう1年チームに残してあげたいし、よく頑張ったけど財布の事情で我慢してもらわないといけないこともある。

それにカープの場合はファンがいる。カープなら西川遥輝をあんなクビの切り方できないと思います。

 

選手会の森事務局長は「ふざけるな」と言いました。

私は中日と日本ハムに対して「安易だ」と非難しました。

ロッテのは「収入減で球団も苦しいから助けてほしい」というリクエストが、難しい話を理解できない野球選手に誤解されたのだと思う。

巨人の中途半端な3軍制と中途半端なFA戦略は昨日ディスったので今日はしない。

 

小泉首相の米百俵

昨日、オリックスの紅林選手(19)が契約更改。720万→2880万。高卒2年目で大活躍。チームも優勝。おめでとう。

ちなみにプロ3年目の小園海斗(20)は800万→2100万でした。

打撃成績では小園がセリーグ8位で、紅林はパリーグ27位です。

イヤいいんですよ。野球は打率だけじゃないし、何より紅林君は優勝チームのショートです。たいへんよく頑張りました。規定打席到達だけでも立派すぎます。

だけどオリックスはすこし出し過ぎじゃね?と思います。

大きなお世話だけどね。

実際こういうことをやり続けてきたから、西川遥輝がノンテンダーになり、平田良介が1億5000万円ダウンになるんだろ?

 

若い人は

「もらえるもん貰って何が悪いねん?」

ってすぐ言うやろ。それが軽率なんだよ。迂闊だよ。

 

今すぐ貰うのは「好きなことを先にやる」って意味だろ。

アリとキリギリスに例えたらキリギリスだろ?

経営者とか組織のリーダーは10年先、20年先を考えているものだよ。

 

20年前に流行語大賞を取った「米百俵」を知っとるか?

江戸時代、飢饉で困っていた藩に米百俵の援助が贈られた。藩主と家老は大喜び。そこへ出て来た小林虎三郎。

そこで彼はこう言った。

「その米で学校を建てるぞ。今食えばすぐになくなるが、人材育成にあてれば明日の一万、百万俵となる」ソース

 

今持ってる金ですぐに勝負するのは迂闊です。

活躍した時にはガーンと上げて、ケガしたら自由契約、ポイ捨て。これがプロの厳しさ?断固としてNOです。経営者の甘えですぜ、こんなの。

カープもKJや猛を切ったので、私は怒っていますが、12球団の中では最もハートフルな球団だろう。お金はないが愛があります。

誠意とは言葉ではなく金額。by福留孝介

アメリカ的でいいですね。だが私が採用担当なら福留を採用しません。いくら350打とうが強肩だろうがね。

 

アメリカ流でやって来て南極の氷が溶け出したのが現在です。

お金が一番とか言ってるのは間違いだと思います。来年3月のOB戦にカープOBが大勢登場します。チケットもよく売れているとか。私はこういうのが嬉しいです。