キャンプ3日目。
小雨交じりでしたが何とか外で練習できました。
この日、私が一番気になったのは「松坂大輔vs斉藤優汰」ではなく「矢野雅哉のロングティー」です。
今日は「小園海斗の守備内容」と「矢野がどうすればレギュラーを掴めるか」について解説します。長文です。
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小園のショート守備変遷
カープのショートには23歳の小園海斗が君臨しています。昨年すっかり覚醒しました。
矢野は現在25歳。
矢野は守備に相当自信を持っているみたいですが、私に言わせればショートの守備力は矢野よりも小園の方が一段上であります。
ハイハイ静粛に。
ど素人がこの私にブーブー言わないの。
いいですか。
守備範囲の広さと肩の強さは矢野が上です。NPBでもトップクラス。門脇より上。
ただし小園には確実性がある。キャッチングとスローイングの確実性は小園が上。NPBでも上位だと思います。トップだとは言いません。
ちょっと昔の人に例えるなら矢野雅哉は高橋慶彦や野村謙二郎タイプ。守備が力任せで「グラブに入ってくれ!」というプレーが多いです。
だから入った時は華やかでカッコいいです。門脇もそう。ハデだから素人好みです。
小園も若い頃はそうでしたが、2022年頃から守備が少し変わってきました。
2021年から小園は平凡な守備位置を守るようになりました。
2019年、ルーキーイヤーの小園は普通のショートより少し深めを守ってたんですよね。肩に自信があったから。
2年目の小園はほとんど2軍だったのでよく覚えてません。
3年目の2021年に初めて規定打席に到達するのですが、この頃から小園は平凡な守備位置を守るようになりました。そこらへんの普通のショートと同じ守備位置。んでまだボールと衝突してました。
私は報徳学園時代の芝生の上を守ってる小園が好きだったので、2021年の小園に対して
「なんで他のヤツと同じとこ守るん? 菊池涼介みたいに外野の芝生の上を守ってや!」
と思ってました。※参考記事
この間に小園の考えに変化があったことは確実です。
「派手なプレーは要らない。まずは堅実な守備からだ」
とか考えたんじゃないですかね。
小園の守り方
こないだ貼ったクーニンTVの動画ですが、あれは5本立てだと言いましたよね。
こないだ貼ったのは打撃編。今日は守備編を貼ります。
上の動画の中で小園が語ったことは以下の通り。
【1】正面のゴロは右から回り込んで距離感を掴む
解説・・・これはゴロのバウンドと自分のステップを合わせるため
【2】捕って素早く投げる練習もするが、基本的にはしっかり握ってしっかり投げる
解説・・・小園の守備は捕球優先。派手なプレーより堅実なプレー
【3】一番難しい打球は真正面のゴロ
解説・・・正面の打球が技術的に難しいわけではありません。絶対エラーしたくないから緊張して難しく感じるのです
この記事で私が一番言いたいポイントは断然【3】番です。
【3】番こそ矢野がまだ小園に勝てないポイントです。
小園は【3】の発言の後、こう続けています。
「エラーできないっすよ。ピッチャーは打ち取ってるんですもん」
「僕だけじゃないんで・・・ピッチャーの生活もかかってるんで」
かあーーー・・・
聞いたかアホなデータ野郎の諸君。
小園はピッチャーの生活まで心配しているのです。そこにデータなんか関係あらしまへんで。
23歳の子が普通こんなこと言えませんよ。
「打率3割打ちたいです」とか「レギュラー取りたいです」とか言うのが普通の23歳ですよ。門脇もそう。矢野もそう。それが普通。
今年の小園は信頼していいと思います。ボール球も全然振らなくなりましたし。
小園が心配している「生活のかかったピッチャー」って誰のことだと思いますか?
玉村と遠藤は違いまっせ。
小園が心配しているピッチャー。
真正面のイージーなゴロを絶対エラーしたらあかんと思って、ガチガチになりながら右からバウンド合わせにいく時のピッチャー。
それは・・・
ズバリ・・・
島内颯太郎です。ただし去年までの。
島内はもうこのクラスを卒業しました。小園に心配されるピッチャーではなくなりました。
小園はちょっと前の矢崎拓也や薮田和樹の生活も心配していました。
小園が心配してるピッチャーはズバリがけっぷちのピッチャー。
クビのかかるピッチャー。レギュラーのかかるピッチャー。
2024年の今、小園が一番エラーしたらアカンと思ってるピッチャーは森浦大輔と黒原拓未じゃないかな。知らんけど。
もう一度言いますが小園海斗は現在23歳です。森浦25歳、黒原24歳。
23歳の小園はチームを引っ張ってるんですよ。小園はショートだけじゃなくチームも守ってるんですよ。
矢野は「打てば小園に勝てる」と思ってるみたいですが・・・
それは甘いと思います。
小園は本当に変わりました。大きく成長したようです。お父さんは嬉しい。
矢野がレギュラーになる方法
この日のキャンプ中継で山本圭壱は
「矢野が打率.250ならショートレギュラーになれる」
と言いました。
金石昭人は
「いや打率.270は欲しい」
と言いました。
菊池涼介は
「打率.230で十分。小園はサード」
と言いました。
アホか、キク。
小園はもうチームに欠かせない選手になりました。
小園が今のチームに必要な指数を10とすると、
菊池涼介の指数は・・・
10であります。どちらもチームに欠かせない。
だけど二遊間のポジションは1個ずつしかありません。
んで野球界に古くから伝わる格言にこんな言葉があります。
「同じ能力の選手が2人いれば
チームは若い方の選手を使う」
そうです。
矢野が必要度10になれば10が3人。
となれば若い矢野がベテランのキクに代わってセカンドで試合に出られるのです。めでたしめでたし。
小園をサードに回すのは簡単ですが、ハッキリ言ってサードなんか誰でも守れます。坂倉でも内田でも守れる。シャイナーも守れる。
だからいつも言ってますがショート小園を安易にサードコンバートするのはアホのやることです。
源田壮亮がカープに来ても、宗山塁がカープに来てもカープのショートは小園であるべきです。それが侍JAPANのためでもあります。牧秀悟もセカンドで出続けるべきです。
サード小園?ドアホか。
何のために4球団でくじ引きしたんや。
小園を日本一のショートにせんかったらカープは昔の巨人のようなアホ球団に成り下がってしまうぞ。
2020年の偉大な記録
地味だけど小園の守備は上手いです。去年の守備率.980、矢野は.970
エラーには積極的なエラーもあるので単純な数だけで比較できませんが、小園はまず「捕球が優先」と言っています。
シブいぜ小園。井端弘和みたい。
2021年までの小園はこうじゃなかった。2020年に何があったんだろう?
2020年シーズンと言えばコロナウイルスで緊急事態宣言。
無観客で開幕した2020年に「王貞治の通算868本塁打」レベルの大偉業が達成されます。おーん。
それが菊池涼介の「二塁手でシーズン守備率10割」でした。過去100年間前人未踏で今後100年間誰にも破られることはないでしょう。
キクの献身的なプレーが小園の意識を大きく変えたのかもしれない。
ただ単にリサちゃんと知り合ったからかもしれない。私にはわかんない。
でも守備は深いんですよ。捕って投げりゃいいってもんじゃない。
矢野が「守備では小園に負けてない」って言いますけど、確かに1試合だけなら矢野の守備が上でしょう。
だけど一軍のショートは143試合守らないといけない。特に広島は移動距離が長い。その上で規定打席で打率.230を打つのは並大抵ではありません。
打てるショートは希少種。現役選手では小園一人だけ。紅林もまだまだ。木浪もこれから。
守れるショートもいそうであんまり数はいない。人工芝で失策10は論外でしょう。守れるショートとは呼べない。
長くなりましたが守備範囲が広いからレギュラー、肩が強いからレギュラーって、そう簡単にはいかないよって話でした。
アホのデータ野郎が持ってくるUZRとかちゃんちゃらおかしいです。
吉川尚輝の守備範囲もそこまで大して広くありません。吉川は軽率だから追いついてもアウトにできていません。
松永浩美vs山田久志
最後にオマケ話。
高橋慶彦が一目置いている松永浩美さんはダイナミックな守備でパリーグを魅了した三塁手ですが、さすがに大先輩の山田久志さんの試合だけはエラーできないといつもガチガチに緊張していたそうです。
それを見かねた山田久志さんが
「マツ。お前のエラーなんか俺がいくらでもカバーしてやる。いつもの調子で行け」
と言ったそうです。カッコいいですね。※Sportiva
小園がピッチャーの生活を心配してますが、大瀬良と九里の心配はしなくていいでしょう。
小園が今年助けるピッチャーはやっぱり森浦と黒原じゃないかな。生活かかってます。