牧秀悟、山本浩二、松井秀喜のサイクルヒットを比較する

私の牧秀悟選手が昨日、京セラドームでサイクルヒットを達成しました。

スゴくない、コレ? ルーキーですよ。

みなさんが佐藤輝明の数字と飛距離ばかり見ている時に、私はこっそり牧君のタイムリーヒットにウットリしていたのです。

サイクルヒットとは1試合の中で「1塁打、2塁打、3塁打、4塁打」を打つことです。最低でも1試合4安打が必要です。

 


 

牧秀悟のサイクルヒット

昨日の牧は6番二塁でスタメン。この強打者が二塁を守れるってのはかなりストロングポイントです。今岡誠や井口資仁みたい。

牧の第1打席は右中間のツーベース。第2打席は右中間にスリーラン。

第3打席はセンター前に2点タイムリー。シブい。

栗林良吏も森浦大輔も手放せないけど、やっぱ牧秀悟はカープに欲しかったぜい・・・

 

6回の4打席目は凡退。残る打席は9回の1打席のみ。

しかも残っているのは三塁打です。サイクルヒット業界では「三塁打を残すパターン」は結構多い。珍しくありません。んでだいたい打てないのです。代表例は2年前小園海斗。高卒ルーキーであわやサイクルヒットでしたが、最後の打席は二塁打でした。よくあるパターンなんですよ。

 

さて9回表の牧の打席。先頭打者で無死無走者でした。

球場も「さすがに三塁打は無理だろう。二塁打ならワンチャンあったけどね」みたいな空気だったと思います。そんな中、牧の打球はライトライン際にフラフラと上がりました。阪神のライトは佐藤輝明君。なんかテレテレ走ってました。追いついたかな?と思いきや、ボールはライン際にぽとり。

牧君はニヤリ。

佐藤はクッションボールもテレテレやってます。

ベイの3塁コーチャーは腕をぐるぐる回しています。牧はもうニタニタデレデレ。笑いながら走っています。

悠々三塁打。

これで牧はNPB史上初めて新人サイクルヒットを達成しましたあ!

どうですか、お客さん。オレの牧、スゴいでしょ。笑

牧、いいんですよ。神奈川ワンバーワン。

佐々岡と朝山は過去の数字しか見えてませんけど、私には「未来の数字」が見えるんですよ。

嬉しかったねえ。牧はもう一度、新人王争いに割って入ってきましたねえ。嬉しいぜい。

 

ところで新人王レースのライバル佐藤君。彼が最後の三塁打を処理したわけですが、ひょっとしてもしかして・・・

得点が9対2だったので、もしかして佐藤君が手心を加えたかな?と私は強く感じました。

なんでかと言うと40年前にも同じようなことが甲子園であったからです。よく憶えてるなあ、オレ。笑

 

山本浩二のサイクルヒット

1983年4月30日、甲子園球場。

広島の四番、山本浩二はここまで単打、二塁打、本塁打を放ち、得点は10対0。

8回表の第5打席で、浩二は左中間を破るヒットを打ちました。

この時、山本浩二は完全にアウトのタイミングでしたが強引に二塁を回って三塁を狙いました。10点差の8回ですから許されるプレーです。

その時、阪神の掛布はボールを持って三塁上で待っていました。浩二はまだ三塁ベースまで3メートルくらいの距離がありました。

滑り込む浩二に、なぜか掛布のタッチはゆるゆる。

塁審のジャッジはセーフ! 山本浩二、サイクルヒット達成!

 

幸運なことにこの試合がたまたまNHKで全国放送されていたため、山本浩二の三塁打は大騒ぎになりました。

「ワザとだ!」

「手加減だ!」

翌朝のスポーツ紙も疑惑のサイクルヒットと大きく報じました。

「八百長」と騒ぐ人はいなかったと思います。なんつっても8回で10点差ですから。

掛布さんは何年経っても。この話を聞かれるそうです。

まあ個人記録に意味は無いですから、これぐらい許容範囲じゃないですか。

私は相撲の「7勝7敗の千秋楽は勝たせてあげる」も結構好きでした。あの「制度」で私が好きだった若島津は大関で居続けることができました。

 

松井秀喜のサイクルヒット

さて、そんなサイクルヒット業界に浩二掛布とは正反対の爽やかな風を送り込んだ男がいました。

その人の名は松井秀喜。巨人にいたとは思えないほどの素晴らしき人格者です。普通、巨人の主砲ってだいたい中田翔みたいになるもんですけどね。長嶋もそう。原もそう。清原もそう。みんな暴力団にとりつかれます。

 

なのに松井はずっとクリーンでした。なかなかできることではありません。

その松井がサイクルヒットの世界に足を踏み入れかけたことがあります。

 

2001年5月23日の東京ドーム、ヤクルト戦。

松井は4打席で二塁打、三塁打、本塁打を打っていました。残すはシングルヒット。

単打や二塁打を残すパターンはサイクルヒットを記録しやすいパターンです。

5打席目の松井の打球はレフト線を破る長打コース。

松井が一塁で止まればサイクルヒット達成。

しかし松井は躊躇せず二塁へ走りました。この「躊躇せず」が男らしくてカッコよい。

 

試合後に松井はこう語りました。

「チームの勝利のため」

「個人記録はどうでもいい」

シブい。男前。

実はこの時、チームは首位ヤクルトに8対14でリードされていました。そりゃまあ、松井が一塁で止まっていたら批判されたことでしょう。笑

それでも中田や原辰徳なら自分のために転んだフリして止まってたんじゃないかね?笑

2021年8月、巨人は暴行事件で謹慎中だったF中田を無償トレードで獲得し、翌日にしれっとスタメンで起用しました。


おしまい
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ありがとうございました。

-赤辞苑