末包とモンテロを動かしちゃいけません

2025.6.28(土) 

中日 1-2 広島 ナゴド 

大ラッキーな勝利でした。9割がた負けていました。

最後のホームスチール、私にはよくわかる作戦でした。

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カープ寸評

玉村昇悟。5回0/3、6安打1失点。

苦しみながらも勝ち投手となりました。4勝6敗。中崎翔太に感謝ですね。

毎回のように…ではなく、本当に毎回得点圏に走者を背負いますが、3塁走者の上林が投ゴロでアホみたいに飛び出してくれたり、細川のサードライナーが真正面を突いたり大ラッキーでした。

玉村はここまで11試合に先発して59回を投げています。平均5回1/3。玉村にスタミナがないわけではなく、先に失点するので代打を出されたりしているのです。

今シーズンの玉村は「右打者の内角、左打者の内角」の制球が悪い。甘くなって打たれるというより、外れてボールになることが多い。いい時の玉村は内角ストレートでビシビシ相手を押し込めます。

平均5イニングなのに「11試合先発して4勝6敗」という成績はかなり白黒がハッキリしています。カード頭でエースと投げ合っていたわりに、玉村には勝ち運があると思います。打線が援護してやれば規定投球回と二けた勝利は全然夢じゃありません。

 

中崎翔太。1回0安打0失点。

6回裏2対1、無死12塁で登板。送りバント、空振り三振、見逃し三振。

今シーズンは26試合に先発して23回2失点。防御率0.78

大活躍ですね。序列が上がったと思います。

 

栗林良吏。1回0安打0失点。三者連続三振。

立ち上がりはボールが上ずって、捕手のミットに来た球がゼロでした。

しかし後半はミット通りにズバズバ来て、最後はキャッチャーのサインに首を振り、フルカウントからワンバンフォークを投げて空振り三振に取りました。このピッチングはいかにも栗林でした。

前日、1点ビハインドで島内を使ったため、昨日は7回に森浦、8回に栗林を起用しました。結果は無失点で勝てましたが、ハッキリ言って結果オーライの大ラッキーです。

栗林が打たれる確率は高かったと思います。だが栗林は個人の経験と実力でチームを救いました。

 

坂倉将吾。4打数1安打0打点。

玉村中崎をよくリードしました。森浦にカーブを多投させたのもさすがでした。

7回裏終了時点で2対1。8回9回が島内とハーンかと思ってました。この時私が捕手坂倉に期待したことは2つ。「このまま2対1で逃げ切ってくれ」と「お前が打ってダメ押し点を取ってくれ」

後述しますが、坂倉は9回に守備固めを送られ、9回表の打席も先頭打者でした。

 

小園海斗。4打数2安打2打点。

カープは大盛がノーヒットだったため、チャンスらしいチャンスが2回しかありませんでした。

そのうちの1回目を決めたのが小園。ヒーローインタビューで

「決めてやろうと思って打席に立ちました」

それなんだよ、私が小園に期待していることは。結果はいいから、お前が決めろ、コ・ゾ・ノ。

その割に、残りの3打席はまたコンパクトな繋ぎのバッティング。そんなん要らんねん。 

 

中日寸評

涌井秀章。6回4安打2失点。

小園スリーベース以外はほぼカープを完封してました。老獪なおっさんです。

昨日は宇佐美のリードなのかストレート主体でグイグイ来ました。途中までずっと0対1でした。負けるかもと思いましたが、小園が一振りで決めてくれました。

解説の鈴木孝政は

「まさか小園に初球ストライクは投げないでしょ」

と言ってましたが、涌井は小園にストライクを投げて逆転2点スリーベースを被弾。

私はこの涌井のピッチングを 悪くない と見ています。毎回毎回ボール球から入っていたら、試合が長引くしリズムも悪くなります。

昨日の試合は2対1のスコアのわりに、3時間30分 の長い試合でした。

玉村がボール先行の苦しいピッチングだったことと、カープが6回から継投に入ったことがその要因で、中日が守ってる時間は短かく、ほとんどカープの守備の時間でした。涌井の手柄です。これぞまさに「試合を作った」と言えるでしょう。

小園に打たれたタマも悪いタマではありません。インローのカットボール。涌井の狙いは「ひっかけさせてセカンドゴロ一球チェンジ。ファールになればワンストライク」でした。涌井が投げた初球はストライクゾーンですが、涌井可は初球からウィニングショットを投げたのです。結果は打たれましたが、涌井と宇佐美は全然悪くありません。ベテランらしい老獪なピッチングだったと思います。

贅沢を言えば「2死13塁、打者小園」ですから、中日の外野はもう少し後ろを守っておくべきでしたね。

 

山本泰寛。3打数2安打0打点。

巨人と阪神をクビになり、去年から中日で活躍する31歳。慶應大学出身でエース矢崎、キャプテン山本でした。同期ではなく矢崎の1個上。

矢崎から「山本さんはヘンな人だった」と言われたことがあります。※参考記事

あの矢崎にヘンな人と言われるんですから慶應ってどんなとこなんだろう?矢崎よりヘンな人がたくさんのいるのかな?

それはまあいいとして、私は山本泰寛が巨人にいる頃から

「山本泰寛は3割打てる!」

と豪語してきました。※参考記事

矢崎はヘンな人だと言いましたが、私は山本がマジメなガッツマンに見えて仕方がありません。今日も要注意です。

 

齋藤綱記。1回0安打0失点。

ここまで15試合で防御率0.68。

私はライデル=マルティネスの代わりのクローザーは齋藤綱記だと思ってました。8回松山。

だがイマイチ殻を破れません。なんでだろう、と思って昨日見てたらわかりました。彼、左打者のアウトローにビシッと決まるストレートがありませんね。だいたいボールになってます。

そのタマがないから、あの魔球みたいなスライダーが100%活きてないんだわ。もったいないねえ。

祖父江大輔みたいな顔をした28歳。私は応援してるんですがね。

 

藤嶋健人。1回0安打0失点。

私は背番号54番の藤嶋を見ていると、いつもカープの 横山竜士 を思い出すんですよ

顔も似てるし、背番号も似てる。横山は昔53番だったんですよ。

投球フォームもまあまあ似てますが、一番似てるのは藤嶋のストレートとタテのカーブです。

ストレートは横山の方が伸びてたかな。カーブは藤嶋の方が制球がいいかな。

日ハムに行った山本拓実とプロ9年目の藤島健人はクローザーもやれると思ってました。

なんなら私は藤嶋をドラフトの時から狙っていました。中日は5位でうまいこと取れましたねえ。カープはその時、坂倉将吾を指名したので、藤嶋を取れませんでした。残念。

 

中日のダブルスチール

9回裏2対1、2死13塁。投手ハーン、打者山本泰寛。カウント2-2。

中日はここで1塁走者上林が飛び出し、3塁走者がホームスチール。

ハーンは慌てずにプレートを外して本塁へ送球。本塁は悠々タッチアウトでゲームセット。ハーンと石原が冷静でした。

 

ここで井上監督が出てきてリクエスト要求。口の動きが「いちおうね」と言っていました。

2メートルも手前のアウトで何が一応なのか解説します。

井上が見てほしかったのは「コリジョンルールの適用じゃないか?」ということだと思います。タイミングもタッチもリプレーするまでもありませんから。

ハーンのバックホームが少し三塁側に流れたので、石原貴規がホームベースをブロックするような形になりました。

 

コリジョンルールでは「バックホームが三塁側に逸れた時だけは、キャッチャーがホームベースをふさぐのは仕方ない。オッケー」とあります。井上監督が一応ねと言ったのは一応これを見てくれというものでした。推測ですよ。

ジャッジは覆らずもちろんアウト。そもそも3塁走者の尾田は2メートル手前でアウトなのです。相撲で言えば死に体。少々の走塁妨害があってもアウトですよ。 

 

カープの守備固め

それにしても新井がまた9回裏1点差でスケベな守備固めを出しました。キャッチャー交代、セカンド交代。

石原はまたハーンに変化球を投げさせて2安打。あわや逆転サヨナラでした。

サード田中広輔を引っ込めて、セカンドに菊池。小園がセカンド→サード。だったら9回表の福vs田中の時に代打キクを出せばよかった。

新井は田中を打たせた後で、キクに代えました。私は「お?今日は守備固めを出さないんだな。よしよし、いいじゃないか」と思って見てました。

 

7回表2死1塁で矢野がセカンドゴロ。ネクストには中村奨成がいましたがスリーアウトチェンジ。

8回表の先頭打者は代打奨成ではなく秋山翔吾が向かいました。相手投手が右の藤嶋健人に代わったから当然の策。

9回表は2死無走者で投手福vs田中広輔。

「代打奨成を出してほしいけど、延長も見越せば代打奨成を残しておくのも良い作戦だ。サード田中は守備も上手い」

と思って見ていました。田中ポップフライ。

 

新井は9回裏に石原とキクを送り出し、ファビアンとモンテロは残しました。昨日は久保修がベンチ外でした。

代えようと思えばレフト奨成、ファースト堂林も送れたはずですが、新井はしませんでした。こないだの日本ハム戦で多少は反省しているようです。

だが唐突に捕手坂倉を引っ込め、サード田中を引っ込めました。

田中を引っ込めた理由はわかる。どうしてもキクを試合に出したかったから。新井の好き嫌いで起用しました。

坂倉を引っ込めて石原を起用した理由は全くわからない。坂倉はケガなんかしてません。

危うく負けるところでしたが、石原はホームスチールを冷静によく防いだ。つってもてめえのリードで招いたピンチですがね。

 

井上監督がホームスチールを決行した理由の一つに「延長戦に入ればウチが有利だ」という考えもあったはずです。

カープは5番坂倉を引っ込めて、9番にキクを入れました。10回表のカープの攻撃は8番矢野9番キクから。井上は2死無走者を簡単に作れると考えていました。

2死13塁でダブルスチールは1点を取るための作戦です。

一気に2点取るためには1塁走者の単独スチールがベターです。

井上は2死23塁で山本泰寛が逆転サヨナラタイムリーを打つ確率よりも、同点どまりで延長戦に行った方が勝率が高いと踏んだのです。カープの10回表は矢野キクからだし、中日の10回裏は2番の山本泰寛からだからです。

 

本日のゲームプラン

松葉 vs 佐藤柳之介

カープは阪神の大竹に弱いことで有名ですが、実はこの中日の松葉もずっと苦手でねえ…

カープのピッチャーは佐藤柳之介。最近の柳之介は見ていないのでよくわかりません。オープン戦の時は制球が甘いなというイメージでした。

 

どっちみちルーキーに完封を期待するわけにはまいりません。打線が打って援護したい。

1番大盛が昨日4タコ。こないだの5タコは内容も良かったが、昨日の4タコは内容が良くありませんでした。

「内容って何だよ!?」

それは「ストライクをファールして、ボール球を振る」ことです。

ボールを見逃してストライクを打ってアウトになる打撃は「内容が良い」

ストライクを前に飛ばせず、ボール球を振ってアウトになる打席は「内容が悪い」です。データには載ってませんよ。

 

矢野はずっとヒットできるストライクをファールしてます。ボール球を振ることも多い。

昨日の大盛は4タコですがヒットできる球は 7~8球 ありました。誰もファビアンの前の打者を四球で出したくないからです。

大盛はこれを全部ファール。7~8球の甘いタマは全部ストレートでした。

昨日、中日宇佐美は大盛にストレート攻めをしました。んで振り遅れ気味に4タコ。他球団のスコアラーにもしっかり見られたでしょう。

今日は1番大盛を代えてくるかもしれない。左の松葉だし。

今日の1番候補は50%大盛、40%奨成、10%秋山、ミラクル野間。

1番バッターは代えてもいいと思います。

 

代えちゃいけないのはモンテロと末包です。

モンテロは「ホームランが出ない」と悩んでいます。

末包は「ヒットが出ない」と悩んでいます。

データ野郎は松葉との対戦成績を見て奨成を出せとか堂林を出せとか言うかもしれませんが、私はモンテロと末包を代えない方がいいと考えます。なんでかというと

打線が「線」になりつつあるから です。

小園坂倉ファビアンは打率.300で誰にも文句言われない成績。

モンティと末包は打率.260で時々アホな空振りもします。

 

だから1試合4タコでギャースカ言われる。ベンチには秋山と奨成もいる。隙あらば私だってこいつらをスタメン起用したい。

だが末包とモンテロはカープ打線の中心に組み込まれています。安易に外しちゃダメなのです。

2~6番はコゾスエサカとファビテロ。

このファビアンと小園の順番にはまだ不満がありますが、とりあえず2~6番に5人をくっつけて並べていることは非常に良いと思います。

2番に矢野を挟んだり。モンテロを気楽な7番に置いたりすると、ヒット数のわりに得点が入らない去年の野球が繰り返されます。朝山の大好きなヒットをたくさん打って試合に負けるアホ野球です。

 

だから今日もモンテロと末包は4番と6番で行け。4番末包、6番モンテロと順番を入れ替えるのは可。 

1番大盛は代えてもいいが、2~6番の5人は代えちゃダメ。2025年のマシンガン打線の中心だからです。これが佐藤柳之介を援護するためのベストの布陣です。