2021.9.2(木)
DeNA 3-11 広島 横浜
前日4安打した西川龍馬と5タコだった小園海斗。
「打順2番と3番を入れ替えそうだなあ」と思っていたら、やはり替えてきた佐々岡と朝山。安直だなあ。
おまけに左腕坂本に対して1番野間を外し、1番レフトに長野久義を入れてきた。1番長野、2番小園、3番龍馬。
私が最も嫌う、対戦打率と相手投手の右左で打順をコロコロさせる野球。カープに未来はありませんし、もはや野球じゃありません。
これが2年続いた佐々岡野球の集大成。ディスイズ宝くじ野球。
3塁走者のゴロゴーについて
先制はカープ。
2回表、先頭坂倉のビューティフルツーベース。
6番松山セカンドゴロ。7番菊池は四球。
文字で書くと「進塁打と繋ぎ」に見えますが、実際はたいしたことありません。二人とも立ってただけです。
とにかく1死13塁。8番林の緩い1塁ゴロで3塁走者の坂倉がまた中途半端なスタートを見せました。
あの時は擁護したが、今日は許さん。雨でいつ試合が終わるかわからない中で、先制点はいつもより重要だからです。
私の知っている野球では「1死13塁で3塁走者は必ずゴロゴー」です。ピッチャーゴロでもキャッチャーゴロでも3塁走者はゴーです。
なぜかと言うと併殺を防ぐため。3塁走者が本塁に突入して2死12塁のチャンスを残すため。
しかし最近は欲をこいて、
「3塁走者は挟まれて粘ってくれ。その間に2死23塁を作りたい」
というチームが多い。最近のプロは全チームこれ。
でもコレって無理ゲーなのですよ。1死13塁の1塁ゴロは「基本バックホーム」ですから、キャッチャーは3塁走者を3塁方向に追い詰めます。
そこから3塁走者が粘って、攻撃側が2死23塁を目指すのは非常に難しい。私は欲深いとさえ思います。
3塁走者が粘ることで逆に1塁走者が3塁でアウトになるリスクも生じますしね。
結局、昨日のソトは良い守備をしました。
坂倉もよく粘ったよ。ベンチの指示通り。
でもちょっぴり下品な野球でした。よそのチームもやってるし、足を使う野球ではあるけど、私はなんかキライです。
1死13塁の守備隊形は「2塁と遊撃がゲッツーシフト。1塁と3塁はバックホーム」です。1塁ソトは前進守備でした。
攻撃側も守備側もセオリー通りのプレーでしたが、3塁走者がわざと挟まれて時間を稼ぐプレーはあまり見たくありません。1塁走者が挟まれて3塁走者が本塁を狙う走塁は好きです。しかし逆は下品だと思います。細かくてスミマセン。笑
坂倉には潔く「本塁突入タッチアウト」になってほしかったです。
そもそも3塁走者・坂倉のリードも小さいしスタートも遅い。始めから1塁ゴロと3塁ゴロのホームインを諦めていた感じです。
佐々岡野球の真骨頂
さて2死12塁となりました。打者は9番九里。
「あーあ。また1死13塁が無得点だよ」
誰もがそう思った矢先、9番九里にまさかのヒット。
初球でしたから「もったいない」ってみんな言うかもしれませんが、ピッチャーの九里にボールから入る方が間違ってます。外のシンカー系から入るのは間違いじゃないと思う。若いバッテリーは教科書通りに投げて、甘く入りました。ベテランの九里は狙ってました。今季初ヒット。昨年から九里の打撃は素晴らしいです。ヒットは少ないがファールで粘る姿勢が素晴らしい。九里の30打数ノーヒットはずっと気になっていましたが、なぜヒットが出ないのか不思議なくらい良い打撃をしていました。バントも昔に比べると飛躍的に向上しています。
さて九里が繋いで2死満塁。
ここで1番長野久義。
私は「代打長野」と「指導者長野」は非常に高評価しておりますが、「1番長野」は冗談じゃないと今でも思っております。
昨日は久しぶりに左右病炸裂かと思いきや、どうやら野間の体調不良もあったらしい。本当かなあ・・・チョーさんをスタメンで出すための方便ぽいなあ。
とにかくチョーさん。
ここでまさかの2点タイムリー。
坂本のストレートを力強く左中間に弾き返しました。これでヒット3本(1四球)で2得点。
佐々岡を救ったのは2死12塁からのピッチャー九里の初ヒット。
佐々岡は一途にヒットを待ち続けていました。
1番長野久義はマン振りヒット狙いで会心のヒット。
さまざまな偶然と幸運が開幕100試合目にしてやっと実りました。
これぞ佐々岡真司の目指した宝くじベースボールです!
ざまーみろベイスターズ。
これで俺たちは5位だぜ、キャッホーーイ!! わっしょーーーい!!
佐々岡野球は「確率30%のヒットが3本続く」のを待ち続ける野球。
30%×30%×30%=得点確率
2.7%である。
佐々岡ベースボール、イズ・・・
宝くじ。
当選する時もあるんだぜ。1ミリも期待してなかったけどね。笑
チョーさんのタイムリーの後、悩める小園はポップフライ。
3塁フライじゃなくて1塁フライなところにまだ光明が見えます。
7番菊池は前日の勝負どころで併殺とクソボールを振って三振。一人5残塁の大活躍。
んで今日は走者なしで豪快なソロHRと貴重な7回の2点タイムリー。2打数2安打3四球。
これで菊池の打率が大幅アップ。また坂本の日はスタメンです。宝くじベースボール。
昨日の坂倉
昨日の坂倉の内角攻めは控えめでした。
昨日は九里のシンカーやチェンジアップを真ん中低めに落とすシーンが目立ちました。
とはいえ、内角を攻めないと抑えられないのがホカホカDeNA打線。
まさかの8番キャッチャーの子に内角シュートをソロ被弾。
これはけっこう良いコースに強い球が決まったので、打たれた瞬間、坂倉も九里も驚いたと思います。私も一瞬「細川?」と思ったほど。
6回裏のソトのツーランは甘く入った内角シュート。これは打たれますね。
ソトに打たれて5対3。なおも無死。
続く7番牧の初球にまだインコースを続けた坂倉はさすがだと思いました。笑
インコースがブーム?
昨日、小関順二氏のコラムがNumberに掲載されました。
「大谷翔平の影響? 内角攻めと引っ張りのトレンド」こちら
《甲子園》投打に大谷翔平の影響? 「内角攻め」&「引っ張り打法」のトレンドは高校野球の“新常識”になるのか https://t.co/crCkSfwPrl #高校野球
— ひが (@higashidesedai) September 2, 2021
かなりボリューミーな長文ですが、小関さんの論旨は一つ。
今年の夏の甲子園では「困ったときのアウトロー」の常識が様変わりしたという点です。
この夏の大会では球児たちの「内角攻め」と「内角を引っ張ってホームラン」が目立ったというまとめでした。
記事は「大谷翔平のピッチングと大谷翔平のバッティングが球児たちに影響を与えているのでは?」と問いかける。
私は夏の甲子園で「内角攻め」を感じた試合は一つもない。
大谷翔平にも感じない。大谷の試合は全く見ていないので。
私が内角攻めを強く意識したのは1989年の藤田巨人と2021年の広島坂倉です。
平成元年の藤田巨人は野球界に革命をもたらしました。あのインコース攻めは強烈でした。マジで投げる球の50%以上インコースだったんじゃないか? 中尾孝義のリードだったのか?
今の坂倉もそれに近いものがある。今節のDeNAには結構打たれましたけど、インコース攻めは今とても有効な気がします。
坂倉の試合は与四球も少ないし、このスタイルは通用すると思います。
関連記事1:ソフトバンクがアウトローを上手く拾う件
関連記事2:巨人篠塚の流し打ちは芸術ではない
まっすぐの後の変化球や、変化球の後のまっすぐ、
内角ストレートの後の外角変化球はよく打たれますよ。
バッターが慣れきってるからです。
その裏をかいて、内角を攻めたり、同じ球種を続けるのが坂倉のリードです。
[仮説]
ボールの軌道にバットを入れるタイプの打者は内角ストレートに弱いんじゃないだろうか?
だからさくらは打者に読まれていても内角へ突っ込むのではないか?
だから誠也は内角ストレートを引っ張りきれないのか?