山本由伸と岩瀬仁紀の成長曲線

侍ジャパンの栗山監督が昨日、

「今回のチームにはキャプテンを置かない。全員でチームを引っ張ってもらいたい」

と語りました。

ふーん。それはそれでありだよね。鈴木誠也を筆頭にメジャー組の存在感が大きすぎるからね。

もし最年長のダルビッシュをキャプテンにしたら若い選手が自分の意見を言いにくくなるかもしれないし、かといって国内エースの村上宗隆や山本由伸をキャプテンにするにはちょっとまだ若いですしね。

しかし改めて思うのは山本由伸の凄さです。

 

豊作すぎる2016年のドラフト

山本由伸は今年高卒7年目。24歳ですよ。若いねえ・・・

それでいて2年連続投手三冠&沢村賞。今季推定年俸は6.5億円。ノーヒットノーラン1回。未遂は多数。

2023年オフにはポスティングによるメジャー移籍が濃厚と言われています。今回のWBCで自身の価値を高めたいでしょうね。

野茂英雄と大谷翔平はNPBで5年やって6年目からMLB。ダルビッシュと山本由伸は7年やって8年目からMLB。松坂大輔が9年目からMLB。イチローと誠也が10年目からMLBでした。

 

由伸はプロ3年目から4年連続WHIP0点台。ハム時代のダルビッシュに匹敵します。相手チームが試合前から諦めるレベル。

なのに今年も新フォームを模索するなど、さらなる進化を目指す孤高の侍。まだ上がある。まだ先がある。

 

アドゥワ誠は山本由伸のこのフォームに挑戦している時に右肘をケガしたんですよね。

ご存じの通り、アドゥワと由伸は2016年のドラフト同期。この年のドラフトは大豊作で、4位由伸、4位坂倉、侍ジャパンの源田壮亮は3位でしたし、今をときめく160km男の山崎颯一郞が6位でした。※ウィキペディア

由伸の母校は古豪の都城高校。私が広商の次に好きなチームです。同校からのドラフト指名は22年ぶりの快挙でした。

 

大切なのは考え方

実は今朝の朝日新聞に山本由伸が大きく載ってたので今日のブログに由伸のことを書いてます。カープは特にニュースもないし。

朝刊には「高校時代、由伸が世界一を目指すチームのエースになるとは誰も予想しなかった」と書かれてありました。

高校時代の由伸はクラスの中ではおとなしいが、決して指導者の言いなりになるタイプでもなかったそうです。監督に「もっと食え」と言われても、「自分の体なら2杯で十分」と平然と断るような高校生だったそうです。

 

そういえば由伸って昔からアーム投げで投げたり、帽子のツバをまっすぐに広げたり、やり投げトレーニングをするなど、昭和の野球人が見ると「うん?」と言いたくなるようなセオリーとは逆のことをよくやっていました。

由伸がプロで活躍し始めた2018年、私は彼のアーム投げが好きじゃなくて「山本由伸より黒木優太の方がスゴい!」と言い放っておりました。だけど黒木君は翌年にトミージョン。由伸は1回目の最優秀防御率獲得。

昭和の悪しき伝統と言えば「疲れても水を飲むな」が最も有名ですが、他にも「うさぎ跳び」や「ヒンズースクワット」など今では逆効果とされるトレーニングをチーム一丸となってこなしていました。だってみんがややってたんだもん。

ところが高校生の山本由伸君はこれに疑いを感じたんですよね。「これってホントに効果あるのかな?」

 

みんながやってるから俺もやる。

上司に言われたから言われたとおり従う。

誰でも最初はそこから入ると思うんですが、やってるうちに「本当かな?正しいのかな?」と疑ってかかることはとても大切です。

昨日と同じことを漫然と今日も繰り返していいのかな? もっと上に行けないのかな? 山本由伸はNPBのトップに立ってもまだ追求をやめていない選手です。さっきの新フォームがまさにそれ。イチローも前田智徳も求道者でしたが由伸も立派な求道者です。この侍3人の共通点はドラフト4位の選手だったこと。

ちなみに近年のカープのドラフト4位は韮沢雄也、小林樹斗、田村俊介、清水叶人。上を目指してくれそうな選手ばかりですね。

 

岩瀬なんて元外野手です。笑

最後に面白い話をもう一つ。

古田チャンネルに登場した岩瀬仁紀が面白いことを言い出しました。

「リリースポイントは後ろの方がいい。前で話すから肘に負担がかかり故障するのだ」

 

ほう・・・これも昭和とは正反対の考え方だな。私も古田もめっちゃ驚いてました。笑

岩瀬と言えば24歳でプロ入りし、通算1002試合に登板した鉄腕。故障知らずの鉄人でした。

その岩瀬が古田チャンネルで30分に渡って、

「後ろでリリースして背骨で投げるイメージ。この投げ方だと背骨は痛くなるが肘と肩は絶対ケガしない

プロのトップに立つ選手が言うんだから間違いないのでしょう。通算755試合の鹿取義隆も「全くその通りで理想的」と岩瀬の考え方を大絶賛していました。

 

岩瀬仁紀は社会人からプロ入りしましたが、大学時代は外野手だったことでも有名。

今結果が出ていない選手でも考え方を変えたり、フォームを変えたり、時にはポジションを変えたりすると運命が変わるかもしれません。

長時間練習することも大切ですが、その練習がどういう結果につながるのかを考えてもらいたいですね。筋肉をつける、体幹を鍛えるのは手段であって目的ではありません。

プロ野球選手の一番の目的は自分が活躍してチームを優勝させること。チームが優勝しても自分が二軍では意味がありません。韮沢や田村がチームの主力になるのは2~3年後だと思いますが、今年は「オレの力で勝てた」という試合を1試合か2試合見たいですね。要は「今シーズン1回くらいヒーローインタビューに出てこい!」って意味です。


おしまい
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ありがとうございました。

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