栗林良吏が無事に新人王に輝きました。
一方でオリックスの山本由伸が満票(推定)でパリーグMVPを獲得。
26試合で18勝5敗。193回投げて防御率1.39。被打率.182、WHIP0.85
彼の今季年俸は1.5億円。年齢は大卒ルーキーと同じ23歳。坂倉世代。
栗林がリリーフで「これ以上の数字はない」という活躍を見せましたが、先発投手で「これ以上ない活躍」をしたのが山本由伸。チームは優勝、由伸の国内FAまではまだ5年もある。
この状況であんた、由伸にいくら提示しますか?
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実は二ケタ勝利は初体験
パリーグを圧倒し、カープ相手にパーフェクトゲームをやりそうになった山本由伸。
そんな彼も実は10勝したのは今季が初めて。九里亜蓮と一緒です。去年まで「二ケタ童貞」でした。
2019~2021年までの3年間、由伸の防御率はパリーグ1位、2位、1位でした。数字も立派。1.95→2.20→1.39。
特に「200イニング投げて防御率1.39って何よ!?」って話で、近年では2011年と2013年の田中将大が1.27を2度も記録し、ダルビッシュは2011年に1.44を記録しています。
2011年と2012年は飛ばないボール「統一球」の時代で、マエケンが1.53、ノムスケも1.98という数字をたたき出している。
田中は3年連続防御率1点台、ダルは5年連続1点台を記録してNPBを後にした。前田健太はこの二人に「数字上」ではちょっと負けてる。由伸は張り合ってます。ポスティングまであと5年。ずっと1点台で走るかもしらんのう・・・
そこで契約更改である
23歳の山本由伸。
24歳から28歳までの5年間をオリックスが拘束できます。スゴいねえ・・・
由伸の2021年の年俸額は1.5億円でした。私は決して安くはないと思います。
だってチームは2年連続最下位で6年連続Bクラス。21歳の由伸は8勝、22歳の由伸も8勝でした。
ところが23歳の由伸はリーグ優勝とMVP。沢村賞、投手四冠。東スポは5億出せ!と報じている。
あなたならいくら出しますか、由伸に?
ま、3億じゃ利かないだろうね。確かに5億円のラインが攻防戦だろう。由伸の希望は5億円で、球団は3倍の4.5億で抑えたい感じではないか。
オリックスの親会社がお金があるとかないとかは別にして、私は最近の球界の
・やったらドンと上がる
・衰えたらドンと下がる
傾向にちょっと不安を感じています。日本のくせにアメリカナイズされすぎだろと。
私なら由伸に提示するのは4.0億。その代わり翌年0勝だったとしても限度額40%の1.6億円も一気にダウンさせません。3.2億か3.5億は由伸に払いたい。
オリックスは昨日増井投手に2億円→7000万円の提示をしました。増井も一発サイン。
増井がFA移籍した2018~2020年の3年間は3億円×3年の複数年契約でした。33~35歳の増井。
複数年契約の切れた2021年の年俸は33%ダウンの2億円、んで2022年は65%ダウンの7000万円です。
典型的なFA選手の末路です。糸井嘉男もそう。
あのね、
カッコ悪いんですよ。
活躍したらどーんとアップ、ケガしたらどーんとダウンは。
若者にこの感覚は理解できない。終身雇用とか仲間意識とか知らないから。
もし今日あなたにヘッドハンティングが来て、
「今の給料の2倍払いますよ」
って誘われた時、金額だけで移籍を決めますか?
移籍する人の将来は陽岱鋼です。移籍しない人は九里亜蓮です。
「このチームで優勝したい」
社交辞令を多分に含んだこのセリフが「九里の本音の100%」ではないだろう。
九里にも多少の「打算」はあります。カープ球団に残れば、すぐにポイ捨てはされないだろうという安心感が巨人や日ハムより濃厚に感じられる。
30歳の九里は昨日1.4億円×3年で更改。23歳由伸の攻防ラインは4.0~5.0億円。
私はオリックスに「あんまり上げないでいいよ」と言いたい。
今年の活躍は5億円以上の価値を持ってるけども、それよりはしっかり5年間緩やかに上げ続ける方が由伸のためだよ。
一気に5億円だと、由伸がヘンなことを覚えちゃいますよ。投資とかヘッジとか。
「プロ野球は夢がある」というやつの夢はだいたいお金です。
大谷翔平や鈴木誠也は「野球ができれば何でもいい」と言っています。
「夢がある」と言ったのは落合博満、福留孝介ら多数。カープにはたぶん一人もいない。まあお金がないからだけどもさ。
GDPが下がりっぱなしで少子化する日本も「お金」で中国やアメリカと張り合ったらアカンと思う。元々の日本のように窓開けて太陽の下で野球やるのがいいと思う。
年俸をドンと上げて、昼間でも電気付けて、冬でもエアコン効かせて室内で野球するのはズルいと思う。ズルいというかアホやと思う。地球が温暖化してる時に、あんまドッカンドッカン派手なことはしないほうがいい。
カープは遠征が多い球団でねえ。
交通費や宿泊費もケチケチ節約してきた歴史があるのだよ。
栗林と坂倉にだいぶ年俸をはずんだけども、中﨑やノムスケの年俸はちゃんと限度額内のダウンで済ませているのだよ。
プロ野球に終身雇用はあり得ないけど、「ケガしたらポイ捨て」「複数年が切れたら70%ダウン」というのは寂しいを通り越して、アホだなと思うのです。球団の怠慢。プロ野球選手へのリスペクトの無さです。
とはいえ由伸の「1.5億→5億円」は大いにあり得る数字だと思います。
カープ長野久義の今季年俸は1.7億円でした。仮に40%ダウンなら1.0億円です。だがカープの場合はそこまでは下がりません。おそらく20%ダウンの1.4億円あたりだと思います。これがカープ式経営です。