山口翔は村上世代

昨日のお昼を食べた喫茶店。

手にした報知の一面には「大勢、反省」の文字。

何のこっちゃと思ったら、村上宗隆の記念すべきシーズン55号を打たれた投手が巨人の大勢君だったわけです。

大勢いわく「打席に入る時から村上の間(ま)だった。しかも初球のフォーク(ボール球)を悠然と見逃されて、次のストレートを100%ストレートタイミングで振れる環境を整えてしまったことが反省」とのことでした。

なるほどね。場面は2死12塁でしたから、確かに投手は牽制球を投げたり、プレートを外したり色々できたと思います。それをテンポ良く正直にストレートを投げたことを大勢君は反省したというのです。でもまあ巨人は5点リードしてましたから、あれはあれでいいんじゃないですかね。お客さんも早く帰りたいだろうしさ。

んでその報知新聞には「翁田大勢は村上宗隆の同級生」と何度も強調されていたんですよ。

そう言えばそうだったね。今年の大卒ルーキーが村上世代。カープの黒原、巨人の大勢は「村上世代」です。

だが5年前、この世代の先頭を走っていたのは早稲田実業の清宮幸太郎でした。2位が広陵高校の中村奨成。3位が履正社の安田。U18日本代表の目玉もこの3人。そしてなぜか2年生だった小園海斗も日本代表に選ばれていました。

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山口翔はがけっぷち

今日はちょっと山口翔君の話をしたいと思います。

プロ5年目。期待の23歳なんですが、彼ちょっと2軍でも苦しんでいるんですよ。

ハッキリ言ってこのオフ、山口君の首は涼しいです。「がけっぷち」という意味です。

2017年のドラフト1位は中村奨成でした。2位が山口。5位遠藤。

4位の永井敦士と6位の平岡敬人は既に自由契約となっています。最近のカープは20代前半の若者でもビシバシリストラしています。去年は遠藤の後輩の鈴木寛人君を20歳でクビにしています。

 

村上宗隆と同級生の山口翔は、今シーズンファームでも10試合にしか登板していません。しかも全部リリーフ。

ウエスタンリーグの成績は10試合11回14安打7四球8失点。0勝1敗。防御率5.73。

数字も悪いんですが、内容もあまり良くなくて、私がちょいちょい見てる映像では球速は142kmくらい、ボールがいつも高めに抜けている印象です。

 

ウエスタンリーグにはDH制度もあって、リリーフ起用だから当たり前なのですが、昨年も今年も山口翔の打席はゼロなんですよね。先発起用のアドゥワ誠や中村祐太はヒットを2~3本打ってます。

私は山口翔は先発100%で将来の前田健太だと思っていたのですが、山口翔は2020年からほとんどがリリーフ登板。登板数も8試合→6試合→10試合です。

■山口翔 プロ5年間の成績(ウエスタンリーグ)

 2018年 5試合 1勝2敗 21回23安打 ERA6.43

 2019年 16試合 6勝6敗 93回102安打 ERA4.42

 2020年 8試合 0勝4敗 26回31安打 ERA6.23

 2021年 6試合 1勝0敗 8回13安打 ERA14.63

 2022年 10試合 0勝1敗 11回14安打 ERA5.73

上の数字だけを見ると、山口翔はクビを宣告されても全く不思議じゃありません。ボールも遅くなってるし。

 

山口翔の上がり目

しかし山口翔にも上がり目がないことはない。

山口翔の上がり目は二つあります。

まず一つ目は苑田スカウトの眼力です。

苑田さんは敏腕スカウトとして有名で12球団から怖れられています。高橋慶彦の前に背番号2を付けていた選手としても有名。

その苑田さんが5年前、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で特集されたことがあるんですよ。NHK

NHKは半年間、苑田さんに密着して取材を続けたそうです。苑田さんもスカウトの仕事やりにくかっただろうなあ。笑

 

番組では専修大学の黒田博樹を獲得した時のエピソードや、近畿大学の二岡智宏にフラれた時の話などを披露した後、苑田さんは九州の熊本県に足を運びます。

苑田さんがそこで見たのが熊本工業の山口翔君だったのです。

映像ではストライクが全く入らない山口翔の姿が映し出され、私は「線も細いし、コントロールも悪い。フォームもバラバラ。こんな投手はとても使えない」と思いました。

しかし苑田さんは山口翔を見て「このピッチャーが一番いい」とおっしゃったのです。NHKの全国ネットで。

同行していた九州担当の田村恵スカウトと私はひっくり返って驚きました。苑田さんはいったいどこを見ていたのか?

 

苑田さんいわく

「見てよ。この子、四球を出しても全く下を向かない。こういう子がプロで伸びる子だよ」関連記事

マジか苑田さん、ついていくぜ苑田さん。

苑田さんは九州まで出張して山口翔だけを見たわけではないはずです。熊本の村上宗隆も必ず見ていたはずなんです。

それなのに苑田さんは「山口翔がナンバーワン」と言い放ったのです。NHKの全国ネットで。

苑田さんの眼力が本物なら、山口翔にもまだまだ伸びしろがあるはず。彼の柔らかすぎる可動域をうまく制御できた時、山口翔のストレートは唸りを上げるのかもしれない。 

 

上がり目の二つ目。

それはツイッターで由宇情報をアップしてくれる方の動画です。

毎週のように由宇の情報をアップしてくださっている方で、私のように常に山口やアドゥワの動向を気に掛けていらっしゃいます。

その方の1ヶ月ほど前の動画で、薮田、祐太、アドゥワ、昂也らの先発投手陣がシャトルランしてるシーンをアップしてくれたのですが、なんと1位をとったのが山口翔だったんですよ。

これが上がり目の二つ目。投手にランニングは必要ないと言われる時代ですが、山口翔が1位というのは嬉しいことです。けっこうぶっちぎりの1位だったそうです。

 

まとめ

このように私は山口翔に大いに期待しています。

ただし現在の山口君が投げているボールはヘッポコです。それに私が選手を君付けで呼ぶ時、私はその選手のことを少しナメています。上から目線です。

山口君の今年のオフはひょっとするとヤバいかもしれません。

山口君は去年佐々岡監督から「期待外れ」と言われたそうです。佐々岡って監督就任直後はよくアドゥワや野間に向かって期待外れと言っていました。口癖なんでしょうね。

がけっぷちから生還してエースになった投手も数多いですし、火の玉投手藤川球児がブレイクしたのもプロ6年目。それ以前の藤川は今の山口翔のような立ち位置でした。

頑張ってほしいです、山口翔には。