2025.6.29(日)
中日 1-2 広島 ナゴド
松葉vs柳之介。どちらが勝ってもおかしくない大接戦でした。
勝敗を分けたプレーはたくさんありますが、まあやっぱり中日が2死3塁でファビアンと勝負したことですかねえ。
「松葉はしっかりボール球を投げたじゃんか!」
いやいやいや、私が言いたいのはまさにそこなんですよ。スケベな欲をかくと事故が起きるよってことなのです。しっかり敬遠するべきでした。
カープ寸評
佐藤柳之介。6回2安打0失点。
プロ初勝利。めでたい。次の日曜日も100%先発です。
新人王級の投手かと言われたら NO です。現段階では「打順3巡目はまだちょっと厳しそうだな」という感じ。
めでたい日にごめんなさいね。素人のカープファンが柳之介に過大な期待をかけないように、ちょっと釘を刺しときます。
新井貴浩。モンテロに代走久保。
素人は試合が終わってブーたれる。玄人は試合前にブーたれる。
私は昨日のブログにモンテロと末包の打順を動かすなと書きました。スケベな新井はやっぱりファビアンを4番に置きました。
火曜日はどうすんだよ? 坂倉が5番に座れば、ファビアンはまた2番か3番です。
あのな、日替わり打線は弱いチームの戦術です。打てないチームの戦術。
今のカープは打てるチームなので、打ち勝つ野球をするべきです。そのために私は小園海斗をショートに固定しろと言い続けている。
昨日のサード上本崇司は中日松葉に対して過去5年間で通算15打数5安打だそうだ。もういいよ、そのカビ臭い過去のデータは。
栗林良吏。1/3回1失点。1安打1四球。
ヒットと四球で無死12塁。栗林が取ったアウトは送りバントの1アウトのみ。
8回裏2対0、1死23塁で新井は栗林を諦めて森浦をマウンドに送る。これがスケベ野球でなくていったい何なのか?
私の好きな新井貴浩はここで栗林と心中してきたはずだ。しないならイニングの頭から森浦を出せ。
中日3連戦の初戦では島内颯太郎を1点ビハインドの7回に出しました。私はブチ切れました。8回のピンチで栗林を引っ込めたことにもブチ切れています。
後述しますが奨成を引っ込めて野間を出し、野間に代えて大盛をセンターに入れたこともブチ切れていますよ。
走者をためて栗林を引っ込める野球は 4位の野球 です。ショート矢野と同じアホ采配です。栗林と心中して負ける方が私は良かった。
大盛穂のポジショニング
さて素人が絶賛している大盛穂のダイビングキャッチについて詳しく解説します。長文 ですよ。
私はプロ野球の全てを知り尽くしていますが、中でも最も得意な分野は「センターの守備」と「右投げ左打ち俊足タイプのバッティング」についてです。私が現役時代そうだったからです。
栗林が森浦に変わった直後、打席に立ったのは1番センター岡林でした。
35年ほど前の私は岡林弟にそっくりなタイプでした。なつかしいなあ。
左投手に対するアプローチは2種類。変化球でストライクが取れるやつにはセンターから左方向。変化球でストライクを取れないやつには2ストライクまで右中間スリーベース狙い。
岡林弟も若き私と同じアプローチで打ってきます。見てりゃわかるんですよ。基本に忠実なタイプです。
キャッチャーのアツはインハイ、アウトローにストレートを2球続けカウント1-1。森浦は2球ともボールくさいところに投げました。緊急登板のわりに肩はできてるなと感じました。狙ったところにしっかり投げていました。
3球目、基本に忠実なアツはアウトローにチェンジアップを投げます。アツの狙いはひっかけて2塁ゴロ。2対1となって2死3塁、打者2番を作りたかった。
岡林弟はこの3連戦、1死3塁で坂倉に散々これをやられて2塁ゴロを打ちまくっていました。もうその轍だけは踏みたくない。センターから左方向を意識していました。
私がそうだったからわかるのですが、右投げ左打ちの打者って「ストレート待ちで変化球を流し打つ」ことができます。右でもできるやつはいるけど非常に少数派です。ストレート待ちの右打者にスライダーを投げるとほとんどレフト側に打球が飛びます。いわゆる泳ぎます。流すやつは滅多にいない。カープなら二俣翔一ただ一人かな・・・
右投げ左打ちにはストレートを待ちながら変化球をレフトに流し打つヤツが多い。上林と岡林は完全にこのタイプ。
私がそうだったからわかるのですが、センターを守っていてこの手のタイプの左打者が打席に立つと、左中間を締めたく なります。センターの本能というか野生のカンです。
「右中間を抜かれたらどうするんだよ!」
そこはバッテリーに頑張ってもらわいといけない。右中間を抜かれたらそれはお前らの責任だい。俺はお前たちが打ち取った左中間のフライをしっかり捕ってやるぜって意識でした。
私が現役時代にピッチャーとこの話をしたことは一度もありません。
ピッチャーは外野の守備位置なんて興味ありません。そんなことに構っている余裕はありません。
センターもピッチャーにこう投げろと言いません。こいつはこういうヤツだから、この辺を守っといてやろうかなと本能で判断するものです。
昨日の大盛も「左中間寄り」にいました。厳密に言うとホームベースとセカンドベースのライン上にいました。左打者相手でここにいるというのは「左中間寄りのシフトだ」と言っていいでしょう。
んで1死23塁なのに大盛はかなり前を守っていました。つってもこれがいつもの大盛の定位置なんですけどね。
上手いセンターほど前を守ります。大盛は通常のセンターの3メートル前を守ります。ま、2メートルかな。
とにかく大盛は前を守る。
そこへ飛んできた、岡林弟の左中間のライナー。
大盛はやや後方に走りながら1メートルダイビングしてナイスキャッチ。3塁走者タッチアップ。2塁走者はハーフウェーから2塁へ戻る。結果的には2対1、2死2塁となりました。アツの思い描いた以上の結果となりました。
このプレーに対する私の評価は
そんなに大したプレーじゃねえ
です。ハッキリ言って普通のプレー。中村奨成なら飛ばずに捕れてました。
大盛穂のダイビングキャッチ
誤解のないように言いますと、守備範囲は大盛の方が奨成よりも広いです。経験値も上。
この日の大盛は途中出場ですが、大盛は途中出場にも慣れてます。
なのになぜ奨成ならダイビングキャッチせず捕れるかと言うと、奨成は大盛ほど 前を守らないから です。
奨成なら大盛の2メートル後ろにいます。だから岡林の打球に対して真横にまっすぐ行けた。ランニングキャッチできました。
大盛はいつも定位置より2メートル前を守ります。
こういう守り方をするヤツは右投げ左打ちの1番2番タイプに多い。赤星憲広、赤松真人、大盛穂、私。
だから大盛は奨成より後ろに走る必要があったのです。大盛も飛ばなくて取れたと思いますが、右投げ左打ちの左中間のライナーは切れたり、伸びたり、ドライブして落ちたりいろんなパターンがあります。大盛はそれら全てに対応しながら打球を追い、結果的に岡林の打球は切れもせず、伸びもせず、ドライブもせず、キレイにまっすぐなストレート回転で飛んできました。
だから大盛は少し差されたと言いますか、余力を残した状態でジャンプしました。ダイビングキャッチとランニングキャッチの中間の打球ってよくあるんですよ。ダイビングした方が安全な打球ってよくあるんですよ。
昨日の大盛のダイビングキャッチはそういうダイビングキャッチでした。ダイビングしないと捕れない打球ではなく、ダイビングした方が安全だという打球でした。
15年ほど前、赤松真人がカープで活躍していたころ、延長戦の2死満塁で同じような打球を左中間に走って行って後ろ向きにダイビングキャッチしたプレーがあるんですよ。※参考記事
バッター阪神関本、場所はマツダスタジアムでした。あれは私が50年間プロ野球を見てきて一番驚いたセンターのプレーです。赤松のスパイダーキャッチより驚きました。
昨日の大盛のプレーはそのプレーに少し似ていました。大盛の師は赤松です。
久保修の飛び出し
新井スケベ野球の象徴はショート矢野。次に「中途半端な代走策」が挙げられます。
7回表2対0、無死1塁、打者キク、投手勝野、走者モンテロ。
ここで新井はモンテロに代走久保を告げます。
新井の気持ちはよくわかる。ここで追加点が欲しい。柳之介に勝ち星を付けてあげたい。
だったらなんで代走が 羽月隆太郎 ではないのか?
羽月は代走の切り札でしょう。久保は一昨日ベンチ外の補欠です。新井のスケベ根性、ファミリー野球で久保を起用しました。ハッキリ言って スキ です。好きじゃなくて隙の方のスキ。
代走久保はミスする可能性の高い作戦でした。
モンテロは足が遅いし、中日の外野は岡林と上林です。1死2塁からモンテロではシングルヒットで帰ってこられません。
私も去年まではモンテロに代走を出すでしょう。でも今年は出しません。
なぜかと言うと今年のカープには打てるやつが揃っているからです。
7番キクで送りバントは当然として、8番アツに代打秋山、9番投手に野間で良かった。まだ坂倉もベンチにいました。
8番アツを打たせたことは良い。勝ってる試合でキャッチャーを代えるのは良くないので。
新井が選択した9番の代打は野間。これも良い。代打適正は野間が最も高い。松山竜平の次に代打で打てるのは野間と奨成。
この野間がカウント1‐1から空振りをします。
中日の勝野投手は球速160km出るわりに、空振りの少ない投手です。代走久保は野間が勝野から空振りするとは思っていませんでした。
だから野間が打ちに行った瞬間、久保は三遊間に2歩飛び出した。2死2塁となり中日の外野陣は超前進守備だからです。
野間は空振り。野間は野間で走者をゆっくり返そうとフルスイングでした。中日の外野は前進守備なので普通のセンターフライが3塁打になりますから。
ここに野間と久保の間に意識のズレがありました。
久保は代走の役目を果たしたい、目立ちたいと考えており、野間は代走久保が必要のない野球をしました。だってキクの送りバントで1死2塁を作れば中日の外野は前進しないといけないのでね。
まあ2塁走者が久保かモンテロかでは、それこそ中日の守備位置は3メートル変わります。野間の空振りも代走久保とのコンビネーションだったのかもしれないな。
新井貴浩スケベ野球
新井はモンテロの打順を変えました。スケベですね。
4番ファビアンはいいんですが、だったら毎日続けなさい。坂倉が戻れば小園が3番。するとファビアンはまた2番なのでしょう。
ジグザグなんか忘れて2番小園、3番ファビアン、4番モンテロ、5番坂倉、6番末包で行きなさい。
2番サード上本、奨成に代えて野間、栗林に代えて森浦、モンテロに代えて久保。全部私の作戦と違います。
2年前の新井就任時はキャッチャー坂倉もいなかったし、末包もまだいなかった。島内もいなかった。
でもそこから2年経過して、ファビアンとモンテロが加わって奨成と大盛も出てきた。矢野も少し出てきた。
あの頃は全員野球で日替わり打線。競争競争、勝ちながら強くなる、で良かった。
でも今年は勝利最優先だと思います。
久保を育成するより羽月を出すべきだし、そもそも私ならモンテロに代走を出さない。1死2塁から2塁打を打つ野球をする。
サード広輔、サード上本、セカンド菊池、ファースト堂林。全部甘っちょろいスケベ野球です。
みんな上手いですよ。シブいですよ。
だけど今年のカープのベストかと言われると NO であります。
矢野の守備はセリーグ1位で、堂林の1塁守備もセリーグ1位。久保の足もきっと速いのでしょう。
でもこいつらをスタメンさせるとチームは弱いですよ。矢野と堂林は打てないから弱い。私は出塁率の話をしているんじゃありません。私は甘いタマを一発で仕留める能力がないと試合に勝てないと言ってるのです。
佐藤柳之介も結果は最高ですが、内容的には初見の優位さが一番効果的でした。
中日の松葉もオリックスから来た時はこんな感じだったかな。昨日の柳之介は中日の松葉をお手本にすればいいと思います。