昨日、私は道頓堀に飛び込む阪神ファンはサルマネ野郎だと罵りました。
一番最初に飛び込んだヤツはまあまあおもしろいが、二番目以降のヤツはもうおもしろくない。二番煎じ。
最初にアイディアを出したヤツだけがおもしろい。
そういう意味では「牛丼」をテーマに全世界を股にかける吉野家はたいへんおもしろい、となるのである。しっかり野球の話ですよ。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
100年の歴史
まずはこちらのCMを見てくれ。
この少年こそ後の鈴木一朗であります。
「会議などに!」の意味はよくわからんが、昭和50年代に「ファーストフード」の概念は日本にまだありませんでした。
マクドナルドが銀座に一号店を出したのもこの頃だったと思いますが、大阪では吉野家の方が先だった気がする。キン肉マンが吉牛を食ってた影響も少年にとっては絶大である。
吉野家は
「うまい、やすい、はやい」
をコンセプトに牛丼一筋で全国にチェーン店を展開していきます。
今では常識ですが40年前の当時、注文してから30秒でメシが出てくるなんてことは驚き以外の何ものでもありませんでした。
高度経済成長。イケイケドンドン。
男はテーブルに着くなり一言
「並」
と注文するだけでよかったのです。
牛すき鍋膳
そんな吉野家もBSE騒動を経てカレーライスや豚丼など、牛丼以外のメニューも提供するようになりました。
メニューが多彩になったことや店員さんの若返りもあって21世紀の今日、
「並」
の一言だけで注文すれば
「は? 何の並ですか?」
などと野暮な返事が返ってくるかもしれない。
それどころかタブレットで注文する店舗が増えたため、声に出して注文すること自体が野暮なのかもしれない。
私は昨日、吉野家で牛すき鍋膳を食べました。
こんなやつです。
タブレットで注文しました。笑
そして私より後に入ってきた人は牛丼の並を注文しました。その人の牛丼のほうが私より先に出てきました。
吉野家の牛丼は作り置き。
30秒でサーブされるのが一般常識。
牛すき鍋膳のほうは注文を受けてから温めるのでしょう。
5分くらい待って牛すき鍋膳が到着しました。
すき焼き鍋の下には固形燃料の炎が燃えています。
一口食べると白菜と玉葱がまだ固いんです。まだ煮えてないって意味。
2~3年前に牛すき鍋膳を食べた時、こんな感じはしませんでした。
単なる店員さんのオペレーションかもしれないし、ランチタイムだったので早めに提供したのかもしれない。
私は気にせず熱々の牛すき鍋を食べ続けました。
10分くらいで完食しました。ご飯がボリューミーで苦しかった。次はご飯少なめで注文しよう。
固形燃料はまだ燃えている。消そうと思ってフウフウ吹いてみたが消えない。お出汁が多めに残っていたので燃えたままでもまあいいか。ごちそうさまでした。私は店を出ました。
店を出てハタと気が付きました。
ひょっとしてもしかして・・・
吉野家の牛すき鍋膳って・・・
ゆっくり落ち着いて食べるもの
だったんじゃなかろうか?
もしそうなら固い野菜を出してきて、固形燃料が10分以上燃えていた理由も全てが繋がります。
高齢化社会。スローテンポの現代ニッポン。
吉野家はお年寄りに熱々のすき焼き鍋をハフハフゆっくり食べてもらいたかったんじゃないのか?
つまり吉野家は「うまい、やすい、はやい」の「はやい」を放棄したんじゃないのか?
そう思ってググってみたら吉野家の公式ホームページにしっかりこう書かれていました。
「うまい、やすい、ごゆっくり」 ※吉野家
マジか吉野家。負けたぜ吉野家。
しかも2013年の牛すき鍋初提供日からこのコンセプトを謳っていました。全然知らなかったぜ・・・
私が吉野家に行く時はいつも「早く食べて早く店を出てあげないといけない」と思い込んでました。すき家でもマクドでも。
だってそれがファーストフードだから。
お金と時間に追われるのが現代人の宿命だとずっと思って生きてきたからです。
日本シリーズのストライク判定
この話を踏まえていよいよ野球の話をします。
私と同世代の鈴木一朗は昨日、北海道の旭川東高校で相変わらずのスモールベースボール論を展開しました。
一方、これまた同世代の谷繁元信は日本シリーズでの球審のストライクボールの判定にブーたれてました。※スポニチ
私は吉野家で固い野菜が出てきても「まあ食える」と黙って食べました。
それどころか吉野家の深いCS、カスタマーサティスファクションにまで思いを巡らせました。
なのに谷繁やお前らは球審に文句言うだけ。安直で軽薄です。
私は文句言う前にまず考えます。
なんでこの人、こういうことをするんだろう?
なんで野菜が固いんだろう?
なんでさっきのがストライクで今のがボールなんだろう?
友よ、答えは風に吹かれている。
自分に気に入らないことがあっても、相手には相手の考えがあるのである。
イスラエルとパレスチナ。ロシアとウクライナ。
アメリカ側が一方的に正義だとは限らないのである。