九里の送りバントと二俣翔一の野性味

2024.8.18(日) 

ヤクルト 2-8 広島 神宮 

石川雅規が3回6失点。リリーフ陣はヒットを打たれながらもカープを5回2失点に抑えました。

中村奨成は4タコ。昨日の4タコは中身の無い4タコでした。

奨成の仕事はあくまで秋山と野間を休ませることなのか? やはりカープに2番野間は欠かせないです。

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2番野間の重要性

昨日のスタメンは2番奨成。

毎日スタメンで使ってくれるのは嬉しいけど、奨成は1~2番タイプではありません。

奨成は四球が少ない。小園と奨成で2球でツーアウトのリスクがある。

秋山も2番でチョコマカするのは苦手みたいだし、やはりカープの2番は基本野間、時々矢野。

 

来週は巨人阪神6連戦です。

来週の奨成の出場機会は「限られる」と思います。出番が減ると思います。

奨成が6試合連続でスタメン出場させてもらった理由は、勝負どころの巨人戦で野間と秋山にフル出場してもらうためではなかったか。

 

東京ドームの巨人戦はハッキリ言って首位攻防。優勝をかけた3連戦になります。森下→床田→アドゥワ

私はこの3連戦に「2番野間」が欠かせないと思います。よって奨成の出番は減るでしょう。

ただし高梨キラーとして奨成の存在は重要ですよ。

 

九里のバントは三塁線

昨日、カープの先発は九里亜蓮でした。

いつもそうですが昨日も気合が入っていました。

坂倉の先制スリーランで「今日は勝つ」とギアを上げたように見えました。

結果は6回1失点。98球。

タマのキレ、コントロールとも申し分ありませんでした。

 

そして九里は打席でも3犠打を全部成功させました。

1打席目は1死2塁からスリーバントで投手前への投犠打。

2打席目は無死2塁から三塁線に素晴らしい投犠打。

3打席目も無死2塁から三塁線に素晴らしい三犠打。

1打席目はサイン見逃しなのか、スイングした後、バントファールでカウント0-2。

無死2塁ならスリーバントでしょうが、1死2塁なので「ここは打たせるかな」と思いましたがスリーバント。九里はファールにならないようにとにかく中にバントしました。無理に送っても逆に2塁走者が危ないんだけどね。

 

2打席目と3打席は完璧な送りバントでした。ファーストストライクを一発で三塁側に素晴らしいバントを決めました。

右打者が三塁線へ送りバントするのは実はヒットを打つより難しい。ホントですよ。

三塁手に捕らせるバントをいとも簡単に決められる右打者を、私は数えるほどしか知りません。川相昌弘、和田豊ら。

 

インコースに来れば簡単です。だが「真ん中から外寄り」はかなり難しい。

昨日の九里は2打席目、真ん中高めストレートに「右脇を開けて」バントしました。これが川相や和田っぽい。

衣笠祥雄はプッシュ気味と言いますか、少し助走をつけるようにして三塁側へバントしていました。懐かしいですね。

昨日の九里の2打席目の送りバントには往年のシブい右打者の姿が何人も蘇りました。それほど美しい送りバントでした。

 

3打席目は6回裏無死2塁。7対1。

九里は1球で三塁側に素晴らしいバントを決めました。

内角ストレートにビビらず、ボールに顔を向けてバントしました。巨人の川相を見ているようでした。

まあ「川相」は少しホメ過ぎですが、それにしても九里の三塁線への送りバントがこんなに上手かったとは驚きました。

一塁側へのバントはもともと上手かった。

今度からは三塁側へのバントも使えます。

九里は今季ここまで26打数0安打。セーフティーバントも狙っていいんじゃないか。

 

本日の中村奨成

打席ではあまり内容が良くありませんでした。

ってか最悪でした。やはり調子に乗りやすい性格なのかもしれません、

石川雅規の日はサービスデーだよお… ヒット稼がないでどうすんだよ。

 

守備は相変わらず安定していました。レフトフライも危なげなく捕球。

「プロなんだから危なげなくて当然だろ!」

いえ、違うんです。

例えば野間峻祥。彼の「高いライトフライ」の捕り方は非常に危なっかしい。落としたことは一度も無いけどね。

 

野間のフライの捕り方は美しくない。

奨成のフライの捕り方は美しくなってきた。九里のバントも美しい。

 

アウトになれば何でもいいんじゃなくて、次も成功するかミスしないかを私は見ている。

もっと言えば美しいプレーはファンが喜びます。

昨日は中村奨成に美しいレフトの守備がありました。

 

5回裏7対1。2死1塁。投手九里、打者宮崎。

左中間の真ん中ににセンターともレフトとも言えない微妙な打球が上がりました。

奨成も全力で追いかけますが遠慮がある。真ん中の打球はセンター優先だからです。

 

秋山も最初は自分のボールだと思って追いかけ始めましたが、左打者の打球なので途中からスライスし始めました。

打球が落ち始めるあたりで、

「やっぱ頼む!レフト!」

と声を出しました。

レフトの奨成も最初は秋山が捕ると思っていたので、ぶつからないように走っていましたが、秋山の声を聞いて進路変更。

スライディングしながら美しくグラブの真ん中で捕球しました。

 

一昨日のファールフライを猛スピードでダイビングキャッチしたプレーももう一度見てみれば、奨成はちゃんと歩幅を合わせながら安全にダイビングキャッチしていました。決して闇雲に飛び込んでいたわけではありません。

ここまでレフトの守備を見てる変態は私くらいのものでしょうが、レフト奨成はもう90%安心して見ていられますね。

解説の飯田哲也も言ってましたが、あとは村上のホームランくらいフェンスに登って捕らなくちゃ。

 

コゾスエサカ

小園。4打数2安打1死球。

カープが優勝すればMVPは小園海斗だと私は思っています。

だけど素人の記者さんは数字を見て床田寛樹や栗林良吏に投票するでしょう。

昨日、ボロ勝ちの展開で秋山やキクが塁に出るたび、チラッとベンチを見るんですよね。

「そろそろオレ、交代かな?」

まず膝に爆弾のある末包が引っ込みました。

続いてキク、秋山交代。9回表には坂倉にも代打が出ました。

 

だけど小園海斗だけはフル出場。たまに二俣に代わることもあるけど、小園に感心するのは小園はベンチを見ないです。

小園は試合展開を読まないのか、目の前にただただ集中しているのか。

8対2なら「代えてくれよ」と思うのがレギュラーの性。

三連覇時代の松山竜平の

「野間はどこだ?」

も有名ですよね。

小園は二俣を探さない。大した23歳ですよ。

 

末包。4打数3安打0打点。

打撃内容も素晴らしいですが、存在感が素晴らしい。

末包が一人いるだけで打線が線になりやすい。

中村奨成はまだ自分がヒット打つことに必死なので、末包の前を打つのはちと早い。やはり2番野間は欠かせない。

 

坂倉。4打数3安打3打点。

先制スリーラン。2死無走者からコゾスエサカで3得点。

坂倉が引っ張った打球にはドライブ回転がかかりますけど、レフト方向の打球は伸びますね。

打つ時に左手を返し過ぎないのが伸びる要因でしょう。スライス回転させずにスタンドに届く打撃は東京ドームでも甲子園でも使えます。

また新しい引き出しが増えました、坂倉。

 

ついでに二俣翔一の美技。

9回裏、キクに代わってセカンドに入った二俣翔一。

オスナの打球がハーンの脇をかすめてセンター前へ。こんなのキクしか捕れないよ…

と思ったその時、出てきたのが二俣翔一。21歳。

キクのようにワンハンドキャッチからのジャンピングスロー。抜けると思ったオスナは走っていませんでしたし、ハーンも目玉が飛び出るくらい驚いてました。

 

このプレーに対して

「おお、忍者3号機だ!」

と評価するのは間違いだと思います。

二俣は忍者というより 野獣 タイプです。ビースト。

二俣もカワイイ顔の割に野性味があります。中村奨成みたい。

新庄剛志、鈴木誠也も忍者ではなくビースト。

内野手でビーストだったのは松井稼頭央とか高橋慶彦とか。

忍者とは言いたくない二俣翔一の野性味あふれるプレーでした。