昨日は色々おもしろいニュースがありました。
中でもトップニュースは「中村奨成一軍昇格」です。
これにはさすがの私も驚いた。故障明けでまだ二軍でも2試合しかスタメンしていないので。
高監督いわく「奨成の打撃はファームでは抜けている。走力もある」とのこと。中日新聞
アホやのう、高信二。
中村奨成の打撃は一軍でも抜けているぜ。
中村奨成の体調
昨日も書いたけど、奨成のこの扱いは完全に主力打者への扱いと同等です。
一軍が苦しい時、主力打者はケガが治り次第、二軍での実戦調整を最小限に留めて、早めに一軍昇格することが珍しくありません。
中村奨成はまだ二軍に合流して2週間ほど。ファームでスタメンした試合もわずか2試合。いずれも3打席、5回で退いています。
日本が梅雨明けしてクソ暑いことも多大な影響を持ちます。
二軍でスタメンしろと言われてもクソ暑くて毎日9回まで出場するのは困難です。
なら二軍で試合勘を取り戻すより、一軍のナイターで3打席立つ方が早く一軍戦力として計算できるんじゃないか。新井と高にはそんな目論見もあるんじゃないか。
昨日は私も「奨成はまだ守れない。だから代打スタートじゃないか。中日の先発も右投手だし」と考えましたが、新井監督は奨成について「外野起用して打力と走力を活かす」と発言。報知新聞
走力を活かす?
もしかして奨成って一軍でもスタメンするの?
代打でも走力は活かせるし、後述しますが奨成の外野守備は現状イマイチです。
でも打撃は確かに抜けています。カープ一軍の中ではね。
ずばり143試合スタメンした時の奨成への期待値は「打率.270~.290。本塁打10~12本」です。
この数字をどう捉えるかは人それぞれですが去年の坂倉は打率.288、16本でした。ちなみにマクブルームは.277、17本。キクが.265、5本です。
私が奨成にマクやキク並みの打撃を期待していることがおわかりいただけると思います。
中村奨成の打撃
ここからは奨成の打撃内容について解説します。
私が以前書いた「四番打者論」の中で良いバッターの条件は
[1]ボール球を振らないことが絶対条件
[2]相手の決め球を打てれば理想の四番
と書きました。上の二つは四番打者論。
一軍レギュラー論はこれに加えて
[3]甘い球をファールせずに一発で仕留める
が追加されます。[3]は当たり前すぎて四番打者論には書きませんでした。
中村奨成が今できることは[1]と[3]です。ボールを振らないことと甘い球を一発で仕留めることはできています。
あと奨成は打球方向が良い。甘い球をレフトに鋭く打てているし、厳しい球をセンターから右に追っつけることもできています。
ただしどれも現状では二軍レベル。だって一軍出場はまだゼロなんだもん。
私が村上宗隆を甘く見ている理由は「相手の決め球を打てないから」と「決定的な弱点があるから」の2点。
「ボール球を振らない」と「一発で仕留める」は非常に高いレベルになってきました。だけど三冠王はマグレ。村上もまだ「打率.270、35発」の力しかありません。落合博満はもちろん松井秀喜とも比較になりません。
中村奨成もまだ「決め球を打てない」「弱点がある」は克服できていないでしょう。これらを克服するには一軍で500~1000打席くらい立つ必要があります。
松井秀喜が怪物と化したのはプロ4年目でした。22歳。打率.314、38本塁打、99打点。当時は130試合制です。
松井は2年目と3年目にも20本塁打してるんですが、あの頃はまだ打順3番で落合博満や清原和博の前を打ち、「若手がチョロチョロ頑張ってるな」って感じでした。
だが3年かけて一軍で1000打席立った松井は4年目にコツを掴みました。んで山崎武司にあと1本と迫る38本塁打をマーク。翌年も37本塁打。
それでもまだ松井は打順3番でした。130試合で37~38本塁打する打者が3番。
松井がようやく四番定着を果たしたのはプロ6年目。24歳の時でした。今の中村奨成と同じ年でありました。
奨成もこれからだよという意味です。
奨成も松井とは比較になりませんが、プロ6年目で「後がない」と言うほどの「がけっぷち」はとうの昔に抜けていると私は考えます。
中村奨成の打力を簡単に捨てられるほど、カープ打線に余裕はありません。
中村奨成の打撃は一軍に絶対必要な戦力です。
忍耐力のないカープファンが100打席やそこらで「打てない」とやいやい言ってるだけなのです。
甲子園のスター選手ですから、にわかファンの期待値が高いのはわかる。
だが私たち有識者は奨成獲得が決まった2017年から
「線の細い中村奨成は6年くらいかかるだろうな。捕手をやらせるなら8年かかってもいい」
などと話していました。
中村奨成は今年が6年目です。「後がない」とか言う年齢じゃありませんし、打撃技術も確固たるものを身に付けました。
素人衆には見えないでしょうが、私には見えるのです。
中村奨成は一軍で打率3割近い数字を残せます。去年の秋山翔吾が打率.265、今年の秋山翔吾が.296の現状で宣言します。
中村奨成は一軍で.280前後打てます。ヘタすりゃ.300。.250未満で終わることはない。ケガ以外で二軍に戻ることもない。
中村奨成はボール球を追いかけません。甘い球を「いらっしゃい」と待っています。
んで甘い球が来ればレフトに鋭いライナーを打ちます。
追い込まれてもまあまあ粘れます。
速いストレートには少し差し込まれるかもしれませんが十分合格。160kmは誰にも打てませんし、二軍には160km投げるやつがいないので練習できません。
中村奨成の守備走塁
中村奨成の守備はまだイマイチです。
昨年6月から捕手専念。外野練習を再開したのは今年7月。まだわずか2週間です。実戦は3試合。
打球を処理したのは2度。レフト前のポテンヒットに反応が遅れタイムリーを許したプレーと、その直後の打者の左中間大きめのフライを無難にキャッチしたプレー。
熱心なカープファンの方がアップされた試合前練習の動画を見るとスローイングにもかなり問題がありそうです。
別の方の動画の中には奨成が廣瀬純と1~2分スローイングについて話し込む場面がありました。
奨成「捕球する時は右足が前ですか? 左足ですか?」
廣瀬「両方あるんだけど、俺は右が前」
奨成「へえ。僕は左の方がしっくり来ます」
廣瀬「左足が前だと強い球を投げられる。右足が前だとステップを1歩節約できる」
奨成「そうなんですか。俺はやっぱり左だなあ・・・」
なんだか私はハッキリ言って
「まだそこなのかよ・・・」
と衝撃を受けました。草野球レベルの会話だったからです。
いやまあ、そんな低次元の会話じゃないとは思うんですがね。
動画見てると、そうとしか見えないんですよね。笑
その動画もついでに貼っておきます。
奨成が今日スタメンで出れば守備でミスをやらかす可能性は高いです。レフト松山竜平と同レベル。
去年だいぶ上達したんですが、サード坂倉の煽りを受けて奨成は捕手に再コンバートされました。アホの佐々岡のせいで坂倉も奨成も1年成長が遅れました。
今回の昇格で奨成は捕手の道具を持ってきていないそうです。
じゃあイニング間のキャッチボールは磯村嘉孝がやるのね。気の毒すぎるぜ、磯村パンチ・・・
奨成の走塁は前に進むのは速かったです。大きなセンターフライで2塁ベース手前までちゃんと全力疾走してました。
ただし奨成のケガは左足かかとの故障です。ストップやターンなどは大いに不安が残ります。牽制バックも心配。
要するにランニングは問題なし。ダッシュ、ストップ、ターンが不安。スタメンで使うにしても盗塁は難しいと思われます。
やはり今の奨成は打撃のみ。守備走塁は期待できないというのが私の考え。ベースカバーの多いライトは無理でしょう。出るならレフト限定。スローイングもダメダメです。
森下とアンダーソン
最後に奨成以外のニュースも。
本日の予告先発は森下暢仁vs高橋宏斗。
おそらくカープの捕手は坂倉でしょう。
森下坂倉、小園と奨成。ベンチには羽月、矢野、大盛、末包。
このメンバーで後半開幕。しみじみとこみあげてくるものがあります。みんな由宇で一緒に頑張ってきたもんねえ・・・
日本シリーズもこのメンバーで戦うよ。んで来年の開幕戦もこのメンバーで行きたいね。
アンダーソンがリリーフ転向。スポニチ
昨日は色々なニュースがあると言いましたが、コレは想定外でした。公表しなくてもいいことだし。笑
まあノムスケと森翔平に目処が立ったから。コルニエルと玉村も計算できる。
高橋昂也がリリーフやってるのも新井監督のリスク管理。
アンダーソンは昨日ファームで投げました。2回2安打無失点。
2安打はいずれもどん詰まりの内野安打。150km連発で二軍を圧倒してました。
ただ8人の打者全員にボール球から入ってました。まあ大丈夫だとは思います。
新井貴浩も奨成スタメンを匂わせる発言でした。外野一本、走力を活かす。
そして最後に「今まで通りチーム全員で戦う」とも言いました。
今まで通り・・・
チーム全員・・・
ありきたりな言葉ですが・・・
新井が言うと・・・
非常に・・・
説得力があります。
特に「今まで通り」が。
4月からずっとチーム全員で戦ってきたもんね。ファームも含め、スタッフも含め。
新井は「後半戦も一気に行く」と言ってました。
点はなかなか取れないでしょうけど、坂倉を中心に「いつも通り」ロースコアで粘りましょう。