2021.2.8(月)
コザしんきんスタジアム(沖縄市)
第2クール3日目。今日もシート打撃の様子をレポートします。
昨日私が大絶賛した鈴木誠也。
その鈴木誠也をシート打撃で圧倒した男がいます。野球って奥が深いなあ。上には上がいる。
誠也を圧倒した男って誰だと思います? ちなみに一人ではありません。
29ケムナ誠
結論から言いましょう。
誠也を圧倒したのはケムナ誠と塹江敦哉。
いやあ・・・めちゃくちゃ良かったです、この二人。サイコーです。
昨年の疲れがちょっと残ってんじゃないのかな・・・と心配してましたが全くの杞憂ですね。
二人とも今年もバリバリバリです。バリバリバリっと計算に入れてOK。大絶賛します。
毎年同じこと言ってますが、キャンプの紅白戦とかシート打撃って120%打者有利ですからね。
だって味方には厳しい内角攻めをできないんだもん。
そんな中で「打った打たれた」は無意味なのですよ。まあ無意味は言い過ぎですが重要項目ではありません。
重要なのは「内容」です。
内容というのは「投手の球威」「投手の制球」「打者の反応」です。
球威は「見た感じ」でもわかるし「打球方向」でもわかります。球速にも大した意味はありません。打者の振り遅れ具合が重要です。見逃した時は打者の足が動いたり腰が引けたりしていたら投手優位です。
制球については「キャッチャーミットが動くかどうか」の一点です。
キャッチャーの構えたところにボールがズバーーッと決まれば私は背筋がぞくっとします。こういうピッチャーにシビれるし憧れます。真っ直ぐとフォークで力任せに三振取るヤツはキライです。千賀とか菅野とか大谷翔平とか。ピッチングに説得力がありません。ま、キライじゃないけどオシャレじゃないって感じ。
んで打者の反応も観察します。打者の見逃し方でタイミングが合ってるどうかがわかるし、スイングした時には自分のスイングを思い通りにできているかどうかを見ます。
以上の観点からケムナvs鈴木誠也をレポートすると、
初球、ケムナ自慢のドロップカーブ。
誠也は後ろにのけぞるように見逃しました。内角低めに決まるストライク。誠也は球審に「うそーんw」と抗議しました。
2球目は外角144kmストレート。ミットは1mmも動かず。ズバーーー見逃し。誠也は全く反応できませんでした。
3球目はスライダー。ケムナのウイニングショットです。見事にストライクゾーンからボールになる軌道を描きましたが誠也は見逃し。カウント0-2なので「ストライクからボールになる」ことは誠也でなくても予想できます。カウント3-2だったら振ったかもしれないナイスボールでした。
4球目。おそらく誠也の頭の中は「7割ストレート、3割スライダー、カーブはイヤだな」だったと思います。ここまでの配球なら普通の打者はこう考えます。
んで最後の球は落ちる変化球、たぶんフォークボールだと思うんですが、もしかしたら3球目と同じスライダーかもしんない。
とにかく誠也、空振り三振。泳いだ空振りは片手が離れてくるりんぱ。とってもブザマな三振でした。
誠也をディスってんじゃありません。ケムナを絶賛しています。石原貴規もよく誠也を観察していましたね。
去年の今頃、私はケムナを酷評していました。
「レギュラー取る気あるんか、ボケ!」と。
この記事は元近鉄の加藤哲郎さんにもいいねを戴きました。一軍二軍の当落線上にいる選手は今日、今、この瞬間が野球人生を決める時です。去年のケムナは失敗した。今年のケムナは大成功した。
四番を三振という結果ではないのです。
誠也の目線を上げ、差し込んで、泳がせた。完璧投球。
実はケムナには先発完投能力もあるんですが、今年も8回か9回を投げてもらいましょう。4年目25歳。
防御率2点台は間違いなし。もっと上も狙えます。今季年俸はいくらよ? え、1600万円?
あいかわらず安いなあ・・・苦笑
これじゃ来年1億円に届かないじゃないの。
防御率1点台、60試合登板で30セーブなら400%アップの8000万円くらいかなあ。安いなあ・・・笑
36塹江敦哉
ほりえあつや。7年目。もうすぐ24歳←早生まれ
今季年俸は1900万円。
この人はケムナほどの威圧感や怖さがありませんが、頭の良さとフィールディングの良さがあります。
鈴木誠也との対戦では内角低めストレートと外角低めストレートでカウント1-1。
3球目は塹江の大得意なカウント球。外角低めのスライダー。ボールからストライクに入ってくるタマ。
これをズバズバ投げる左ピッチャーってカープでは大野豊以来です。私はカウント球にも萌える変態オヤジなのです。笑
これでカウント1-2と追い込みました。
4球目、私は外角シュートか真っ直ぐだろうと思ってましたが、なんとまさかまさかの連続大野ダマ。外スラ。
誠也三振。見逃し。全く手が出ず。
石原のリードもお見事ですが、塹江は腕の振りが良い。腕を振って真っ直ぐもスライダーもよくキレています。投げ終わった後の美しさは森下と双璧。
この日は外角シュートもズバズバ決まり、課題の右打者対策もgood。
2020年の塹江は対右.309、7本塁打。110打数34安打。
対左.211、0本塁打。76打数16安打。全部単打。塹江は対左打者に1本も長打を打たれませんでした。
右打者へのシュートが制球できれば鬼に金棒じゃないですかね。
石原貴規にソロを打たれましたが、キャッチャーの構えたところにビシッと行ったストレートです。全く問題ナシです。
野間を一塁牽制で刺しましたし、ピッチャーゴロや一塁ベースカバーでも美しい守備を見せました。昨日打球を受けた高橋昂也君とは雲泥の差です。
塹江には7回か8回を投げてもらいたいですね。30セーブなら1億狙えますが、30ホールドでは7000万円くらいでしょうか。
その他、良かった人、悪かった人
実はまだもう一人誠也を圧倒した男がいます。笑
それは最後の最後に発表します。
シート打撃で良かった人。
中村祐太・・・真っ直ぐもスラも良い。開幕ローテ入りはかなり有力です。
石原貴規・・・中村奨成もイイが石原もイイ。アツより上じゃないかとマジで思ってます。
羽月隆太郎・・・守備が良くなっている、特に肩が強くなってる。この日は左打者の松山と曽根を5-4-3のゲッツーに取りました。左打者を5-4-3でゲッツーにするには二塁手がかなり強肩じゃないとできないです。
野間峻祥・・・守備走塁にポカが多いですが今年は打球が強いです。走りながらの大振りなのでまだ信用できませんが2018年もこんな感じだったなと少し懐かしいです。
床田寛樹・・・キレてます。去年の今頃よりずっと良い。ただ開幕ローテ入りは未定。今は祐太の方がちょっと上です。
矢崎拓也・・・コントロールはアバウトですが一軍で使えない投手ではない。ボールが強いからです。
矢野雅哉・・・意外と打ちますね。守備は期待以下でしたが打撃は意外と粘っこいです。この日はサードを守りました。
さて今日のガッカリちゃんたち。そろそろ二軍降格があるやもしれぬ人。
森浦大輔・・・期待の森浦だったんですがフリー打撃、シート打撃の2回見てたいへんガッカリしています。いくら何でもストレートが弱すぎる。130km出てるか出ないか。ストレートよりスライダーの方が速いんじゃないかと思うくらい。100kmのスローカーブも持っているのでもっとこれを見せないと厳しい。
大道温貴・・・真っ直ぐは確かに力強い。ただいかにも「速いタマを投げますよ」って感じで投げるので威力が100%発揮されません。スライダーも投げてましたが一軍ではちとキビシイと見ます。ごめんなさいね、イケメンなのに。あとやっぱセットの方がバランスがいいと思います。クイックはヘタでした。
大盛穂・・・とにかく打てない。守備練習を見ていると体のキレはあります。しかし打球は外野まで飛びません。投ゴロと二ゴロばかり。打撃では正膸と野間に負けてます。
フランスアがぼちぼち合流するんですよ。おそらく一軍だと思います。
そうなると当然誰かが二軍に落ちる。高橋昂也は三軍が決定。坂倉との黄金コンビがまさか三軍で揃うとは。苦笑
西川龍馬はまだ一軍は無理でしょうけど、フランスアが合流するタイミングでアドゥワとかヤスとかいっちーとかザキとかが合流する可能性はある。森浦と大道はかなり厳しい状況です。
最後、玉木コーチ
ハイ。誠也を圧倒した男。3人目は玉木朋孝です。
シート打撃では1塁コーチ廣瀬、3塁コーチ玉木でずっとやってます。一安心です。
んで昨日、3塁コーチャーの玉木がやってくれました。1死2塁で走者石原、打者が野間。
野間は大道のストレート力強く引っ張って大きめのライトフライ。かなり強風だったためライトの曽根がちょっと後ろ向きに捕球しました。
2塁走者の石原貴規は3塁へタッチアップ。
玉木コーチは石原の1歩目から「回れ回れ」と腕をグルグル回しました。
ふう・・・
あたしゃずーーーーっとこれが見たかったよ。
石原はポカーンと3塁を蹴って悠々ホーム手前でアウトでしたが、あたしゃコレが見たかった。しみじみ・・・
んで試合終了後、玉木コーチが鈴木誠也以下野手全員を輪にして何やら熱く訓示をたれておりました。
シート打撃は打撃と投球だけでなく守備と走塁の練習でもあります。
ここまでのシート打撃では盗塁死が目立ちます。奨成と石原が盗塁を刺しまくっているのですが、野手陣にとっては少し情けない。
この日は挟殺プレーでミスがありましたし、曽根の捕球もマズかった。キクも矢野もやけにポロポロしています。
練習後に玉木がみんなに何を言ったのかはわかりませんが、ライトフライで一気にホームインを狙うプレーはたいへん良かったです。鈴木誠也も圧倒されたんじゃないでしょうか。
玉木が3塁にいるとホント嬉しいです。