セリーグも2027年からDH制度ということで、投手が打席に立つ野球も残り60試合ほどとなりました。
DH反対派だった人の多くは
「投手交代の妙がなくなる」
ことを寂しがっていました。私もその一人です。
ですから今日は、この妙を存分に楽しんでみようと思います。よろしくどうぞ。
セリーグあるある
2026.5.4(月)
DeNA 11-8 広島 横浜
私が過去に何度も書いてきた「セリーグあるある」が5月4日のDeNA戦で炸裂しました。
この試合、カープが4点先制しますが、先発・大瀬良が3回までに6点取られ、3回裏1死12塁でノックアウト。
ここでリリーフに出てきたの が 辻大雅 でした。
辻は1死12塁のピンチを凌ぎ、無失点で切り抜けました。球数6球。
4回表4対6。カープの攻撃は5番野間から。
野間はヒットで出塁しますが、6番7番が倒れて2死3塁。
打者は8番持丸。ネクストにはモンテロ。辻はベンチ前でキャッチボール。イニング跨ぎの構えです。
打順が回れば代打モンテロでしたが、持丸二ゴロでスリーアウト。
モンテロは下がり、辻がマウンドに向かいます。
4回裏4対6。辻は1失点しますが、2アウト。
4回裏4対7、2死1塁。打者5番山本祐大。四球。
4回裏4対7、2死12塁。打者6番勝俣。辻の球数27。
問題①
あなたは4回裏4対7で、辻を代えられますか?
まあ勝又は左ですし、30球まで辻続投という考えも理解できます。
結果は二塁打。4対9。
問題②
あなたは4回裏4対9で、辻を代えられますか?
次打者は右の蛯名です。辻の球数29。
結果はツーラン。4対11。
問題③
あなたは4回裏4対11で、辻を代えられますか?
ホームランを打たれたので2死走者なし。打順は8番林です。9番は投手の竹田。球数32
結果は林に二塁打。竹田は三振。球数39
投手交代のジレンマ
次の回に投手の打順があるからピッチャーを代えられない。
この心理状態に名前は付いていません。私はこれを「セリーグあるある」と呼んできましたが、今日から「投手交代のジレンマ」と呼ぶことにします。まあもう残り60試合でなくなっちゃうけどね。
この試合、実はカープのブルペンは9人でした。敗戦処理要員として常廣と健矢がいました。
辻大雅も昨年は敗戦処理&ロングリリーフをしてましたが、今年は春から二軍でも 火消し を担ってました。
島内の不調で森浦が9回に回ったため、走者ありでリリーフしてピンチを切り抜ける仕事は辻大雅がやっていました。
6球で降板させるのはもったいないという気持ちは理解できます。
イニング跨ぎが成功する確率も50%あります。
しかしセリーグで50年野球をしてきた私は失敗確率も 50%ぐらいある と感じています。
今回のケースは4点先制した試合で11失点しました。新井のスケベな継投策は 大失敗 と言わざるを得ません。
ゴールデンウィーク9連戦でしたが、前日5月3日の試合は雨天中止のため、カープは中1日空いていました。
5点失った5回表。辻の代打に出たのはルーキーの勝田でした。中飛。
大瀬良はこの試合後に登録抹消。現在まで一軍昇格はありません。
ヤクルトの続投策
で、オールスター前のヤクルト戦。
カープは1勝2敗でしたが、初戦のアドゥワvs高橋奎二の試合でこんなことがありました。
5回裏3対0。先頭打者9番高橋奎二。球数80
3対0というのはカープから見た得点です。ヤクルトは3点負けていました。
問題④
あなたはここで高橋奎二を代えますか? 3連戦後はオールスター休みです。
ハイ。
池山はなんとここで高橋奎二を打席に立たせて打たせたのです。二ゴロ。
実は池山は3戦目の森翔平vs吉村の試合でも、6回裏3対0で先頭打者の吉村をそのまま打席に送っています。三振。
新井は7番床田とかをやるくせに、投手交代は代打を優先させます。
この「投手交代のジレンマ」は平成時代まで、ほぼすべてのセリーグ監督がやっていました。
90%の監督が辻を5失点するまで引っ張っていました。
ところが10年くらい前から、打たれる前に投手を代える監督が増えました。
「先発完投」が激減する一方で「リリーフのイニング跨ぎ」も10年前から激減したからです。
ただ「イニング跨ぎ」は激減しましたが、現在でも「次の回に打順が回るから3アウトまで頑張ってもらおう」というジレンマを抱えている監督は多いです。
リリーフ投手の球数はあまり関係ありません。引っ張る時は30~40球でも引っ張ります。
でもヤクルトはそれをやりませんでした。
1点差ならわかりますが3点差の5回裏や、3点差の6回裏に投手を打たせたことは非常に新しいなと思いました。もう残り60試合しか見られないけど。
池山の野球
ヤクルトの高橋と吉村がエース格だから代打を出さないというのも理由ですが、もう一つの理由は「代打を出してもせいぜい3割」だからです。
ピッチャーが打っても.100。バッターが打っても.250。
代打を出してもどうせ打てないよ。だったらリリーフ節約しよう。
というのがヤクルトの方針なのでしょう。
ヤクルトは開幕直後、無死1塁で9番投手に打たせていました。送りバント無しでした。
私はこの作戦を支持できませんが、その時期ヤクルトは首位でした。
辻の成績
辻大雅の今季成績は26試合2勝1敗、防御率3.65です。
この5失点を除けば辻の防御率は 1.90 となります。23.2回で自責5だからです。
ハッキリ言ってリリーフ投手の5失点はお給料に影響します。
辻は「チームのためなら気にしない」と言うでしょうが、防御率3.65と1.90なら年俸1000万円は違ってきますよ。
(例) 50試合3.65 800万→1800万
(例) 50試合1.90 800万→2400万
ゴメン、600万円だったわ。
それでも来年また活躍すればこの600万円の差は大きくなります。
ジレンマを楽しめるか?
私はこの「投手交代のジレンマ」をいつも楽しく観察している。ヤクルトのジレンマにも感心しているくらいだ。
投手出身の藤川球児も割と打順を気にせず、投手を打たれる前に早めに代える。
私が覚えているのは春先連続完封していた高橋遥人を次の回に打順が回るのに降ろした試合です。
4月5日(日)の広島戦で藤川は高橋遥人を80球で降ろしました。6回1失点。
連続完封でノリノリの時期でしたが、この日は球が高くて私も「打てそうだ」と感じていました。
阪神は8回表に打順が回るから、7回裏まで高橋に投げさせるのが普通ですが、藤川は打たれる前に高橋を降ろしました。私はブログで「さすがだ」と藤川をホメました。※参考記事
新井もたまにやりますが、確率は低いです。新井は「代打優先」で継投します。
代打優先で投手交代が遅れると、余計な失点をして試合を落とします。次の回に出ていく代打も、気のせいかバツが悪そうに見えます。
新井が同点の9回裏にクローザーを出して、12回に力尽きるパターンは来年以降も見られますが、代打出したくて余分な失点をする「投手交代のジレンマ」は今シーズン限りです。
しっかり楽しみたいと思います。