MLBも投高打低

昨日NHKの球辞苑を見ました。

DeNAの中川と宮城が「フォークは5種類投げ分けてる」とか「カーブの軌道がバッターに見えないように工夫している」とか言ってました。

これが何を意味するかというと、今の投手は「動作解析を経て自分の投げたい変化球を自由に練習できる」という意味です。

 

カーブとシンカー

DeNAの宮城は「カーブを投げる時はストレートより前でボールをリリースしている」と言ってました。こうすることによりバッターがカーブだと気付くのが遅れるという。

佐々岡真司や桑田真澄のカーブはストレートの軌道から一旦外れることで、バッターの目線を変えられると言われていましたが、宮城投手のカーブはMLBのパワーカーブのように、途中までストレートの軌道で行き、そこから激しく落ちる。落差も大きいとホメられていました。

 

西武・糸川投手の得意球はシンカー。糸川も宮城と同じように「大きく曲げるより打者の近くで曲げることを意識してる」と言ってました。こちらも変化球を打者にまっすぐと思わせるためです。

二人はスタジオでカーブとシンカーを実際に投げてました。芸能人が「捕れない」とか「打てない」とか騒いでましたが、宮城も糸川もキャッチボールを少ししただけで投げてる感じで、5割ぐらいの出力でした。まあそれはいい。

私が何を言いたいかというと、今の時代は動作解析がどんどん進化して、投手は「変化球を思い通りに投げられる」ということです。正確には「投げられるように思い通りに練習できる」と言った方が正しい。

 

打高投低

こんなの見せられりゃ「そりゃ打高投低になるよね」と言わざるを得ません。

2025年の3割打者はセ2人、パ1人でした。2024年もセ2人、パ1人。

MLBの3割打者も2025年はナ1人、ア6人。2024年はナ3人、ア4人

パリーグとMLBにはDHがあり、MLBは30球団あって3割打者が7人です。

 

投手が思い通りの変化球を投げられると、そりゃ打高投低になります。

「バッターも動作解析をして、スイング軌道を自由自在に改善できる」と言われましても、相手投手が同じタイミングでストレートばかり投げてくれるならその練習も効果的ですが、相手投手はバッターに思い通りのスイングをさせないように練習するのですから、そりゃバッターが不利になるのは仕方がないんじゃないでしょうか。

 

DeNA宮城はもっと違ったカーブも投げられるし、西武糸川もシンカーをもっと大きく曲げることができますが、彼らはバッターの反応を見て、今の曲げ方を 選択 して投げているのです。

「空振りを取る変化球」と「1球でゴロを打たせる変化球」を近頃の若手投手は選んで投げ分けているのです。

巨人の田中瑛斗は「シュートでフライアウトを取るくらいなら、ゴロのヒットを打たれた方がマシ。僕のシュートはゴロを打たせるためのボールだから」と言っていました。なかなかいいことを言うなと思いました。

 

バッターの対応

ではバッターはどう対応すればよいのか?

これはもう「いかにボール球を振らないか」に尽きると思います。

ストライクからボールになる変化球はどれだけ練習しても打てるものではありません。バッターがボール球まで打てるようになると、野球というスポーツは成立しなくなります。

結局、昔から変わらないことは「ストライクを打って、ボールを振らないやつが3割打てる」ということです。今はそれでも.270しか打てない。

令和の今日、バッターにとって厄介なことは「投手がどんな変化球でも投げたいように練習できる」ということです。

 

DeNA中川投手は「高めのボールゾーンから大きく落ちてくるフォークボールを意図的に投げている」と言ってました。

私らの通説では「高めのフォークは落ちない、曲がらない棒球」でした。しかし、中川に言わせると「早めにリリースすれば意図的に投げられる」とのこと。VTRではあんま曲がってないように見えましたが、バッターは確かに反応できていませんでした。

高めのボールゾーンから落ちてきてバッターの手が出ないフォークと言えば、黒田博樹が巨人の松井秀喜に投げたフォークが有名ですが、黒田は後に「あれはマグレで失投だった」と明かしています。そりゃそうだ、あんなの狙って投げられるわけねーだろ、と10年前の私も笑いました。

あれから10年、今はそのタマをマジメに練習している投手がいる。そりゃ3割打者も減るわけだよ。

 

上原浩治は先発投手なので、20年以上前から5種類くらいのフォークボールを投げ分けてました。あいつは高めのボールからストライクになるフォークボールを意図的に投げてました。

大魔神・佐々木主浩には2種類くらいしかフォークがありませんでしたが、リリーフだからそれでよかった。それに大魔神は内角のストレートでゴロを打たせるのも意外と上手かった。

今も昔も「バッターにどのような打球を打ってもらうか」を選択するのは投手に主導権があります。昔はそれを経験と感覚で磨いたものですが、今は映像と数字で導き出せるシステムができているのでしょう。

カープも同じ練習を一生懸命やってるんでしょうけど、よく打たれるわねえ。

 

カープの対応

西武の糸川投手はENEOS時代からデータ解析を受けていたそうです。

私は知りませんが、youtubeのトクサンTVなんかを見てると、スマホ1個で「回転軸の方向」や「何千回転」ぐらいは測れるみたいです。ラプソードってやつですよね。

仙台大学や近畿大学は知りませんが、明治や青学クラスなら当然いろんな機器が備わっているでしょう。

 

2025年のカープのチーム打率はセリーグ3位の.247でした。阪神は.246。

打つのは悪くないんですよね、首位打者の小園は言うまでもなく、奨成も3割打てるし、ファビアンも途中まで3割だったし。

6番ファビアンがセリーグ首位打者だったので、打順を4番に上げたのが7月でした。4勝16敗の月。んで2番ファビアンにしたら、今度はヒット数のわりに得点が入らなくなりました。

 

ヒットを打つのが難しい時代に、ヒットを待ってるだけではやはり弱いです。

だからMLBはホームラン狙いに変わってきてるし、藤川球児は1回表から平気で送りバントしてきます。その頃のカープは連日、2番ファビアンが無死1塁でポップフライを打ち上げていました。

1回表に送りバントしろとは言いませんが、1アウト取られてる間に走者を一つ進める野球はやっぱり重要です。だから私は2番小園がいいと思うのです。

 

新井は今年、3番小園にこだわりましたが、2番ファビアンが塁に出ても3番小園のヒットでは1塁2塁にしかなりませんでした。

もしも1番が足の速いバッターで2番が小園だと、小園のヒットで1塁3塁を作れる。ここで3番奨成と4番ファビアンを自由に打たせたい。

1番が羽月や大盛だと打順が「左→左→右→右」になるから、2番にファビアンを入れたくなるのがアホ野球の始まりです。

2020年に始まった朝山東洋ジグザグ打線は2022年の新井貴浩登場で一時落ち着きました。2022年は2番野間、3番秋山、4番龍馬、5番坂倉とか普通にありました。

 

ジグザグさせたい気持ちもわかるが、モンティは割と右打ちができますが、ファビアンは追い込まれるまで右打ちしない。12塁間が開いてても、ファビアンの打球がそこへ飛んだことはありません。

だからファビアンに右打ちをさせるんじゃなくて、もっと自由に打たせようってことです。ファビアンを2番で使うなら1番は小園です。小園が出て奨成とファビアンで返すのが理想の攻撃だと思います。

 

あとは足ですね。機動力。

里崎だか高木豊だか忘れましたが、また成功率が低いと言ってましたね。いいんですよ、盗塁成功率が低いのはエンドランの失敗ですから、バッターのほうが悪いです。走ってアウトは全然OK。

来年は足もバンバン使って行こう。末包と坂倉が今年こんなにスカタンだとは思いませんでした。来年もあれだと走らないと点になりませんよ。


おしまい
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ありがとうございました。

-雑感