DH制度と大谷ルール・まとめとおさらい

2027年からセリーグにも DH制度 が導入されます。

ですから今日は改めてDH制度について詳しく解説していきたいと思います。

あなたが知っていそうで知らない細かなルールを 10個 指摘します。

前半はアホでも知ってる常識ルールですが、後半は 大谷ルール も絡んできてけっこう複雑です。知っとかないと来年恥をかきますよ。

 

1.DHは投手にしか使えない

1つ目。

まず指名打者(DH)は 投手にのみ 出すことができます。

指名打者をキャッチャーやショートの選手の代わりに出すことはできません。

必ず 投手の代わりの打者 であることが条件です。

 

DHとは「Designated Hitter:デザグネイティド・ヒッター」

「Designated」は「指定された」という意味ですが、「for the pitcher」が省略されていると考えてください。

DH=Designated HItter for the pitcher

「投手の代わりに指定された打者」です。

もう少し丁寧に言うならDHは Designated Hitter instead of the pitcher です。

 

2.試合途中で打順を変更できない

2つ目。指名打者は試合中に 打順を変更できません

3番ライトと5番レフトを同時に交代させた時、新たに出場する2人の選手はどちらが3番でどちらが5番で出場してもOK。3番レフトと5番ライトに入れ替えられます。

 

しかし3番ライトの選手と4番DHの選手を同時に交代させた時、DHの打順を4番以外に変更することは不可能です。

7回表の攻撃で、1番センター・3番ライト・4番DHの3人を代えたとしましょう。

この場合、7回裏の守備を「1番ライト・3番センター」にすることは可能。もちろん「1番センター・3番ライト」のままでもOK。

しかしDHは必ず4番じゃないといけません。なぜかは知りません。昔からずっとそういうルールです。

 

3.DHは必ず1打席立たないといけない

3つ目。DHでスタメンした選手は 必ず第1打席を終了 しなくてはなりません。

これは私も知りませんでした。2011年5月のオリックスvs広島戦で起こった「DH今村事件」でセリーグにも広く知られるところとなりました。

当時はまだ予告先発制度が無く、その日に投げない先発投手を「偵察要員」としてスタメン野手のところに入れ、相手の先発投手が発表されると1回表のプレボール直後、偵察要員のところに右打者と左打者のどちらかを入れるという戦い方が頻繁に行われていました。

 

このように通常の守備位置を守る野手であれば、試合開始1球目を投げる前に交代させることができるのですが、なぜか指名打者だけは昔から1打席立たないと代打を出せないというルールとなっています。

予告先発投手のある現代ではもはや影響は少ないですが、もし先発投手がアクシデントで緊急降板したり、予告先発が将来廃止された時などに影響してくるルールなので覚えておきましょう。

 

4.DH使用は試合開始から

4つ目。DHは必ずスタメン起用しないといけません。

9番投手で試合を始めて、打撃の良い投手がマウンドを降りました→途中からDH制に変更はできないのです。

DHを使用するのであれば必ずプレーボールから。

 

5.DH解除はいつでもできる

5つ目。DHの使用は必ず試合開始からですが、DHの解除はいつでもできます。その場合は従来のセリーグのようにラインナップにDHではなく「投手」を加えます。

DHを解除するケースは滅多になさそうですが、実はけっこうあります。

 

例えば新井貴浩のように守備固めと代走をふんだんに使う野球が好きな場合、最後の野手を全員使いきってDH解除するケースが結構あります。「守れる野手」が8人になるケースは結構ある。

例題。

「延長10回表3対3、4番DHモンテロがヒットで出塁。代走に大盛を送り、5番坂倉がツーランホームラン。5対3」なんて場合、

「4番DH大盛がレフトに入り4番レフト大盛。3番ファビアンに変わりまして、3番ピッチャー森浦大輔」

なんて采配は普通に考えられるパターンです。

 

6.DHは別に使わなくてもよい

6つ目。DHは必ず使わないといけないものではない。

従来通り、9番に投手を入れて9人野球をやってもよい。

解除してもいいのですから、当然試合開始からDHなしでスタメンを組んでも構いません。

プロ野球の場合は滅多にないでしょうが、実は高校野球ではDHなしで戦うチームは 結構多い のです。後述します。

 

7.大谷ルール・投手編

以上の6つは昔からあるDH制度の基本。

私も実は「DH今村ルール」を知りませんでしたが、あとの5つは当然熟知していました。

ところが今も私がよくわからないのが 大谷ルール であります。

これは最近できたルールなので全くわからない。今から大谷ルールを 4つ 解説します。2つは簡単。2つは難しいです。しっかりとついて来てください。

 

大前提として大谷ルールは

先発投手のみ が対象です。

大谷翔平がいずれリリーフに転向するようなことにでもなれば、尻軽なMLBはまた新たなルールを追加するかもしれませんが、現状の大谷は先発投手なので大谷ルールは先発投手にのみ効果を発揮します。

 

DHのルール7つ目。大谷ルール・投手編。

先発投手とDHを同じ選手(2wayプレイヤー)が担う時、先発投手大谷が降板してもDH大谷は試合に出場し続けられるというもの。

これが今最もよく使用されている大谷ルール・投手編。

 

8.大谷ルール・野手編

8つ目。大谷ルール・野手編。

こちらは7つ目と反対で、野手大谷が退いた場合も先発投手大谷は試合に出場し続けることが可能というルール。

こちらのパターンは滅多にないと思いますが、何年か前に1回だけあったような気がします。←うろ覚え。間違ってたらごめんなさい

 

大谷翔平に代打が出ることは考えられませんが、例えば日本ハム矢沢や中日根尾がDHピッチャーで先発した場合、DHに右の代打が送られた後も、矢沢や根尾は続投できるということです。

滅多にないでしょうが一応こういう戦法もルール上は可能です。覚えておきましょう。

 

9.DH投手は再登板不可

9つ目。これが今日一番覚えて帰ってもらいたい 最重要ルール です。

プロ野球にはあまり関係ない話なんですが、高校野球にめちゃくちゃ影響します。今、甲子園が真っ盛りなのでこの記事を書いています。

 

実は大谷翔平が4番DHでスタメンした場合、大谷が一旦ライトに回ってDH解除。8番ライトの打順に8番ピッチャーを入れたとします。

この後、8番ピッチャーが降板し、4番ライトの大谷翔平が再びピッチャーとして投げることは可能でしょうか? 不可能でしょうか?

 

実は・・・

 

私は非常に 理不尽だ と思うのですが・・・

 

なんと大谷翔平は 再登板できない そうです。

 

プロ野球にこのルールは必要ないかもしれませんが、高校野球においては結構 死活問題 でありまして、酷暑の中で先発したエースをいったんライトで休ませる。んで8回から再びマウンドで投げさせるというのは常識的な戦法でした。

大谷ルールを使わない「4番ピッチャー大谷翔平」でスタメンすれば、大谷はライトに行った後、再びマウンドで投げることは可能です。

しかし「4番DH大谷翔平」でスタメンすると、DH解除の時点で大谷はピッチャーに戻れないのであります。

 

「なんでや? ピッチャー大谷は確かに一度交代したけど、バッター大谷がピッチャーやるのは別に自由やんけ」

私も最初はそう思いました。昔なら指名打者がライトに行って、その後ピッチャーで投げるのはOKだったはずです。

ただしプロ野球ではDHでスタメンした野手がライト経由で投手をやったことなど一度もないでしょうし、西武のデストラーデはDHからライトを経由せず直接投手でマウンドに立ちました。

高校野球は去年までDH制度が無かったため、無論この事例はありません。そして現在のルールでは「DHスタメンの先発投手→他ポジション→再登板」は明確に禁じられております。

 

なぜかはよくわかりませんが、大谷ルールで先発した投手は一旦マウンドを降りるとその試合で再登板することができません。

一応ルール上では「一度退いた役割に再度つくことはできないため」だそうです。

地方大会でこれを間違えたチームがいくつもありましたし、全国大会ではDH先発投手を使うチームは意外に少数派です。※SBC信越放送

打撃の良いエースピッチャーほど4番DHではなく、「4番投手」で先発しています。これは再登板の可能性を失いたくないためであります。

 

10.大谷ルールは途中からも使える

10個目。最後の大谷ルール。

実はこれは厳密には大谷ルールではなく「従来からあるDHルール」です。

例題。

9回裏3対3。4番DHモンテロがヒットで出塁。代走辰見。5番坂倉アウトでスリーアウトチェンジ。

延長11回裏3対3。2死12塁で打順4番辰見。カープの控え野手はゼロ人。控え投手もゼロ人。11回表をゼロに抑えた投手はリリーフ転向した森下暢仁でした。

 

ここで問題です。

カープは4番DH辰見の代打に 投手森下 を送ることはできるでしょうか?

 

正解は・・・

 

 

可能 であります。

DHの打順でその前の回を終了した投手が打席に立つことは可能です。

これは昔のDH制度でもOKだったルールです。私は一度も見たことありませんが。

 

ここで重要なのは 森下が12回表のマウンドにも立てる という話です。

「大谷ルールは先発投手にしか適用されない」と書きましたが、この話は「DH解除」の話ですから、打撃の良い投手であればDHの代走の代わりに打席に立つことができるのです。これは 忘れてはならないオプション です。

 

現実の世界では辰見の打撃は良いですし、森下暢仁は先発で起用されるべきですから、上と全く同じケースは発生しませんが、今後「代走専門の今井譲二」みたいな選手が現れて、床田や森下のような打撃の良い投手が投げていれば、「攻撃中のDH解除」という裏技もオプションに加えることができます。

これは大谷ルールの裏側と言いますか、リリーフ投手のDH解除という裏技。

大谷ルールなら先発投手はDH解除後の再登板は不可ですが、リリーフ投手はDHを解除すれば再登板も続投も可能です。実行可能なオプションだと私は考えます。

カープに二刀流選手はいませんが、パリーグには結構二刀流がいますし、もし山梨学院の菰田君がリリーフ起用されるならDH解除して打たせるという可能性もあると思います。

  • B!