2025.10.20(月)
ソフトバンク 2-1 日本ハム 福岡D
昨日はCSファイナルを最後まで見たよ。ナイスゲームで非常に感動しました。
今日は昨日の試合の寸評を書きます。カープの話はありません。
ソフトバンク寸評
モイネロ。7回1失点。6奪三振
立ち上がりは球威がありましたが、3回あたりからストライクボールがはっきりし始めました。
しかし5~7回はカーブを軸に、ピッチングを立て直してきて感心しました。やっぱさすがです。
キャッチャー海野のサインにことごとく首を振り、ハム打線をカーブで追い込みカーブで仕留めたモイネロ。
近年では不調の日に不調のピッチングができるエースは珍しくなりましたね。
牧原大成。3打数2安打。
パリーグの首位打者が大一番でまさかの9番スタメン。
CS5試合で14打数0安打だから、9番スタメンだったようだ。
12球団で3人しかいない3割打者の1人で、ソフトバンクは近藤健介と中村晃を欠いた状況。
カープで言えば小園とは言わんが、西川龍馬を9番でスタメンさせる感じかな。私はスタメンを見て驚いたよ。
しかしこの牧原がホークスの全得点に絡む2安打。
さすがの実力者で、2023年WBCで鈴木誠也がでケガした時、私はすかさず誠也の代わりは牧原だとブログに書いています。※参考記事
牧原は守備でもセカンドゴロを5~6つ捌いてノーエラー。
そして何より素晴らしいのが全力疾走である。
5回裏、牧原がヒットで出て2死1塁。
続く1番周東が詰まった当たりのショートゴロ。1塁は間に合わないタイミングなので、ハムの水野はセカンドにトス。これがセーフになるんですよ。
私は感動しました。何気ない内野ゴロで、WBC優勝メンバーの牧原が全力疾走を怠らない。
やっぱ強いチームってそこだよね。
カープならできたかな?と思いました。2死1塁で自分の打った打球でもないのに、1塁から2塁へ全力疾走。スライディングもものすごく全力でした。盗塁かよ、と思いました。
周東佑京。4打数1安打。
知ってたけどやっぱ速いな。周東も5回裏の2死12塁で3塁への全力疾走を怠りませんでした。3番柳町のサードゴロで、2塁走者周東が3塁アウトになりました。
結果はアウトでしたが、周東はめちゃくちゃ速かった。私は50年プロ野球を見ていますが、周東より足の速い選手を思い出せません。
周東の足の速さと、周東の姿勢に感動しました。
野村勇。4タコ2三振。ポール際の大きなファール1本。
野村の今季成績は打率.271、12本塁打だそうだ。スイングを見てると、あれでよく2割7分も打てたなと思います。
見てると穴だらけで、真ん中ストレートばっかでいいんじゃないと思って見てたら、案外外の変化球にバット軌道が合うんですよ。
6回表2死12塁で、低めのボールになるフォークボールをかち上げてバックネット裏へファールした野村。
「なんであのコースを打って、打球が上に上がるねん」
とビックリしました。
解説の宮本は「ドアスイング」と評していましたが、徹底したフライボール打法でしたね。カープの選手にはあまりマネしてほしくありません。デビッドソンに似てる感じですかね。
日本ハム寸評
達孝太。6回2失点自責1。
スゴいピッチングでした。続投させた新庄はさすが。俺なら完投させてるよ。
CSは延長戦がありません。9回で同点ならソフトバンク勝ち抜け。
ハムのベンチには伊藤大海がいました。宮本は中4日の達は4回までだろうと語っていました。私だって試合前はそう思ってました。
だが試合が始まると達は試合を支配する。初回からフォークフォークでソフトバンクを圧倒しました。
2巡目に投げるタマがあるのかな?と思ってたら、ストレートで押してきました。達と進藤の好戦的なピッチングはとても私の好みでした。
だから新庄が引っ張った気持ちもわかる。実際達が失った2点はどちらもボテボテの内野安打がきっかけでした。
進藤勇也。3タコ1三振。
キャッチングもリードもたいへん良かった。感動した。
フライボールの野村にストレートをきちんと投げたり、先頭打者の柳町にフルカウントから低めのフォークボールを要求するなど、すごくバッターの考えてることを見抜いているリードでした。
この子、2年前のドラフト2位で、大学ナンバーワン捕手でした。噂にたがわぬ素質を秘めてる。
打撃はスカタンでしたが、新庄は7回表の進藤に代打を送りませんでした。ベンチには田宮もいたんですがね。打撃も信頼されてんのかな。
清宮幸太郎。3打数0安打1死球。
痛恨のタイムリーエラー。投げたことは悪くない。いいボールが行けばアウトでした。
ただ1塁から2塁への送球は、必ずラインの左側に投げないといけない。でないと送球が走者にぶつかるからだ。
カープのモンテロは今年1年間、これを間違うことは1度もなかった。私はモンテロのスローイングをちょっと疑っていたので、案外やるなと思って見てました。
ドジった清宮はバットで返したい。
しかし1打席目は惜しい右直。2打席目は死球。ツイてなかった。
清宮も確かな実力者です。あと一歩で3割打てるよ。
郡司裕也。4打数2安打1打点。
見事なバッティングとサード守備でした。
打撃ではモイネロから二塁打2本。タイムリーとなった2本目は技術の詰まった二塁打でした。
「佐々木泰のお手本は郡司だ!」
郡司のタイムリーを見た瞬間、そう思いました。
内角低めのカットボールだったので、上に上げるとファールになります。
郡司は低いライナーを打とうとして、手首を返さず回転で打ちました。
私は佐々木泰にこういうバッティングをしてもらいたい。アホみたいにかち上げるだけがバッティングではないのだ。
打撃はそれぞれに合うスタイルがある。佐々木泰は野村勇スタイルの打撃をやる時もあるが、私は佐々木には郡司スタイルが合うと春のキャンプからずっと言い続けている。
まとめ
新庄の采配は独特で、小久保の采配は正統でした。
私の考えは達続投、モイネロ交代でした。
結果は2人とも6回まで投げましたが、小久保の野球はいつも通りで、新庄は短期決戦仕様に見えました。
「短期決戦だから早めに交代」というのも一つの手ですが、達が良かったので達を続投させた新庄。
モイネロはストライクボールがハッキリしていて、ハム打線に掴まりかけていた。
小久保はボーッと見ていたのか、モイネロの立ち直りに期待したのかわからないが、モイネロはストレート軸の組み立てからカーブを軸に変えて見事に立ち直った。私はビックリしました。モイネロの立ち上がりを見ると5点くらい取れると思いましたね。
郡司のタイムリーの後、万波遊ゴロ、石井大きなセンターフライ。ここでモイネロを仕留めていればハムが勝ててた。
CSは延長戦がありません。特に先攻の日本ハムは
「1点リードで実質同点」
くらいの感覚で戦わないといけません。同点なら負けるんですから、1点リードでやっと同点です。
何度もCSを見てきましたが、下剋上するチームで「1点リードで実質同点」の戦い方をするチームを見たことがありません。みんな「同点は同点」という感覚で試合を戦ってます。
ホームで後攻の優勝チームは「同点は同点」の姿勢でOKですが、ひっくり返す方は「同点は1点負けてる」感覚で行かないといけない。
新庄の采配は好きですが、7回の進藤に代打を出さないのだけはうん?と思いました。