佛教大学の野球に感動しました

2025.11.16(日) 

青学 2-1 佛大 神宮 

ジャパンも見たけど神宮大会の2試合が熱かった。

明治がまさかの敗退。ナイス立命。17時30分から始まった佛大vs青学戦も激闘でした。

 

佛大の挑戦

青学の先発は中西。中日のドラ1右腕。智辯和歌山時代は小林樹斗の1個下。

佛大の先発は3年生の野村。カープの赤木は2日前に6イニング投げている。

 

中西はまっすぐとフォークのイメージでしたがカーブとスライダーも良い。特にスライダーの軌道はかなり独特です。右にも左にも投げてました。

四番の小田君が昨日はなぜかベンチスタート。途中から出てきたものの、やっぱり元気はありませんでした。

佛教大学は1回戦を8対0のコールド勝ちで勝ち上がってきたのですが、基本的には投手を中心とした守りのチーム。1回戦では5盗塁もしています。

先発野村は3年生ですが、たぶんチームのエース格。大事な試合では必ずこの子が先発しています。

 

佛大が固い守りを見せ、3回終わって0対0。

第1試合では立命館vs明治が9回終了時点で2対2でした。1個でもエラーしたら負けるという緊迫感の中、しびれる投手戦を演じていました。

第2試合にもその余熱が残っていて、佛教大学のセンターとショートが美技を連発する。

それでも青学は強い。3年連続ドラフト1位を2人輩出したチーム。4回に1点、5回に1点。しぶとく点を取ってくる。2対0。

 

佛教大学も必死の継投を見せる。

8回裏には赤木を投入。小田を打ちとり中西を打ちとる。中西への1球は大学最後の1球となった。

9回表0対2。佛教大学最後の攻撃は1番から。

中西は7回にも8回にも先頭打者を出していました。

球数が増えて中西がへばった感じではなく、むしろ中西の球威は8回9回と上がって来てました。さすがに先発完投型の投手だなと私は感じました。

7回の先頭打者は味方のエラー、8回の先頭打者は追い込んだ後の死球でした。

 

9回の先頭打者はヒットで出ました。クリーンヒット。

悪いタマではありませんでしたが、4打席目で佛大も中西に慣れてきてました。

9回表0対2、無死1塁、投手中西100球、打順は2番の左打者。

12塁間へのいい当たりでしたが、青学の守備範囲が広い。セカンドが追いつく。2塁へ投げても際どかったが、点差を考え確実に1塁へ送球。1死2塁。

 

9回表0対2、1死2塁、投手中西、打者は3番の右打者。

佛大の3番の子は近畿代表決定戦で先制ホームランを打った子です。あたしゃスポナビライブで見てました。赤木を見たかったからですよ。

青学・中西もギアを上げる。ここでまたスライダー。空振り三振。

中西はスライダーがいいな。常廣は土壇場になるとフォークばかりだったけど、中西は土壇場でフォークもスライダーも両方投げられる。末包が振りそうなフォークとスライダーでした。

 

佛大2アウト。

あーあ、やっぱ青学は強かったか。エラーしないんよね、こいつら。

佛大も足を使って青学を攻めたんですが、さすがに2点差の9回では足を使えない。

9回表0対2、2死2塁。打者は左の4番(2年生)、投手はドラ1中西。

ここで4番の子がライト前ヒットを打つんですよ。中西はカッコつけてストレートを投げましたが、それを佛大の2年生が打った。

いい当たりですが外野は下がっていました。当然です。点差が2点なので外野は前進しません。

 

青学のライトは9回表から守備固めに出て来た2年生の大きい子でした。

この子がなんと全力でバックホームしたのです。

「しめた!」

私は吠えました。バッターランナーが2塁へ行けば同点の可能性が出てくるからです。

青学のライトの子は全国大会で自分の肩をアピールしたかったのかもしれない。カットマンの3m上に強いタマを投げました。キャッチャーもジャンプするくらい高いタマでした。

 

だが佛教大学の4番バッターは1塁ベースに止まったままでした。ホームがアウトかセーフかを眺めていました。んでセーフになるとガッツポーズしてました。

アカンわ、もう負けたわ。

青学・中西は2点目をもらった5回から終始ニコニコ笑顔で投げていました。

負けてる時でもニコニコしながら投げる子は大勢いますが、中西のニコニコはちょっと違います。相手をナメてるニコニコに見えました。

完封が消えて苦笑い。汗もかき始めました。

実はタイムリーヒット打たれる前にサードの小田君がわざわざタイムを使って、マウンドの中西に一言声掛けに行ってるんですよね。

おそらく「完封を狙うな。2点差あるんだ」みたいなことだと思います。逆に「絶対完封しろ」と声をかけるパターンもあるんですが、私は中西の性格を知りません。

 

とにかく佛大のバッターランナーは1塁ストップ。同点のチャンスが一気に萎みました。解説者も言葉を選びながらブツブツ文句を言いました。

5番バッターの時に中西がワイルドピッチ。2死2塁。

「一打同点のチャンスが来た!」

とも言えますし、さっき2塁へ行ってりゃ、

「青学はもうフォークを投げられない!」

となるところだったのです。この差は果てしなく大きいんですよ。

 

素人の皆さんが小園のOPSがとか矢野のUZRがとか言ってますが、佛大の走塁と中西の暴投はどこの数字に表れるのでしょうか?

私の査定では佛大はワンベース損したし、中西は無駄なワンベースを与えました。

結局最後の打者はセカンドゴロでした。このセカンドゴロも活字で書けば「二ゴロ」でどれも一緒。たぶんセイバーでもただの二ゴロ。

実際はめちゃくちゃ難しいハーフバウンドの二ゴロでした。下がって捕ると打者が左なので間に合わない、二塁手は前に出るしかない。

打球はグラブにすっぽり収まる。やっぱ青学ってエラーをしません。スリーアウト。試合終了。

 

最後の二ゴロは2死2塁の場面でした。これね、2死3塁だったら青学の子はエラーしてた可能性があるんですよ。

菊池涼介は2死2塁でも2死3塁でも守備は変わらない。

小園海斗はまだ変わる。2死3塁だと小園はエラーする時がある。

プロでもそうなんですから、なんぼ青学でも2死3塁なら慌てたと思います。だけど昨日は2死2塁。積極的に前へ出て打球にチャージできる環境が整っていました。もし弾いても2塁走者はホームインできないからです。

 

私はタイムリーヒットを打った4番の子に苦言を呈しています。

青学のライトの子は強肩でした。一瞬でも判断を迷えばもう2塁へは行けません。

機動力で勝ち上がってきた佛教大学が、王者青学にあと一歩だけ足が届きませんでした。

 

機動力野球

神宮大会でどこかのチームが相手エースに全く歯が立たず、パーフェクトに抑えられていて、アナウンサーがやけくそ気味に

「こういう時はイチかバチか長打を狙う作戦なんてどうでしょう?」

と言ったら解説者が苦笑いしてました。発想が素人なんですよね。

ヒットを打てない投手からホームランを打つのは無理ゲーです。野球はパワプロじゃないのです。一度でもバットを持ってみりゃわかることです。

 

昨日の中西みたいなヤツに勝つ方法はこっちもゼロで粘るほかありません。佛大は2点で耐えた。立派でした。

あとはワンチャンスに懸ける。9回のチャンスではしっかり1点取りましたし、実は7回も8回も佛大は「2点負けてる無死1塁で送りバント」を仕掛けています。2度とも1死2塁を作りました。

昭和的な野球ですが、いい作戦だと思いましたね。7回は3番打者に正直にバントさせ、8回は7番の子に代打を出してバントエンドランをやってました。

 

結果も重要ですが、佛大の野球は非常に理に適っていました。

コレは新井カープにそっくりそのまま当てはまる野球です。

カープは今年大きな離脱者もなく、シーズンを戦えました。坂倉が1ヶ月いないとか黒原が1年いないとかありましたが、他の選手に大ケガは無かった。巨人とヤクルトは4番が3ヶ月いませんでした。

それなのにカープは阪神に20ゲーム差を付けられて5位。なに?25.5差だと。どうでええわ。

 

とにかくカープは阪神に30ゲーム差で負けています。

その差をどこで埋めるのか?秋季キャンプで選手が伸びたと新井が喜んでますが、一番伸びないといけないのは 新井のおつむ じゃないのか?

阪神とのゲーム差は30でしたが、直接対決での得失点差は48点です。得点47、失点95。

25試合やって48点負けてます。6勝19敗。

6勝19敗を逆にすれば30ゲーム差は一気にゼロ差になりますが、さすがにそれは一足跳びすぎる。

 

来年は足も使って守りも固めよう。

小園をショートに固定すれば小園はエラーしなくなる。

中村奨成を打順何番で使うかは未定だが、盗塁だけが機動力ではありません。エンドランや送りバントも多用しよう。

当たり前のことなんですが、佛教大学の監督は1球ごとにサインを変えてました。当たり前なんですが、なんか新鮮でした。朝山は一度バント出せば最後までバントでしたから。

 

8回表のヒットエンドランは0-2で1球ボールを待った後、1-2から仕掛けました。青学の中西がこのカウントでフォークを投げると読んだのでしょう。

当たり前のことを当たり前にやった佛大野球。赤木がいなけりゃ、私は佛大野球を知らないままでした。

非常に楽しかった。ジャパンの試合を見ないで8時まで佛大を応援してましたよ。


おしまい
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ありがとうございました。

-雑感