プロ野球が投高打低になった原因は小宮山悟じゃないか?

やあ、どうも。

私の小園海斗が8月26日現在、セリーグの首位打者です。

ただし小園の打率は.296です。

そう、2ヶ月前にファビアンの打率が3割を切って以降、セリーグの3割打者は不在となりました。

NPB100年の歴史上、打率2割台で首位打者を獲得したバッターはいません。

 

飛ばないボール説

こないだまで首位阪神の「チーム防御率」は 1点台 でした。

これが「個人成績」の話で、セリーグ1位の投手が1人だけ防御率1点台とかなら話はわかりますよ。

しかし阪神は「チーム防御率」がこないだまで1点台でした。2024年の大瀬良大地の「個人成績」は防御率1.86でしたが、これでセリーグ4位でした。

 

首位打者の打率が.300を切り、本塁打王は30本前後。

こんな時代に誰がした?

 

こんな時代に若者たちがよく口にするのが

 

ボールが飛ばない って都市伝説。

 

アホやのう。

ボールが飛ばないから首位打者の打率が2割台で、阪神の防御率が1点台なのか?

私は違うと思います。現にNPBもミズノ社も「ボールは変わっていない」と明確に否定しています。※中日スポーツ

 

これにより「ボールが飛ばない説」は却下。だって作ってる人たちが「変えてない」と言うんだから変えていないんでしょう。

ミズノがボールを変えたのに変えてないってウソをつく意味も全くありませんし。

 

ドーム球場の天井にボールが当たる

8月10日(日)ナゴヤドームでの中日戦の2回裏、カープは玉村が投げていて、中日の4番細川成也が三塁側に明らかな大ファールを打ちました。

このボールがなんとナゴヤドームの天井に当たって、三塁線のフェアグラウンド付近に落ちました。

打球を追っていたサード前川とショート二俣が一瞬オロオロしましたが、塁審はいち早くファールのゼスチャー。

走者もいなかったし、打った瞬間に明らかなファールだったため、球場全体も「こりゃファールだろ」的な雰囲気のまま、試合は静かに続行されました。

令和の今日、プロ野球ファンの感覚は打球がドーム球場の天井に当たっても、

「たまにゃ、そういうこともあるだろう」

です。

 

20世紀は、そうではありませんでした。

ドーム球場の天井に打球が当たれば、プロ野球ニュースや珍プレー好プレーは大騒ぎでした。

日本で最初のドーム球場はご存じ東京ドーム。1988年開場です。

 

東京ドームの天井に最初にぶつけた選手は近鉄のラルフ=ブライアント選手です。

ぶつけた年は1990年6月。20世紀の選手たちがドーム球場の天井に初めて打球をぶつけるまでに 3年 かかりましたが、令和の現在では毎年のように誰かが天井にボールを当てています。

1988年(昭和63年)のドーム球場は東京ドーム1つだけでしたが、2025年(令和7年)は東京・名古屋・大阪・福岡・所沢・北広島に6つあります。

よって打球が天井に当たる確率は昭和の 3倍 に増えました。1988年は2球団が東京ドームを本拠地としていましたのでね。

 

カープは今月細川に当てられましたし、昨年は岡本和真にも当てられました。

細川のはファールでしたが、岡本のはセカンドフライなのに檻に引っかかって落ちてこなかったため「二塁打」と判定され、カープはこの1点で敗れました。※参考記事

松井秀喜や大谷翔平のホームランが東京ドームの天井に引っかかって落ちてこなかったこともあったし、アレックス=カブレラのホームランは西武ドームの屋根を吹き飛ばす勢いでした。

福岡ドームでも井口資仁がファールながら、天井に当てたことがあります。※Wikipedia

 

私はパリーグを見ないので詳しく知りませんが、セリーグの東京ドームでは毎年1~2回、打球が天井に当たってます。ファールならニュースにもならないし、今時フェアでもニュースにならないでしょう。

中日で3年目の細川ですが、細川がナゴドの天井にぶつけたのは、私が知る限りこれが 2回目 です。1回目は2023年でした。※中日新聞

DeNAでくすぶっていた細川が3年間で2度もドームの天井にファールをぶつけました。2回目は話題にすらなりませんでした。

 

1988年の落合博満やランディ=バースは一度もドーム球場の天井にぶつけませんでした。彼らの本拠地はドーム球場じゃなかったんだけどさ。

とにかく令和の今、打球がドーム球場の天井に当たっても誰もニュースにしません。ブログに書いてるのもオレ一人。

このどこがボールが飛ばないって? めちゃくちゃよく飛んでるじゃないの。

 

クイックモーションの進化

私は昨今の投高打低の原因は「投手の進化」だと思っています。※参考記事

打者も自身のビデオ映像を見てフォームを作ることができますが、それ以上に投手がビデオを見て再現性を高める効果のほうがはるかに影響が大きいような気がします。「ビデオの効果」こそがまさに「投高打低の原因」ではないでしょうか。

投手がフォームや腕の角度を1ミリ単位で1球ごとに内容チェックして投げてます。キャンプのブルペンなど カメラだらけ です。

マウンド1個にカメラは3個。

マウンド・ホームベース・キャッチャーの頭の3ヶ所にカメラを設置して投球練習します。ああやって変化球の曲がりやストレートの角度をチェックするんですから、バッターはたいへんです。

 

私が最近気になってることがもう一つあります。

それは「走者なしでもセットポジションで投げる投手」が急激に増えたことです。

カープには少ない。カープはまだ振りかぶって投げる投手が多い。

こないだ中日の金丸君が振りかぶって投げてました。昭和のオヤジは何となく嬉しかったねえ。

 

セットポジションで投げるメリットは大きく2つ。

1つ目は走者が出た時にあたふたしなくていいこと。

2つ目は走者なしでも クイックモーションで打者を幻惑できる こと。

 

データ野郎は過去の対戦打率が3割だということしか知りませんが、私と坂倉などは「打者の反応」だけで野球をやっているので、「クイックモーションに強い打者と弱い打者」は100%全部頭に入っています。

令和の今時は、アナウンサーまで

「あっ、今、柳がクイックでタイミングをずらしました!」

と実況する時代です。見てりゃわかることは、言わんでもいいんだよ。

 

とにかく今は 先発投手の8割 が走者なしでもセットで投げます。んで全体の5割が走者なしでも足の上げ方を1球ごとに変えています。

森下・床田・大瀬良は走者なしでも同じテンポで投げますが、高橋昂也や栗林良吏はテンポを変えることがあります。セットポジションじゃなくても、足の上げ方を変える投手はいます。

中日の柳や阪神の大竹のセットポジションと足の上げ方が1球1球違うのは有名な話。カープは2人とも大の苦手。

 

このように球速や変化球の進化の他に、セットポジションの進化も近年の投高打低に大きく影響しています。

 

小宮山悟?

んじゃ誰が最初に「走者なしでセットポジションで投げ、足の上げ方を1球ごとに変えるスタイル」を始めたんだろう?

もしかすると元千葉ロッテの

小宮山悟

だったかもしれない。現早稲田大学。

 

私はパリーグを見ないのでうろ覚えだけど、小宮山っていかにもこういうズルいことを考えそうなイメージじゃありませんか。←ズルくない

 

セリーグでは横浜の 三浦大輔 が最初じゃないかなあ。

三浦は走者なしではワインドアップでしたが、走者が出るとよくクイックからカーブ投げてきて、イヤな投手だなあと思ってました。

1990年ごろまでは「振りかぶる投手の方が偉くて、セットポジションの投手はセコい」という認識でした。

私が決めたんじゃありませんよ。昭和から脈々と続く日本の伝統です。

 

大魔神・佐々木主浩は「走者なしでセットポジション」でしたが、走者なしではクイックを使いませんでした。

カープの投手は当時からワインドアップの投手が多かった。北別府・大野・川口・長冨・金石・川端・紀藤。走者なしでセットの投手なんていたかな…?

 

小宮山悟も入団直後はノーワインドアップで投げてましたが、いつの頃からか「走者なしでもセットポジション」で投げ始め、試しにクイックから初球カーブを投げたら、バッターがびっくりして反応が面白かったという感じだったのではないかと妄想します。

1990年代は「1塁走者に盗塁をさせないため」だけにクイックで投げており、盗塁のリスクがない場面で投手は足を高々と上げて打者と力の勝負をすることが美徳でありました。

だが小宮山はいつかそれに気が付いた。同期の大魔神や野茂英雄が三振奪う姿を横目に見ながら、

「じゃあオレは打者のタイミングを外しちゃおうw」

と考えたに違いない。小宮山も私と同じ考え方です。

 

小宮山のクイック投法はメジャー時代に身に着けたというのは違うと思います。

1995年頃に三浦大輔が10勝してる頃には、もうクイックで変化球投げる投手がたくさんいましたから。

斎藤雅樹は全くやりませんでしたが、球威の落ちた槙原寛己は1995年ごろにはクイックからフォークを投げていました。

 

このように、令和の打者は160kmのストレートとともに、相手投手の進化した投球モーションにも対応しなくてはなりません。

投手はビデオ1個だけで、自分のフォームの「クセ」をすぐに修正できます。

バッターがそれに対抗する方法は、ビデオ1個じゃ足りないのです。たくさんのタマを打つ「時間」が必要。

NPBがボールを変えるなら、それは「飛ぶボール」に変えるはずで、なんでわざわざ飛ばないボールに変更するんだよ? 何のメリットもないだろうが。笑

 

多くの素人と村上宗隆が「飛ぶボールが飛ばないボールに変わった」と考えているが、私は「ボールは変わっていない」と感じている。

変えるなら「飛ばないボールを飛ぶボールに変える」はずで、2013年にNPBがコッソリボールを変えていた事件も、「飛ばないボールを飛ぶボールに変えていた」のである。

素人はすぐに話をラクで簡単な方向に変換し、それを匿名で拡散するもんだから全く困りますね。


おしまい
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ありがとうございました。

-赤辞苑