田村俊介vs坂倉将吾をもうちょっと見たかったぜ

2024.11.5(火) 

日本 5-0 広島 宮崎

侍JAPANとカープ二軍の練習試合がありました。

向こうはこれから真剣勝負をやるための調整期間。こちらはシーズンが終わって鍛錬の時期。

キャッチャー坂倉はインコースをバンバン使って見逃し三振を取りまくるが、こちらはインコースを使えない。こんなんで勝とうとしても無理ゲーなんですよ。

 

前半1~4回

10年前、カープ二軍は侍JAPANを 7対0 で蹴散らしたことがありますが、あれは春のキャンプでの話でした。

2月は侍JAPANも調整段階なので、こういう展開もあり得る。だけど今の侍JAPANはほぼ仕上がってます。しかもカープはインコースを攻められない。勝てるわけないっての。今日は侍のための練習です。

カープ打線は坂倉将吾と井上温大の前に三振の山。2番手横山からも三振の山。

キャッチャー坂倉が実に良いリードをします。データのない対戦で坂倉の観察力はJAPANの武器になるでしょう。

実は井上の立ち上がりはストレートを制球できずに苦しんでいました。坂倉が上手くスライダーやチェンジアップを使いながらカウントを整えました。

 

カープ投手陣も悪くありませんでしたよ。常廣が2回無失点、斉藤が2回1失点。

「四球が多い」と言う人も多そうですが、秋に細かいコントロールなどなくてオッケーです。

 

5~7回

5回表から佐藤都志也がキャッチャーに入り、坂倉はファーストへ。

カープは末包に初ヒットが出て、仲田も連打で続く。2死12塁。

仲田が隅田知一郎のチェンジアップを拾うとは驚きました。

仲田は初球の真ん中ストレートに振り遅れた後、2球目のチェンジアップを泳ぎ気味にレフト前に落としました。泳いではいません。泳ぎ気味にしっかり捉えました。

カープには「カウント球の変化球を打つ打者」が少ないので、仲田の意外な対応力に一瞬「おっ」と思いました。まあ、あんまりこじんまりしてほしくもないけどさ。

 

投手陣は滝田が1回2失点。杉田1回0失点。高が1回2失点。

滝田はいきなり3四球で無死満塁。よく2点で抑えたものです。

球威は抜群でした。この日投げたピッチャーの中では隅田と滝田が一番タマが速かった。

杉田も高もいいタマを投げてました。侍JAPANは特別ルールで代走五十幡を何度も出してきてズルい。

 

タイブレーク練習「表」

5点リードしてる侍JAPANが7回裏の攻撃を終えたところで試合終了。

その後に行われた「延長戦タイブレーク練習」がとても面白かった。

タイブレークは攻守を替えて、JAPANが先攻、カープが後攻。

井端監督の狙いはよくわかります。延長タイブレークって先攻が非常に難しいんですよ。1点取るのか2点取るのかを相手より先に決めないといけないからです。

 

「10回表、0対0」の設定でタイブレーク練習がスタート。無死12塁。

打者は途中出場の古賀。古賀は去年の韓国戦で貴重な代打送りバントを決めた選手。

だがこの日は失敗。ファースト田村の俊敏なバントシフトでサード封殺。1死12塁。

 

この後、河野佳が粘り清宮を投ゴロ、森下を遊ゴロに打ち取りますが、森下は1塁セーフ。アウトっぽかったけどな。笑

これでJAPANに1点が入りました。河野は1番村林を見逃し三振に抑え、スリーアウトチェンジ。

河野、めっちゃ良かったですよ。落ち着いてました。

 

タイブレーク練習「裏」

10回裏0対1、無死12塁。投手藤平、打者持丸。

ここでJAPANはキャッチャーを坂倉に戻してきました。藤平との幼馴染コンビを実現させたいわけではなくて、JAPANの正捕手にタイブレークを練習させておきたいのです。

1点リードのJAPAN。

坂倉は持丸に「バントさせない配球」で攻めてきました。1点差なのでセオリー通りですね。カープの次打者は9番貴浩、1番韮澤です。

持丸は難しいタマを上手にサードに転がしました。サード村林のタマが高く逸れて、セカンド小園がジャンプして捕ったらランナーと交錯してポロリ。持丸はアウト判定でしたが、2人の走者が2つ進塁してカープ同点。1対1。なおも1死3塁。

 

打者は中村貴浩。坂倉はインコースに構える。

この坂倉のインコース要求は危険でした。よっぽどコントロールの良い投手でないと、同点の1死3塁でインハイストレートは真ん中に抜ける確率がある。

案の定、藤平のストレートは真ん中に入り、貴浩一閃。前進守備のライト森下翔太が打球をブザマに追いかける姿がミジメでしたねえ。ぷくく…

坂倉はインコース真っすぐで内野フライを打たせたかったのでしょうが、この日の藤平の感じなら私は「貴浩にやられるぞ」と思いました。トーナメントでその配球をやるのはどうかと思うぞ。

 

2対1でカープの勝利。しかし試合は1死3塁から続行。

1番韮澤は投ゴロ。カープはまた投ゴロで3塁走者が飛び出します。次は内田と田村だよ。私はカープのこの作戦だけは好きになれません。

貴浩が挟まれてアウト。ショート紅林はあやうく貴浩がセーフになりそうな緩慢なタッチでした。ショートは投げて捕るだけではありません。タッチも重要。

  

2対1、2死2塁。打者内田。

ここで内田が三遊間への内野安打で繋ぎます。

内田が打ったのは初球ストレート。坂倉はアウトコース低めに構えていましたが、これも真ん中に入って内田に初球をフルスイングされました。

内田の打球は少し跳ねながら三遊間へ。抜ければもう1点という打球をサード村林がナイスキャッチ。ミスのないプレーでしたが1塁はセーフ。内田は意外と足速いんですよ。私は知ってました。

2死2塁で詰まった打球が外野に抜ければ、100%もう1点です。侍JAPANは「2打席連続サヨナラ負け」するところでした。

坂倉のリードはうっかりさんでした。サヨナラの場面では明確にボール球を要求してあげないと、藤平のタマは中に入るぞ。栗林と同じリードをしてはダメ。 

 

内田は見事、侍JAPAN相手に初ヒットを打ちました。

足も魅せたし、守備でも魅せた。4回裏の五十幡のサードゴロは難しい打球でしたが、慌てず落ち着いてアウトにしました。本職でないサードなら送球が高くなったり低くなったりするものです。村林と小園がやったでしょ。

 

田村俊介 vs 坂倉将吾

内田が繋いで2死13塁。

ここで打席には田村俊介。

坂倉は初球、低めのフォークから入ります。これはセオリー通り。田村ファール。カウント0-1。

守備位置がテレビに映らなかったんですが、たぶん1塁手は1塁ベースから離れて守っていたと思います。だってサヨナラの練習なんでしょ?

なのに内田は走らない。藤平もけっこうクイックで投げるし、坂倉もメチャクチャ1塁走者を見るんですよ。もしかして清宮は1塁ベースに付いてるのか? 今はいったい何の練習なんだ?

 

坂倉の配球は外中心に変わりました。広い12塁間に打たれたくないのかな?

私には清宮の守備位置が見えませんが、田村には見えています。そして田村は左中間方向を意識しているようなスイングをしています。

そんなことを考えているうちに、カウントが進み3-2。1塁走者は自動スタート。

ここで田村は甘いストレートを2球連続でファールしました。ファールの方向はバックネットと三塁側でした。

田村は藤平のフォークボールをマークしつつ、ストレートに反応しているのでセンターからレフトに意識があるのはたいへん良い。だからファールの方向も悪くありません。タイミングも合ってる。

だけど2球とも甘かったなあ。あれを放り込めると30発打てるんだがなあ…

 

坂倉は藤平に「OK、OK」と頷いてましたが、本番で強打者に3-2からストライク要求して大丈夫かな? 

もしJAPANの1塁手がベースから離れて「サヨナラの練習」をしているのなら、2死13塁フルカウントから強打者に投げる球は「ワンバンのフォーク」であるべきです。塁は空いてるんだから。

もし「普通の守備練習」なら2死13塁でストライクを投げてもOK、OK。 次が4番バッターですからね。

 

そんなことを考えてるうちに田村は四球。

坂倉が要求した球種はストレートでした。ったく強気なんだから。田村にやられるぞ。

 

侍JAPANへの提言

2死満塁の林晃汰は三振でした。試合終了。延長戦は2対1でカープの勝利。

なんだか3位でCS行って日本一になっちゃったような気分ですが、カープの若手が侍JAPANを倒したことには自信を持ってよい。

結局、送りバントを失敗したチームが1点どまりで、成功したチームが2点を取ったということ。 

延長タイブレークは後攻がかなり有利です。じゃんけんの後出しほどではありませんが、後攻は先攻の結果を見た後で攻撃できるからね。

先攻は難しい。基本は送りバントですが、2点で終われば相手は裏の攻撃でバントせずに打ってきます。

盗塁やバスターはなかなか難しいでしょうが、カープは強烈なバントシフトを敷いていたし、ガチガチの送りバントもリスクの高い攻撃だと思いました。

タイブレークの守備でカープは2塁牽制を3回やりましたが、JAPANは2塁牽制が一度もありませんでした。1塁へのピックオフプレーもナシ。練習なんだから、坂倉がたくさんややこしいサインを出してよかったと思います。

 

裏の守備でセカンド小園がポロリとやったのはサード村林の送球が逸れたから。この二人は本来はショートの選手です。

牧が来れば牧がセカンドなのか、もしかするとファースト? んでセカンド小園は継続なの?

なんで侍JAPANでまでセカンド小園とかファースト坂倉を見ないといけないのか。笑

井端よ、普通にショート小園、キャッチャー坂倉でよいのだ。

 

坂倉はもう少し慎重なリードをするように。強気すぎるリードはペナントレースで有効だが、トーナメントではヤバいぞ。

あと小園のバッティング。いつも通り初球からガンガン振ってきたが、練習試合ではもうちょっと投手のタマを見た方がよくないか? 私や前田智徳はオープン戦ではあまりバットを振りません。タマをたくさん見る。

本番ではガンガン初球から行っていいんだけど、練習ではもう少し待つべきじゃないか。


おしまい
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ありがとうございました。

-雑感