アローハ。
昨日、中日ドラゴンズはFA移籍の又吉克樹投手(31)の人的補償選手として、ホークスの岩崎翔投手(32)を獲得すると発表しました。中日スポーツ
中日ファンは「Win-Winじゃん!」と喜び、ホークスファンはなぜプロテクトしない?と怪訝顔。
ちなみに私のプロテクトリストの中に岩崎翔はいました。今宮健太がリスト外でした。なぜなら京田陽太と石川昂弥のいる中日が今宮を穫ることはないだろうと思ったからです。
もちろんホークスのプロテクトリストを外部の人間が見ることはできません。
だが私には「中日が見事にホークスのワナにはまった」ことがうかがい知れます。それを今から説明します。
中日は「過去の名前」に釣られた
私のプロテクトリストを再掲します。
■ソフトバンクの対中日用プロテクトリスト
投手16名
千賀、東浜、岩崎、高橋礼、石川、甲斐野、森、大竹、津森、杉山、板東、高橋純、古谷、泉、松本裕樹、笠谷
野手12名
甲斐、栗原、海野、牧原大、周東、井上、リチャード、三森、野村、柳田、中村晃、柳町
実は私も「過去の名前」に釣られています。
岩崎が最優秀中継ぎ投手のタイトルを穫ったのは2017年。そして14年間のキャリアの中で岩崎が満足のいく成績を残せたシーズンは2017年、その1年だけなのである。私もついその時の150kmの印象でプロテクトしましたが、実はホークスにとって岩崎は若手をプロテクトするためのうってつけの囮だったのかもしれない。おとり。
ホークスが守りたかった若手
次に私の「リスト外選手」を再掲する。
武田翔太(28)、和田毅(40)、田中正義(27)、椎野新(26)、嘉弥真新也(32)
松田宣浩(38)、今宮健太(30)、上林誠知(26)、佐藤直樹(23)、真砂勇介(27)
上林、佐藤、真砂をプロテクトする場合、先程のリストから
岩崎翔、森唯斗、中村晃をリスト外にしなくてはなりません。おっと自由契約の古谷投手もリストに含めてました。岩崎と森唯斗をリスト外にすれば間に合います。
実際のホークスは少なくとも「岩崎と古谷」をリスト外にしました。ここで守ったのが上林誠知と佐藤直樹だったと仮定しましょう。
松田宣浩(38)は100%リスト外です。年俸1.5億円。少しお得感が出てきた。
ただ中日もサードには石川昂弥と高橋周平がいる。いくらムードメーカーでもマッチは要らないんだよな。
だからホークスは若手野手をプロテクトするために、ベテラン投手をリストから外しました。具体名は上の通り、和田毅、武田翔太、岩崎翔、田中正義など。そして中日は岩崎を選択しました。
ホークスの思惑通り
この結果、中日ファンは「Win-Winだ」と喜びましたが、私はLose-Loseだと思います。どっちも損してます。
一番トクしたのは又吉克樹。年俸も上がりましたがパリーグ移籍で投手寿命が5年は伸びるでしょう。ホークスも一見いい補強をしたように見えます。又吉は5年通算で防御率3.00を残せる可能性がある。だが長い目で見れば若手のポジションを一つ失うことになる。「投手は何人いてもいい」という理屈もわかるが、なら岩崎のままで良かったのではないか。
又吉の年俸は4年6億。単年1.5億円。
岩崎翔は6800万円。又吉の旧年俸もおそらく同額程度でしょう。セリーグに慣れられた又吉(31) への期待値と、慣れられていない岩崎(32)への期待値も同程度か?ただし岩崎は1年でノンテンダーFAにできます。岩崎翔の国内FA権獲得までは2年あります。
ホークスはケガがちな岩崎(32)と、チームにいない右サイドハンド投手をうまく交換できました。人件費が多少アップするものの、あの金満チームからすれば1億円くらい微々たるものでしょう。
又吉克樹はいい選択をしました。「FA移籍のお手本」のような良い移籍。パリーグには右の強打者が多いです。シンカーも有効に使えるでしょう。
中日は「岩崎翔のケガは治った」と判断したのでしょう。過去3年間は苦しみましたが2021年は復調のきっかけを掴みました。岩崎に復活されればカープにとっては厄介でたいへんな脅威となるでしょう。
岩崎翔のピッチングは正直言って、よく覚えていません。日本シリーズでも対戦はナシ。
ま、私が中日なら32歳の岩崎翔は穫らない。私は長野久義にも反対でした。今は好きですよ。
私なら若手で一芸を持った年俸の安い子を穫りたい。
ホークスがガバッと若手を守ったんだろうけど、それなら松田宣浩でいいじゃない。
カープのチョーさんも精神的支柱です。そういう人的補償も悪くないことをチョーさんから学ばせていただきました。