プロ野球のジンクス「迷信と科学」

今日も妄想します。
プロ野球のジンクスについて。

「俺が応援すると必ず負ける」
「このバッターは俺が見てると必ず打つ」
「俺がベースを投げると必ず勝つ」
ってジンクスをどなたもお持ちかと思います。

80年を超えるプロ野球の歴史の中でジンクスと言われる「迷信」が数々誕生しました。
主なものだけでも
「先頭打者の四球は失点につながる」
「2年目のジンクス」
「ピンチの後にチャンスあり」
「交代した選手のところに打球が飛ぶ」
「監督がベースを投げると必ず勝つ」
などが挙げられます。

これらを「単なる迷信」「非科学的」とする声もあります。
しかし「科学が万能だ」というもまた一つの迷信なのであります。
科学とは人間が経験や知識の中から体系化した「学問」に過ぎず、科学万能説はいわば人間万能説。
しかし人間とは間違う生き物であり、さらに自然界や宇宙の全ての事象を把握しているわけでもありません。
よって人間が生み出した「科学という学問」を万物の真実と見ることはむしろ危険なのであります。

もちろん「迷信」も決して万能ではありません。間違うことの方が多い。
科学の発達によって過去のジンクスが否定されることも最近増えてきました。
しかし多くの野球ファンが経験してきた
「流れが変わりそう」
「打たれそうな気がする」
「ほらそろそろベースを投げるぞ」
という「勘」もまたかなりの高確率で実現する真実の一つなのです。

科学だって100%じゃない。
迷信だって100%じゃない。
例えば誰かが「野球は2アウトから」と言ったとします。
科学的には2アウトから得点の入る確率は低い。
2アウトから得点の入る確率が20%だったとすると80%は科学が正解。
しかし20%は迷信の正解です。
つまりどちらも正解でどちらも間違いです。
時に正解、時に間違い。
これが野球の面白さ。
応援しているファンが「ツーアウトランナーなしからの得点」に期待する確率が20%だったとき、それが実現した時の嬉しさは5倍増しになり、脳裏に強く印象付けられるのではないでしょうか。

つまり全てのジンクスは時に「真実となり得る」のです。
以下、3つの迷信について妄想します。

■真実その1「俺が見てると必ず負ける」
これを誰がウソだと証明できますか?
10試合観戦して10連敗する人は2分の1の10乗ですから1024人に1人は存在する計算です。
しかし次は勝つかもしれません。
私も観戦時の連敗が続くと
「応援したチームが負けるなら、次は巨人を応援しよう」
と試みた経験があります。
しかし私のジンクスなどで勝負の結果は変わりません。
それに体にも悪いです。
クロマティも好きな選手ですが、やはり大野vsクロマティの場面でクロマティを応援することはできませんでした。
仮に勝ち目のない「白武vsクロマティ」でも私は白武を応援します。
気にせず応援しましょう。勝利の確率はいつだって「およそ2分の1」です。

■真実その2「俺が見てると必ず打つ」
これも誰がウソだと証明できるでしょうか?
私が小学生の頃、山崎隆造は打率10割だと思っていました。
本当に見た時はいつもヒットを打っていましたから。
親父に話したら
「おーいヤマサキの打順だぞ、早くこっちに来て応援しろ!」
と言われるようになりました。
こういう時、山崎はセカンドゴロなんですよ。
細工しちゃダメです、ジンクスは。自然でなきゃいけないのです。

他にも私の「必ず打つ選手」はいました。
阪神の平下という左打者。
野村監督が後にF1セブンの称号を与えた選手です。
右投げ左打ちの打者で
「顔はライトを向いてるのに打球はいつもレフトに飛ぶ」
というヘンな選手でした。
現役選手なら西武の栗山巧のような雰囲気です。
成績見てたら大したことないし、打撃フォームを見ても絶対大丈夫そうに見えるんですが、平下にはよく打たれました。そう言えば中野佐資にもよく打たれた。
その平下イズムを継承しているのが今の高山俊です。
なぜかカープ戦だけ打つという・・・
あぁ恐怖の10割打者たちです。コワいコワい・・・

■真実その3「とにかく選手は走り込め!」
私は走り込みを強く支持します。
ダルビッシュにはやんわり否定されましたし、カネやんとかハリさんに
「今の選手はもっと走り込まなきゃ」
と言われると理由なくイラッときますが、もしカープの水本監督に言われたら「ハイわかりました」と従います。
私自身の経験でも走り込まなきゃ試合で打てないし投げられません。
今の下半身トレーニングがどれだけ進化しているか知りませんが、お金も知識もない草野球選手には素振りと走り込みが最も有効な練習だと思いますよ。マジで。
昔の人が言うことはほとんど全てが真実です。←全部とは言わない

最近は「ピンチの後にチャンスあり」も「先頭打者のフォアボールは失点に繋がる」も科学的には「根拠なし」らしいです。
んなことはない、と思うんですがね・・・
例えばピンチを切り抜けた後に
「さあ行こう!逆転しようぜ!」
ってチームが盛り上がることは事実ですし、先頭打者を歩かせるとチームの士気も下がります。
科学者の多くは野球を見ない人たちだと思うんですよ。
数字のプロではあるけど、野球の経験はないという人。
科学者の全否定はしませんけど、こちらにも経験があります。
何度も見てきたシーンを「根拠のない偶然」と言われるとにわかに信じ難いわけであります。

「燕が低く飛ぶと翌日は雨」
みたいな話が私は好きです。
田舎に残された多くの「言い伝え」も非科学的と言われますが、何十年何百年と受け継がれた経験則に基づくものなので、私は心情的に小難しい科学の話より「おばあちゃんたちの昔話」を信じたいです。
ダルビッシュの言うことも頭ではわかりますが、40代以上の野球ファンの多くは「走り込み信者」なんです。笑

燕が低く飛ぶ理由は気圧が下がり始めているから、という話も知っています。
が、それは後から気象庁が研究した結果であって、先にこの事実を発見したのはおばあちゃんたちの経験なのです。
ピンチの後にチャンスありは野球の話だけではないとも思っています。
これも私の経験則。


おしまい
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ありがとうございました。

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