[前回]の続編です。このブログ記事は管理人による妄想100%の完全フィクションです。
ドミニカ共和国には一度も行ったことがありません。
頑張ってインターネットでドミニカの野球事情を調べたんですが、わからないところは全て想像で書いています。たくさん間違っていると思います。
この記事の全部がフィクションのつもりで、どうぞ暖かい目で見てやってください。よろしくお願いします。
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ドミニカ共和国 サンペドロマコリス
ここはカープアカデミーの第二グラウンド
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ひが
うわあ、綺麗なグラウンドですねえ。
そして・・・広い!!!
フェリシアーノ
ははは。マツダスタジアムより広いですよ。
しかもここは練習用の第二グラウンドです。
あっちの球場がナイターもできる試合用の第一グラウンドです。
ひが
青葉学院よりすごいですね。
フェリシアーノ
えっ?何です?
ひが
あ、いや。こっちの話です。
フェリシアーノ
注目選手を紹介しますよ。
今ショートでノックを受けてる選手がクワトロ=バジーナ。
フットワークが自慢の22歳です。
クワトロ=バジーナ
ハアハア・・
さあ来い!もういっちょ来い!
コーチ
よーしこれでラストだ、がんばれ!
それっ! カキーン
クワトロ
このやろう、ドドドォー!!!
くそ、届かない! ゼエゼエ・・・
コーチ
おーい、これで終わりにするか、続けるか?
クワトロ
そんな決定権がお前にあるのか!
コーチ
何言ってんだ? 俺はコーチだぞ。
クワトロ
まだだ!まだ終わらんよ!
ひが
顔に似合わず根性あふれる選手ですね。野村謙二郎みたいです。笑
フェリシアーノ
ドミニカ人はみんな陽気なガッツマンですよ。
試合中にネガティブなことは全く考えません。
エラーしても「さあ次だ、次」みたいに前向きです。
ひが
昔のカープは連敗しても連敗しても「明日、明日」が口癖でしたけどね。
フェリシアーノ
カリブの選手に共通するのは「打てなきゃどうしよう」「ミスしたらどうしよう」って発想が全くないことです。
いつも彼らにあるのは「ここで打てばヒーローだ、目立ってやる!」って言うポジティブ思考だけです。
ひが
何をするにも「まずは明るく楽しく」ってところは日本人にない気質ですよね。
ブラジルのサッカーみたいな「ラテンのノリ」が頼もしいですね。
あれ? でもあそこになんだか暗そうな選手もいますよ。
フェリシアーノ
ああ、彼はアムロ=レイですね。
ドミニカには珍しい内向的な子です。
ひが
グラウンドにしゃがみ込んで、何やってんですか?
フェリシアーノ
彼はグラウンド状態に非常に神経質でね。
イレギュラーしないかいつも気になるみたいです。
よくああやって地面をじーっと見つめてることが多いんですよ。
アムロ
ぶつぶつ・・・
たかが石ころ一つ・・・ぶつぶつぶつ・・・
ひが
へえ、ドミニカにもそんな選手がいるんだ。
フェリシアーノ
ブルペンにもご案内しましょう。
ちょうど今、タバーレスとモンティージャが投げています。
ひが
彼らは日南の秋季キャンプに参加していましたね。
フェリシアーノ
初めて日本の練習に参加したことが多いに刺激になったようですよ。
ひが
アカデミーの選手たちは当然、バティスタやメヒアの大活躍も知っているでしょう。
フェリシアーノ
今年バティとメヒアが支配下登録されたので、来年は日本の育成枠が1つか2つは空くだろうとみんな言ってます。
ですから選手たちも目の色を変えて張り切っていますよ。
ひが
カープの育成契約は支度金が100万円で年俸が240万円です。
この程度の金額でもドミニカ選手にとっては、モチベーションに繋がるんですか?
フェリシアーノ
いえ、そこは金額の問題ではありません。
マイナーリーグも日本の育成契約も、あくまで通過点です。
やはり選手たちは日本でもアメリカでも「メジャー契約」を目指していますよ。
ひが
バティやメヒアが日本で6年契約を結んだことはアカデミーの選手たちにどう映っているんですか?
フェリシアーノ
バティとメヒアの年俸が400万ペソ×6年でしょ。
多少の出来高が付いたところで、彼ら二人の目標がそこではないことはみんなが理解しています。
ひが
ですからペソで言われましても・・・苦笑
フェリシアーノ
そうでしたね。すみません。笑
バティとメヒアの来季年俸が1000万円+出来高。
バティとメヒアは今25歳ですから、彼らは31歳までに日本で2億円近く稼ぐつもりでしょう。
そこからメジャーリーグに行くのか、カープで骨を埋めるのか・・・どちらになるかはわかりません。
ひが
うーん、カープ経由ではやっぱりちょっと出世が遅いかも・・・
フェリシアーノ
ですからカープアカデミーには若い有望選手はやって来ません。
そういう有望株はビッグマネーを目指してメジャーリーグのアカデミーに行きます。
カープアカデミーにやって来る選手は、メジャーのアカデミーの試験に落ちたとかアメリカの1Aから解雇されたとか、そういうキャリアの選手たちばかりです。
ひが
となると20歳から25歳くらいですか。
フェリシアーノ
そうです。バティもメヒアもそうでした。
そういう20代の選手を2年ほど鍛えて日本に送ります。
ひが
現在、アカデミーには何人の選手がいるんですか?
フェリシアーノ
契約選手は4名。投手2人に野手2人です。
あとは練習生が22名ほど。
ひが
選手はどうやって集めているんですか?
フェリシアーノ
アカデミーのスカウトが見つけてきた選手と、選手自らテストを受けに来るパターンと二通
りです。
りです。
そうそう、スカウトじゃありませんがOBの古沢憲司さんもちょくちょく選手を見つけてアカデミーに連れて来て下さいますよ。笑
ひが
へええ、カープにトレード移籍してきた古沢さんが今はドミニカで原石たちをスカウトしてるのか・・・
古沢さんと交換で西武に行った高橋直樹さんはNHKでメジャーリーグの解説をしていたし・・・
当時は単なるおっさん同士のトレードだと思ったけど、今思うとあれはあれでなかなか国際的なトレードだったわけか・・・ぶつぶつぶつ
フェリシアーノ
え、なんです?
ひが
ああ、すみません。苦笑
またこっちの話でして。
フェリシアーノ
古沢さんはドミニカ事情にも詳しく、日本のプロ野球事情にももちろん精通されています。
第一線を退かれた今でも、アカデミーにとっては大切なお父さん的存在です。
ひが
そうですか。
それでアカデミーのスカウトのみなさんは、どこで選手を見つけてくるんですか?
フェリシアーノ
ドミニカでは日本のようにリトルリーグとか高校野球とかが盛んじゃありません。
プロを目指す子供たちのほとんど全員が野球アカデミーで野球を学んでいます。
例えば14歳や15歳の子供が学校の授業を終えてから、野球アカデミーで練習しているんです。
ひが
メジャーリーグのアカデミーですね。
フェリシアーノ
そうです。メジャーリーグのアカデミーでは15歳以下は無料で練習をさせたり、昼食まで出すところも多いです。
ピカピカの原石を見つけて、一刻も早く囲い込みたいからですよ。
あのロビンソン=カノやサミー=ソーサもドミニカアカデミーの出身ですよ。
ひが
ふーん、ドミニカでもやっぱりカープは貧乏なんですね。
それも競争相手はMLB。巨人や西武どころじゃないビッグマネーが相手か・・・
フェリシアーノ
どうしました? 震えてるんですか?
ひが
でも、だからこそ・・・
だからこそ、カープアカデミーにはロマンがありますね!
フェリシアーノ
ロマン・・・ですか?
その日本語はよく理解できませんが、もしかして敗者復活とか逆境という意味ですか?
ひが
そうです、それですよ、男のロマンとは。貧乏な中でも巨大資本に立ち向かう姿こそカープですよ。
メジャーリーグを落ちこぼれた選手をカープが拾う。そして育成して日本でセカンドチャンスを与える。
選手たちの夢はメジャーリーガーかもしれないけど、日本で変化球を打てるようになったり、スライダーでストライクが取れるようになってからアメリカに挑戦する道も悪くないですもんね。
フェリシアーノ
その通りです。カープアカデミーの趣旨もそれですよ。
ひが
今年、あのライネル=ロサリオが3Aで完全復活しましたよね。
もしかして彼も来季はメジャーリーグでプレーできるかもしれません。
フェリシアーノ
ロサリオは今でもアカデミーに連絡くれますよ。
ソリアーノも時々遊びに来ては、選手たちとキャッチボールをしてくれます。
ひが
ケサダは、ケサダ!?
フェリシアーノ
興奮しないでください。笑
ケサダも遊びに来ますよ。
ひが
現役時代の緒方監督がよくケサダを可愛がってたらしいですが、ケサダはNPB史上初めてポスティングシステムでアメリカに移籍しました。
それにロサリオやグスマンも緒方監督1年目で解雇になりましたね。
もしかしたら純日本人で九州男児の緒方孝市は、陽気なドミニカンたちとの相性が良くなかったのかもしれませんね。
フェリシアーノ
僕はよく面倒を見てもらいましたよ。
ひが
いやいや、やっぱり緒方監督は堅い人間ですよ。堅いという言葉がいけないなら厳格とでも言えばいいかな。
とにかく完璧主義で自分に厳しい人です。そういう上司の下で陽気なドミニカンは本来の力を発揮できなかったのかもしれません。
実際、1年目の緒方監督は「勝たないといけない」「ミスしちゃいけない」っていう、いかにも日本人的な気真面目さにあふれていました。
これがロサリオやグスマンの長所を消していたんですよ、きっと。
フェリシアーノ
でも今年のバティスタとメヒアはチームに溶け込んで大活躍しました。
ひが
そうです。2年かけてチームの雰囲気を明るく変えたのは新井さんと黒田さんです。この二人の復帰はやっぱり大きい。
緒方監督もこの二人に全幅の信頼を寄せ、チームを任せた。そして二人はグラウンドのリーダーを菊池と丸に任せた。
新たなチームリーダーに誠也やカピバラ軍団も加わって、気真面目一本だったカープから、陽気でラテンなカープに変わっていきました。
フェリシアーノ
確かにチームの若返りと明るさが、アカデミー選手の活躍に結びついたかもしれませんね。
ひが
緒方監督自身も変わりましたよ。
2年目からは自分が一歩引いて、若い選手たちのやりやすい雰囲気作りを心掛けました。
これ、言葉で言うと簡単ですけど、昭和の野球部員が軍隊的規律と体育会系上下関係の中で30年も40年もやってきて、今のゆとり世代じゃないけど新人類みたいな若い選手をのびのび放牧するってのは指揮官としては相当な勇気と覚悟が必要だったんですよ。
フェリシアーノ
そうですか。
私には日本の細かい事情まではわかりませんが、日本人の真面目さと勤勉さ、忍耐力はドミニカンには真似できない部分です。
そこは大いに尊敬していますし、アカデミーでの指導にも「真面目にコツコツ」を取り入れているつもりです。
ひが
逆に日本もメジャーリーグや国際試合を経験して、意識が変わってきていますよ。
少年野球も昔と違い柔らかくなってきました。ミスしても積極的に行けとか、先輩後輩がフレンドリーな関係になったりとか。
フェリシアーノ
どちらもお互いのいいところを吸収し合っています。
ひが
そうです。
メジャーと比較して、カープアカデミーの長所はそこだと思います。
フェリシアーノ
いや今回の取材は私達にもたいへん勉強になりましたよ。
ありがとうございました。
ひが
こちらこそ取材協力ありがとうございました。
今度、広島に帰ったら安部の覇気Tシャツとか、中﨑のペットボトルキャップとか、カープグッズをたくさん送りますね。
フェリシアーノ
いや、それは要りません。苦笑
おしまい
このブログ記事は管理人の妄想100%で完全にフィクションです。
間違っている部分も多いので、決して真に受けないでください。