坂倉将吾、鮮烈デビュー!

昨日、マツダスタジアムでの対巨人25回戦で、高卒ルーキーの坂倉将吾がプロ初打席に立ちました。
結果はレフトフライでしたが、鮮烈デビュー!と言っていい衝撃がありました。

彼は日大三高の出身、1998年生まれの19歳。右投げ左打ち。
相手投手は大卒ルーキーの池田駿。スリークオーター気味の左腕です。
8回裏1死、投手に変わって9番に代打、坂倉。
これ!
鮮烈なのはここです。たいへんビックリしました!!
私はルーキーのプロ初打席を、代打で左投手に当てたケースを初めて見ました。全く記憶にありません。

以下のようなプロ初打席はよくあります。
「スタメン起用されて相手投手が左だった」とか
「守備固めに出て、打席が回ってきたら左投手だった」とか。

しかし、わざわざ「左投手が投げているところに、代打で左打ちのルーキーを当てた」ケースを私は全く見たことがありません。近代野球では考えられない。
しかも坂倉は高卒1年目ですよ。
二軍では前田智徳や鈴木誠也と比較されてきましたが、やはり並みのルーキーではありません。
なんでドラフト4位で獲れたんだろ???

本人が「緊張しました」と発言した通り、固くなってる感じも少し見えましたが、打席で構えた感じは非常にいい。
そして表情はもっと良かったです。
やる気、向上心、キャプテンシーみたいなものまで感じました。
イメージ的には野村謙二郎のような「表情」です。

打席での構えはリラックスしたいい構えです。どこのコースにも反応できそうなゆったり感があります。
見るからに「アベレージヒッター」ですね。丸と西川を足して2で割った感じの構え方。
私は彼の打席を何度も映像で見てきましたが、それは由宇球場でのものが多いです。
やっぱりマツダスタジアムのセンターカメラから捉える構えは特別で、テレビ映えもして非常に格好良かったです。

初球はアウトコースのスライダーを見送り、ストライク。
二球目は真ん中高めストレートをセンター返しするも、結果は平凡な浅めのレフトフライでした。
打った球は見送ればボールかなって高さのボールでした。
草野球あるあるなんですが、甘い球を見逃して「しまったあ」って思うと、次の球が少々のボール球でも強引に打ちに行きたくなるんですよね。
坂倉にも緊張があったのかもしれません。

しかし彼のスイング自体は綺麗なレベルスイングでした。
試合後のコメントで「次はヒットを狙わず、自分のスイングをしたい」と発言しました。
やっぱり今日の初打席ではヒットを意識して、つい当てに行ったようです。そして本人もこれを反省していました。
彼、二軍で首位打者争いをしている時も「首位打者を狙うんじゃなくて、自分のスイングをし続けたい」みたいなことを発言していました。
気持ちのしっかりした子だなあと思いました。

ってことで、坂倉将吾の未来について。
鈴木誠也以来の高卒ルーキーの一軍デビュー。
誠也と同等の成長曲線を期待したくなりますが、坂倉の場合はキャッチャーです。
外野手の誠也と同じスピードで成長するのは非常に難しいです。
外野は3つポジションがあります。使いながら育てやすいポジションです。

キャッチャーは1つだけ。
そしてチームの勝敗を握る重要なポジション。
しかも今はチームも黄金期で、會澤が絶好調というか全盛期です。
坂倉はあと3年くらいは二軍で試合に出るほうが現実的でしょう。
もちろん一軍の空気を吸いに、ちょくちょく上がってくるのは賛成です。
ですが出番のない第3捕手としてずっと一軍に帯同するのはあまり良くないと思います。

あと坂倉を見たいからって一塁や外野で安易に起用することは大反対です。
L森友哉は1年目から外野やDHで試合に出ていましたが、あちらはパリーグ。こちらはセリーグです。坂倉は是非とも「打てるキャッチャー」として育成してもらいたい。
中田廉は坂倉のキャッチングを褒めていましたし、日大三高の小倉監督はリード面やキャッチャーらしい雰囲気を評価していました。
坂倉の目標は阿部慎之助がいいんじゃないですか。
40発とは言いませんが、3割20発くらい打てて、あわよくば首位打者争いができる打率を期待したいです。

ですから今年のドラフトで、カープは中村奨成君に行かない方がいいと思うんですよね。
その代わりに1個下の後輩、櫻井周人君に行けよと。

とにかく坂倉将吾は「じっくりで育てる」がいいと思います。
早く見たいのでちょっと寂しいですが、グッと我慢しましょう!
3年後、2020年に出てくれば坂倉は22歳で、會澤は33歳。
大瀬良や野村も30歳前後。一軍で試合に出ながら先輩たちにいろいろ教えてもらうのにちょうどいい年頃じゃないかと思います。